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28話*ルイスside*

「俺?!」 「そう!その様子だと、見つかってるんでしょ?番」 一瞬だけ肩が跳ねた ジーーッと見てくる目は、誤魔化しは許さないと言っている ゴクリと固唾を飲む どうしよう、凄い緊張する 「俺………の番は……、………」 手汗や背中に冷や汗が流れる 「………ノア様……デス」 等々言ってしまった 目をキツく瞑り、また固唾を飲みヒノア様の反応を待つ 何て応える? 止めとけ?お前とは立場が違う?無謀?お前が好いて良い立場じゃない? 全てが想像し易く、そして否定が出来ない 「………それ、ホントなの?」 「………はい」 拳に自然と力が入る 変な汗が背中を流れ不快だ 何て答えられる?否定はしないで。お願いします 俺にはノア様しかいないんです ノア様に存在を否定されたら俺は……… 俺は、生きる価値を見出せなくなる それは、ノア様を幼少の頃から知っているヒノア様も同様だ ヒノア様に否定されるという事は、ノア様にも否定されるのと一緒 お願い、お願いします。どうか否定だけは、否定だけは………!! 「やっとノアにも相手が見つかったんだ………。……良かった」 ホッと安心したように胸を撫で下ろしながら呟いたヒノア様 「え?」 思わず声が出てしまった 「どうしたの?」 キョトンとした視線で見られた 「いや、あの……反対しないの?」 「何で?」 何で?って……… 「身分が違い過ぎるから………」 俺がそう言うと、意味が分かったのか「あーーっ」て言った 「確かに、庶民出の騎士がこの国の第2王子ノアの番だったら、臣下達は黙ってないだろうね。だって、ノアはあの神にも等しいと言われている鳳凰を召喚し、そして魔術体術に長けていて、更に国民から慕われている。そんなこの国で最強な人の番が庶民………てねえ……?」 ドクドクと心臓の音が身体中に重く響き杭が突き刺さる感覚になった やっぱり、そうだよね……… 俺なんて誰も求めちゃくれないんだ 俺は、皮膚に爪が食い込むくらい拳を強く握った 「でも……さ、番ってそんなの関係ないよね。一度求めてしまったら最後、一生その人を想い続けないといけないんだから。例え、相手が自分を運命だと思ってくれていなくてもさ」 ニコッと切なそうに笑った 「ヒノア様は、どうやってその方を己に惚れさせるのですか?策はお有りなのですか」 「敬語に戻ってるよ!それが無いから、ノアの所に来たんだ。あの二人、性格真逆なのに仲が良いから」 嫉妬するくらいに、と言った そんなに仲が良いのか? それならば、何故俺が就任してから見た事がないのか 「ごめん、思わず……。リカエナ様は、俺が就任してから未だ見た事ない……」 「そうなの?就任してどのくらい?」 「一ヶ月くらい」 「一ヶ月も来てないんだ。前までは、僕がこの城に来たら必ずいたくらいなのに。いやでも、 僕は一年ぶりにここに来たしな」 そんなに仲が良いんだ 少し、胸の奥がモヤモヤした ---------- 久々の投稿です。忘れられてないといいのですが…

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