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それぞれの過去〜龍之介×虎次郎編〜【5】

   胸を弄られて女の子みたいな声で喘いでいる自分が恥ずかしくて、情けないのに抑えられなくて、龍之介に愛撫されるたびに勝手に体が震えて大げさにびくついて反応を返してしまう。  龍之介は乳首を引き絞っていた手を胸からだんだんと下方へと滑らせて辿りついた先で、大量の蜜を先端からしとどに噴出して、足の間でふるふると揺れている花茎を手の平で包むように掴んだ。  滴るほどに溢れ出した半透明でとろりとしたその淫液を掬い取るように手の平で包んで緩く引き絞った。 「ひゃああぁっ! あっ、あうっ、」  ピンク色の性器の先端のくぼみにできた小さな雫を人差し指で弾けさせて、くりくりとほじるように指先を動かしながら、掴んでいる茎を丁度いい力加減で揉みしだいた。 「ひあ…ぁ、ふあぁっ…ひやああぁ! んくっ!」  龍之介に乳首への愛撫でより硬く育って蜜を溢れさせて、震えていた陰茎を扱かれて、抑えようとしても押さえきれない、甘ったるい喘ぎが漏れて、慌てて唇を噛んで引き締める。 「コラ! コジロー! そんなに強く下唇かみ締めたら怪我するぞ!」  陰茎を包んで扱いていた手の動きをいったん止めてからそう言う龍之介を戸惑ったような顔をして見返して、虎次郎は噛み締める歯を緩めて薄く唇を開いた。 「はぁ…はぁ…だって、声、出ちゃうっ、から……」  虎次郎が息を荒げて途切れ途切れに、顔を真っ赤にして、涙目でそう言うのを見て、龍之介は空いている方の手で、彼の頭に手を置いて優しく撫でた。 「なんで我慢するんだ!?」  龍之介に不思議そうな顔でそう聞かれて、虎次郎は口元を手で押さえながら答える。 「ん……だって、さっき、りゅーちゃん、僕が、あんまり変な声出すから、おかしくてニヤニヤしてたんでしょ……?」 「馬鹿、違うぞ、あれは嬉しくてにやけてたんだ」 「嬉しくて?」 「コジローがあんまりかわいい声でなくから、嬉しくてだぞ!」 「うぅっ、かわ、かわいぃ……」  小さくて華奢で女顔でも一応、男である虎次郎は複雑な気持ちになった。  龍之介にかわいいといわれても素直には喜べずに弱り顔で俯く。    大げさに反応をかえして喘ぐ自分を見てかわいいといってくれた龍之介には悪いが、それは男相手にはあまり褒め言葉にはならないようだ。  嘲笑われるよりかはいいけど、やっぱり、恥ずかしい。 「俺の手でこうやって感じて声を出してくれると、もっとこうやって、してあげたくなるんだ」  龍之介はそう言いながら、手の平に包み込んだそれをまたゆるゆると扱き出した。 「う、んんっ! ふぅ…んんっ、く、ふぅ…っ!」  途端につい声が出そうになるのを押さえようと口元に当てた服の袖を噛みしめた。 「我慢するなよ、もー! もっとコジローのかわいくてやらしー声聞かせてくれよっ!」  龍之介にそう言われて虎次郎は余計に恥ずかしくなって、声が出ないように服の袖をより強く噛み締める。 「っん、くぅ……んんっ」 「口押さえてたらキスもできないだろ?」  虎次郎は困ったような、戸惑ったような表情をして眉を八の字に寄せる。  (キスはして欲しいけど、手をどけたら声が出ちゃうし……)  そう考えていたのだが―― 「キスして唇塞がれてれば、えっちな声でないだろ? 俺は聞きたいけど」  という龍之介の台詞を聞いて口を押さえていた手をどけた。  虎次郎が口を押さえていた手をどけると同時に龍之介の唇が押し付けられた。  唇を薄く開いて龍之介の舌を迎え入れて自らも舌を差し出した。 「ふぁ…んんっ…ん」  二人の舌先が絡み合うくちゅくちゅとした水音が防音設備の整った密室にやけに大きく響く。  その水音に煽られて恥ずかしさで全身がより熱くなって、龍之介の手に包まれたままの先端から蜜が溢れた。  龍之介はそれを絡め取るようにして、茎全体に塗りつけてゆるゆると輪にした手指でもっとたくさんの蜜を絞りだそうと上下に動かした。  淫液に濡れたそれを、水音を響かせながら、リズミカルに強弱をつけて扱いて口付けを深くする。 「ぅ、んんっ…んふぅ!」  下肢を弄られて押さえきれずに零れる吐息や甘い声はすべて龍之介の口の中に飲み込まれていった。  虎次郎の口端から二人分の唾液が溢れ、ぽたぽたと零れて首筋を伝う。  龍之介の咥内から注ぎ込まれるそれを懸命に飲み干そうとするが飲み下しきれなかった分が零れてしまう。  龍之介以外の誰かの唾液だったらあまり綺麗なイメージもないそれを飲み下すことなど抵抗が強くてきっとできないだろうと思う。  好きな相手の体液だからこそなんの躊躇いもなく受け入れられる。  龍之介が言っていた好きということはこういうことだったのだと彼に深く口付けられながら理解した。     咥内を満たす二人の唾液が舌を絡めあうことで掻き回されて混ざり合って口端を伝う。  まるで水分を分け合うように深く舌を絡ませあい、お互いの咥内に溢れ出した唾液を水音を響かせながら啜りあう。     