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24話
「ところでヒノお前、何でいきなり来たんだよ」
「え?!いや・・・別に・・・」
俺は腰に抱きついてるヒノに視線をやれば、視線が右往左往する
「見合い話でも上がったのか?」
その言葉で、ヒノは分かり易くビクッとなった
図星か・・・
確かに俺等は成人になったしな
見合い話の1つや2つ来ても可笑しくない
ましてや、貴族でΩのヒノなら尚更
貴族の大半はαが産まれる
その為、貴族でΩは結構貴重なのだ
より良い血筋を残したがる貴族連中は、庶民のΩより貴族のΩと結婚を望む
その結果、貴族のΩは自然と取り合いになるのだ
ましてや超美人なヒノだ。結婚争いに巻き込まれないワケが無い
貴族の中でも群を抜いて人気があるのだろう
「そうなんだよ。毎日毎日ウザいったらない!!ノアもそうでしょ?!」
「あぁ」
以前の見合い写真の山を思い浮かべながら同意する
「お前には運命の番ってのはいないのか?」
そう問えば、分かり易く肩が跳ねた
「・・・・・。ノアが旦那さんだったら幸せだろうな・・・」
ヒノは俯いてしまい表情が伺えない
しかし、声音からして凄く落ち込んでる様だ
この様子からして運命の番とやらに出逢ったのだろう。しかし、上手く行っていない様だ
「そっか・・・。やはり、Ωにはそうゆうのが分かるのか」
「そうだね、一瞬で分かるよ。けど、相手には分からない。番と結ばれる確率は本当に極僅かなんだ。出逢えた事に運命を感じるけど、僕の事には振り向きもしない。これなら、出逢わなかった方がどれだけマシか・・・」
あぁ、苦しいのか
出逢わない状態ならば諦めも付くだろうが、一度出逢ってその存在を認識してしまえば求めずには居られない
最早、麻薬の様だ
俺は泣きそうなヒノの表情を見ながらそう思った
目の前の小さな存在が消えてしまいそうで、俺は少し力強く抱き締めた
「暫くこの城に居ると良い。久し振りにゆっくりお前と話したいしな」
腕の中で小さく頷くのを確認し、頭を優しく撫でた
ホント、お前を男にしておくのが勿体無いくらいだよ
拳をキツく握りしめ唇を噛んで苦痛な表情で此方を見て居るルイスに、俺は全く気付かなかった
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