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23話

「ノア様」 「何だ?」 ルイスは真面目な表情になって俺を見つめて来る そのせいで、俺まで真顔になる 「もし、もしですけど・・・」 何だ? 肩を微動させながら両掌を握りしめている 「もし、ノア様に番が現れたら・・・」 どうしますか?と、不安そうに見られた 俺に? 「番ね・・・。俺に番なんて想像し難いな。この広い世界で番同士が結ばれる確率は50%もないと言われているだろ。正直、俺には現れないと思ってる。まあ、現れたら現れたで歓迎するがな。それがどうしたか?」 Ωにしか分かり得ないと言われている番の相手 そんな番か如何か見極められないαの男がΩから「あなたは俺の番です」なんて言われたって、信用できるか否か 殆どが後者だろう 結果的に、気持ちが結ばれた相手と結婚や子作りをすれば其れで良いと思う 「いえ、その・・・もし俺が「ノアあああああ!!!」」 バタンッと勢い良く書斎室が開き、俺とルイスの視線は其方に向かった 「ノアあああ!!久し振りです!ずっと会いたかった!」 「ヒノ?!」 「うん!」 扉が開き、猪の如く椅子に座ってる俺に突進して来た見慣れた奴 ヒノア・クレイス・リモンド。通称ヒノ 此奴の両親が俺の両親と旧知の仲で、生まれた時からずっと一緒に過ごしていた 此処1,2年は会っていなかったが、関係は崩れていない ピンクの花柄のシフォンワンピースに身を包み、栗色のフワフワのロングヘアーに同じ色の瞳 身長は俺と20cmくらい違う。多分160前後だろう 色白で声も高く、女だと言ってしまえば誰もが信じるだろう華奢な身体 見た目通りのΩである 「あれ、従者が付いたの?」 ヒノは横で呆然としているルイスを見て言った 「あぁ、数ヶ月前にな。紹介する。ルイス・アルティアで、俺と同い歳だ。でルイス、こっちが俺の幼馴染のヒノア・クレイス・リモンドだ。まあ、よろしくしてやってくれ」 「はい。リモンド様、私ノア様の専属騎士のルイス・アルティアと申します。以後お見知り置きを」 ルイスはヒノに軽く頭を下げて言った 「ふーーん。従者・・・ね。うちのノアがお世話になってます」 誰もが見惚れるだろう笑顔でルイスに言う 何だようちのって てか 「さっきルイス何か言い掛けたよな?」 もし俺が・・・って 「いえ、何でも御座いません。お気に為さらず」 「そうか?」 「はい」 何でもないなら良いか

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