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近くて遠い【4】
最後の一線だけはこえられないにしろ、このままでは、礼二はいつまでたっても中途半端でいけないままだろう。
解放を望んで待ちわびている礼二を何とかしてやろうと思い、翼は目の前で無防備に曝されて、垂れてきた先走りの液と腸液にまみれて、濡れてピクピクとヒクついている肉筒の中へと指を三本纏めて差し入れる。
柔らかく解された肉筒は三本の指を難なくずるずると飲み込んでゆく。
差し入れられた指に嬉しそうに絡みついて、ぬめった粘膜がざわめききゅうきゅうと締め付てくる。
ずっと待ち焦がれていた愛しい者の指に絡みつき吸い付いてくる壁を掻き分けながら指をぐちゅぐちゅと出し入れし始める。
「ふあぁっ! つばしゃのゆびぃ…はいぅ…きひゃあぁ!」
礼二はビクビクと内股を震わせて歓喜の声を上げて呂律の回っていない甘ったるい高音で喘ぐ。
指を折り曲げて肉壁を擦りながら、掻き回してやると、礼二は嬉しそうに唾液を垂れ流しながら涙を流し、顔中をぐしゃぐしゃに濡らして、頬を真っ赤に染めて、嬉しそうに笑みをうかべた。
「ひゃはあぁぁっ! はあああ、つばしゃの指、ひもちいぃぃっ」
そう言いながら、いやらしい声を上げて喘ぐ、礼二の唇を翼は塞いで、舌を差し入れて彼の舌に自らの舌を絡めて掻き回す。
入ってきた翼の舌に答えようと伸ばされた礼二の舌をちゅうちゅうと吸い上げて、蕾に差し入れたままの指にさらに指を継ぎ足して四本に増やして押し広げるようにごりごりと出し入れしてやると、礼二の両足がぶるぶると震えだした。
礼二は自分の口の中へと流し込まれる翼の唾液を美味しそうに啜って飲み下す。
口付けを終えて離れていく翼の舌を追いかける礼二の舌先と翼の唇が名残惜しげに銀糸の橋を作り零れ落ちた。
「ふあっ、はあ、んあああ、んっ」
「兄貴、そろそろ、イきそう?」
翼は、四本の指をぐちゃぐちゃ出し入れしながら、礼二にそう問いかける。
「んんん、ひゃはぁ、まだぁ……」
これだけ激しく四本もの指を出し入れして掻き回しているのに、礼二はまだイク気配を見せなかった。
先走りの液をお漏らししたかのように噴出しているが射精はまだのようだ。
乳首や、性器を弄りながら指を突きいれてやった方がいいのかと思い翼が、出し入れされる指の動きにあわせてぷるぷると揺れている幼い礼二の陰茎もあいている方の手で握りこんで扱き始めた。
「ふああぁっ! ふにゃああぁぁっあーっ!」
前と後ろを同時に愛撫されて、礼二が子猫が鳴く時の様な、嬉しそうな声をあげた。
「ふあぁ、あああん、ひもちいぃっ!」
「兄貴、乳首は自分でくりくりして弄ってみて」
礼二はそう言われてずっといやらしく勃起したままの乳首を人差し指と親指で摘み上げて押しつぶすようぐりぐりと弄り始める。
「あっあ! んああぁっ、ちんこも、おひりも、ちくびも、しゅごいのっ!」
三箇所から一片にえられる快楽にぶるぶると全身を震わせて嬉しそうに喘ぐいやらしすぎる礼二の姿を見て、翼の陰茎もすっかり固く勃ち上がってまた蜜を零し始めていた。
差し入れた四本の指をばらばらに動かして、前立腺を押し上げるようにぐいぐいと指の腹で擦るようにしてやると礼二がガクガクと腰を跳ね上げる。
「ふああああああぁっ!」
奥を突き上げるようにして激しく指を出し入れして内部を掻き回して、指の間を開くと、中の媚肉が蠢いているのが見える。
指よりももっと長くて太いものでもっと奥まで突いて欲しいのだろうか。
絡みつく熱い肉壁は奥へ奥へと誘い込むようにピクピクと震えて指をぎゅうぎゅうと締め付ける。
翼は礼二をイかせてやろうと届く限りの奥まで指を差し入れる。
礼二は後ろに指を突き入れられて、前をしごかれて、自分で乳首を弄りまわして、涙と涎を流して顔をぐしゃぐしゃにとろけさせながらも、目の前にいる翼の下肢で屹立している陰茎を物欲しげに、半開きの目で見ていた。
翼の肉棒で奥まで突かれたい欲求に促されるまま物欲しげに、上目遣いで彼を見上げた。
「はあん、ああん、つばしゃぁ……!」
礼二が何を欲しているのか解っていても翼はそれに答えられない。
自分の本当の気持ちがはっきりするまでは、最後の一線だけは超えられない。
喘ぎながら物欲しげに見てくる兄から顔を背けると、足元に転がっているシャワーヘッドが目に入る。
長さといい太さといい、入れるのによさそうな形をしているということもあって翼はふいに礼二の肉筒に突き入れていた指を引き抜くとそれを拾い上げた。
「兄貴。コレいれてあげようか?」
翼にそう聞かれて、礼二はいきなり指を引き抜かれた喪失感にさいなまれて、疼く体内をどうにかして欲しくて頷いた。
「あっ、入れてぇ……!」
礼二が甘えたような掠れた声でそう答えたのを聞いて翼は、拾い上げたシャワーヘッドを、礼二の蕾へと押し当てた。
先端部分で入り口の濡れ具合を確かめるように、にゅるにゅると擦りつけて、礼二の陰茎の先端からひっきりなしに零れてくる蜜も空いている方の手の平で掬い取って潤滑油の代わりにしようとシャワーヘッド全体に塗りつけてゆく。
そうやって準備を整えてから翼は礼二に声を掛けた。
「兄貴、体の力抜いてて」
そう言われて礼二はコクンと頷くと息を吐いた。
礼二の体から力が抜けた頃合を見計らって、押し付けていたシャワーヘッド先端部分をそのままゆっくり肉筒の中へと挿入してゆく。
先端の出っ張りの部分を押し込んだ後は、ずるずると簡単に翼がシャワーへッドの下側を持っている手に触れるぎりぎりまで入れることができた。
「兄貴、全部入ったよ」
「うんっ、はあ、ああん、おっひぃ……」
礼二はそう言いながら下腹を右手で撫でて中に入ってるそれの、存在を確かめるようにして、浅く息を吐く。
「そろそろ、動かしても大丈夫か?」
翼に聞かれて、半開きの目元に涙を滲ませて涎を口端からたらしたぐしゃぐしゃの顔のまま首を縦に振り、礼二はうんうんと頷いた。
いまだに半分眠っているような、とろんとした表情の礼二を見て、翼は苦笑すると、奥まで入れていたシャワーヘッドをズルズルとゆっくり動かし始めた。
先端部分が抜けきらないくらいまで引き出してから、ぐちゅりと奥まで挿入するのを繰り返す。
「ふあ……はああああっ!」
礼二が気持ちよさそうな声を上げて、ピクピクと開いたままの両足を震わせる。
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