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20話
エリオッドに近づくに連れ重い魔力に包まれ息苦しくなる
「ノア様」
ルイスの俺を呼ぶ声が、緊張で硬くなっているのが分かる
「大丈夫だ。そろそろ奴らが見えるだろう。一瞬でキメろ」
「はい」
音や気配を消して素早く歩いて行く
俺一人ならこんなコソコソしなくても良いんだが、ルイスがいる手前そんな事は出来ない
よし見えたっ!
「行けルイス」
ルイスの掌に水色の魔法陣が一瞬現れ、エリオッドのオスの頭上と足元に同じ魔法陣が出来た
その瞬間、デカい氷柱が雄を襲い見事に氷漬けにした
「ノア様ッ」
「あぁ。瞬間で終わらす」
俺は右人差し指に嵌めてある魔力封印の指輪を外した
「燃えろ」
小さく呟くと、雌共の周りに結界と同時にデカい魔法陣が地面に現れた
そして、結界中に炎が蔓延する
「凄い・・・」
中は真っ赤でエリオッドは見えない
だが、こんな炎如きで死ぬ筈は無い。この炎は所謂ミスディレクションってヤツ?
炎でルイスの注意を逸らして、大技をバレないようにしている
あの中では炎に囲まれながら炎と雷の柱がエリオッドの身体中を突き刺し、闇魔法で体内から溶かされているだろう
多分、あと数分したら炎が消えてエリオッドも消滅している
ほらな。跡形もない
1分もしない内に炎が消え、丸く燃えたメチャクチャデカい跡が残っただけだ
「エリオッド2体が一瞬で?!」
目を見開いて固まるルイス
「ザッとこんなもんだな。氷が溶けねえ内にさっさと退散するぞ」
オスにはメスがいた時の記憶を消す魔法を掛け、俺らはさっさと森から出て行った
指笛を鳴らすとイルが戻ってくる
「イル、ご苦労だった。休んでくれ」
イルの頭を撫でると、イルを魔法陣が包み消えた
「さて帰るか」
「ノア様ッ!雄の方は大丈夫なのですか?」
「暫くは出て来れねえよ」
さっきの雌エリオッドを燃やしている際に、ルイスが作った氷柱の威力を今の魔力で出来る最大の威力にしておいた
これで、俺らが森から抜けるまでは持つだろう
「ほら、モタモタしてると雄の氷が溶けて出てくるかもしれねえぞ」
さっきと言ってること違うが、そう言って脅すと慌てて俺の横に来た
さ、帰って書類の整理しねえとな
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