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17話

「ほら、さっさと片付けて来い」 不機嫌顔で無言なルイスを宥めながら、食器の片付けを言い付ける 結局あれから、全てをルイスの口に無理矢理突っ込んで完食した 最後の一口になった頃には少し頰を膨らましていて、不機嫌なのは分かったが可愛かった 「ノア様のお食事を私が・・・」 「んなの良いから、片付けて来い。行かねえなら俺が行く」 「ノア様にその様な事をさせられません!!」 椅子から立ち上がろうとすると、焦って大声で制止された 「ならさっさと行って来い」 「・・・・・はい」 そう言って食器を持って出て行くのを、ソファーに座って見ていた 頑固なのか何なのか良く分からん奴だな あと偶に俺を見た瞬間、悲愴な表情をするのがどうも気になる でもまあ、周りの主従関係はどうなのか分からないが、軽い言い合いは出来るから、少しは仲良くなってんのかね 俺は軽く溜息を吐いた ここの世界に来て18年 神の加護を貰ったお陰で、言語や魔力、能力その他数多に困る事が無いので良いのだが、ゲームを完全裏技でプレイしている感じになる 裏技によって体力攻撃力全て最大で、攻撃されても減少しない。そんな状態でボスに勝ったとしても、嬉しさよりつまらなさが勝るだろう。 それに気づいたのが、9年前の鳳凰を呼び出した時 それまでは、軽い魔法しか使ってなかったから魔力の減りが少ないのだと思っていた ある日、1年後の俺の披露目会の為に、親父に使い魔を召喚しろと言われた 俺は2つ返事で了承して、庭に被害防止結界を張って召喚魔法陣を発動させた 因みに、人其々の魔力には色が付いており、その色が魔法陣の色となる。俺の魔力は真っ赤だ その時に、異変に気付いた 手に集中させ魔法陣が出来、体内の魔力回路を通じて魔法陣に魔力を注ぐ 減少している感覚は、大きな魔法に成れば成る程分かり易い しかし、俺の場合は魔力が流れている感覚はあれど、減少している感覚がない いくら魔力を魔法陣に流そうと、減少しないのだ その時初めて、自身が怖いと思った 普通の人間なら、魔力が減り欠乏症に陥る そんな当たり前な事が、俺は起きない 人間であって、人間ではない そう誰かが言っている気がした もし、あっちの世界の俺が死ななかったら、こちらの俺はどうなっていたんだろうな・・・ そんな事、考えたって意味ないのに で、あの召喚陣からは鳳と凰が現れた 赤を基調とし7色に輝く神秘的な巨大鳥 瞳の色は、鳳が左が金で右が赤。凰は鳳の逆だ 二体によれば、基調とする色は主人の属性の色になるらしい 二体が召喚され初めての会話が、 「御主、神の分身か?」 「は?」 だったのを良く覚えている 2体は、俺と神が何らかの関わりがある事を見抜いているらしい 「これ等を御主にやるから、その膨大な魔力は封印しておけ」 「そうよ。その膨大な魔力が他の人間にバレたら大変な事になっちゃう」 鳳凰と魔力の契約印を交わし、最後に鳳凰の魔力で作られたピアス5個・羽のネックレス・バングル2個・指輪3個を置いて帰って行った そのお陰で、魔力の半分以上は封印される事になった それでも本来の人間よりは魔力が多いらしい 鳳凰なんて、電気ネズミがバトルするゲーム以外で見た事なかった為、俺も初めて見たときは暫く固まったものだ 俺は、部屋に置いてあるチョコを1つ摘んでシャワーを浴びて寝た

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