「んく…んんっ、ふ……」  口付けを受け入れている虎次郎は陶酔したような、半開きの潤んだ瞳で頬を薔薇色に染めて、くぐもった喘ぎを口付けの合間に漏らして、ぴくぴくと下肢を震わせる。  コクリと喉を鳴らしてその液体を懸命に飲み下して、龍之介の口付けに応えようとする虎次郎の健気な姿に自らの下半身が疼くのを感じた。  龍之介の手に扱かれている性器が脈打ち固さを増して、先端から大量の蜜をぴゅくりと吐き出してびくびくと震えていた。  茎全体を揉みしだいて、時折先端の孔に軽く爪を立ててくりくりと溢れ出して玉を作っている雫を弾いて、掻き出すように弄ってやると虎次郎の腰がぶるぶると大げさに跳ね上がる。 「ひぁ……ん、んんっ! んふぅ……んっ」  酸欠で真っ赤な顔をして苦しそうな顔でくぐもった喘ぎを漏らす虎次郎を見て、龍之介は深く差し込んでいた舌を抜いて口を離すと、お互いの舌先に糸を引く唾液を舌で絡め取るようにして切った。  銀糸の橋が切れて虎次郎の首筋へと零れて線を描き、伝うその唾液も、舌先で掬うように舐めとって綺麗にしてやる。  くちゅくちゅと肉茎を扱く手の動きを緩やかにして、蜜を溢れさせている先端を指先でくりくりと押すように弄り始めた。 「ひゃううんっ! ひやあっ! あっあぅ、りゅーちゃぁ……そこぉ……あっ!」 「ココ?」  龍之介がそう聞いて、先端の孔に指を差し入れて、繊細な粘膜を傷つけないように気をつけながら、カリカリと蜜を掻き出すように動かし、軽く爪を立てると、虎次郎が大げさに反応して、腰を跳ね上げ悲鳴に近い声で鳴いた。   「ふにゃあああああっ!」 「コジローはココがいいのか?」 「ひやあああっ! そこっ、あっ、めぇ!」  虎次郎は尿道に爪を立てられて、穿られるはじめての感覚に、熱に浮かされている時のように頭が真っ白になってビリビリとした強烈な快感が背筋を駆け抜けて、肉茎の先端から大量の白く濁り出した蜜を溢れさせて龍之介の指と自らの下肢をぐっしょりと濡らした。  まるでお漏らしをしたかのように赤いソファーの布地へと淫液が染み込んでいく。 「りゅーちゃぁあっ、あっ! ひゃあああぁうっ!」  我を忘れて感じるままに、素直に喘ぐ虎次郎を見て興奮したせいか、龍之介の肉茎も質量を増して先端から蜜を溢れさせていた。 「ふにゅうぅっ! ひやあぁっ!   でちゃ、うぅっ! れちゃうよぉーっ!」  先っぽばかり執拗に弄られて虎次郎の限界が近づいているようだった。    「このまま、出していいぞ。 全部手のひらで受け止めてやるから――」 「うきゅうううっ!」  龍之介はそう言うと茎全体を手の平できつく絞り上げて扱いて、先端の穴に指先をぐっと爪先を差し込んでから引っかくように引き抜いた。 「いっ、あぁぁーーっ!!!」  先端の孔にめり込んでいた爪先が引き抜かれると同時に虎次郎の肉茎がいっそうびくびくと脈打ち、ドクドクと大量の白濁を吐き出した。  噴きあがる熱い精液をソファーへと零れないように龍之介は、虎次郎の足の間を伝う液を拭うように手の平を滑らせる。  先端から放出される精液も手の平で受け止めて、白濁に塗れた手をそのままにイッたばかりでまだ息の整わない虎次郎の胸へと塗りつけて精液でぬめりを帯びた乳首を弾いた。 「ああっ! ああん……」  絶頂の余韻でまだこちら側へと帰って来ていない虎次郎は無意識に龍之介の愛撫に反応して甘さを含んだ声色で喘ぐ。  虎次郎が吐き出した精液を胸、腹を滑らせて白濁液で線を描くように塗り付けて下肢へと辿りつき、放出したばかりでくたりと横たわる幼い花茎を掠めて、さらに下方で呼吸に合わせて息づいている蕾に白濁に塗れた指で触れる。  指に滴る白濁を塗りつけるようにして孔の表面を指の腹で揉み込んで、固く閉じているそこを柔らかくなるまで愛撫する。  綻びかけて、柔らかくなり始めたばかりの粘膜を左右の親指で双丘を割るようにして押し広げヒクいているそこに舌を這わせた。  繊細な粘膜を熱く湿った舌で舐め上げられて、虎次郎は呼吸が整わずにおぼろげだった意識を浮上させる。  射精した余韻に浸り、脱力して、ソファーに横たわっていた虎次郎は、信じられないというような顔をして驚いて起き上がろうとした。  ありえないところに口を付けて舌を這わせている龍之介の頭を掴んで必死で引き剥がそうとする。 「や、やだやだあぁ! そんなところに。口付けたらダメだ、よぉっ!」  龍之介がしている行為をやめさせようと顔を真っ赤にしてぼろぼろと涙を零して左右に首を振りたくる。  虎次郎のそんな様子を見て龍之介はいったん行為を中断して顔を上げる。 「なんでダメなんだ?」 「だって、そこ汚いよっ!」 「そんなことないって! 俺は全然、平気だし気にならないから大丈夫だ!」  龍之介は平然とそう答えてからまた虎次郎の双丘へと顔を埋めて綻びかけた蕾に舌を這わせた。

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