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初めてのお留守番~佐藤といっしょ~【15】
礼二の状態が落ち着いているのを確認してから、佐藤は再び声をかけてゆるゆると腰を動かし始めた。
「んっ……そろそろ、動かしますよ」
「ぐっ、んんっ!」
ズルズルと内側の壁を肉棒で擦られて礼二の閉じた口から堪えきれない声が零れる。
「くっ…ううっ、相変わらず礼二様の中の肉が僕のちんこに絡み付いて…ぎゅうぎゅう締め付けてきて…っ引き抜きにくい……」
佐藤が言ったそんな言葉に余計に礼二の視界が大粒の涙で歪んで見えなくなった。
やだ……いやだ……翼以外の人間にこんな……
「もう少し体の力を抜いてください……そんなに締め付けなくても全部抜いたりしませんから……」
こんなことされるなんて、嫌だ…嫌…なのに…なん…で……
「うっ…んっ…んんっ!」
閉じた礼二の唇から零れる堪えきれない声は明らかに甘さを含んでいる。
自分のその翼以外の男に媚びたような喘ぎ声が耳障りで、許せなくて、自分の喉を引き裂いて声が出ないようにしてしまいたい衝動にかられた。
自分の身体を傷つけるような真似はしないと翼とした約束が無ければきっとそうしていただろうと思う。
それよりも何よりも眼前にいる自分を犯しているこの男の首を絞めて息の根を止めてやりたい衝動を抑えるのに必死だった。
他人を傷つける事は絶対にしてはいけないと翼に念を押されていなければとっくに八つ裂きにしている。
翼がくれた大切なプレゼントのクマのぬいぐるみの四肢を笑って引き裂こうとしたこの男を同じ目に合わせていただろう。
「はっ…礼二様、口を開けて、声、聞かせてください」
佐藤はゆるゆると腰を動かして肉棒を出し入れしながら口を閉じて声が出ないように奥歯を噛み締めている口を開けるように礼二の唇に空いているほうの手の指先でそっとなぞるようにして触れて促した。
礼二が感じている時の声をもっとちゃんと聞きたい。
少しだけ眉根を快感に歪めて微笑を浮かべながら佐藤は指先を礼二の唇へと押し当ててその感触を確かめるように触れてなぞり、滑らせる。
礼二は佐藤のその指先を歯で噛みちぎってやろうかと思ったが翼との約束を守るためにそれはせずに口を薄く開いて甘い息を吐き出した。
「かはっ…は、あっ…はあぁぁっ……」
佐藤の言う通りに唇を開いて、少しでも多く酸素を取り込もうとして白い胸を上下させて喘ぐ。
苦しそうに喘ぐ礼二を見下ろして佐藤はゆるゆると動かしていた腰の動きを止めて礼二の息が整うのをしばらく待ってやることにした。
どうやら口を閉じている間に酸素不足になって意識が朦朧としていたらしい。
礼二の涙の膜が張られた紅い瞳は虚ろで、焦点が合っていないように見える。
口端に伝う唾液をそっと指先で掬い取って拭ってやり、そのまま濡れた指先を首筋、鎖骨、胸へと滑らせる。
白い胸板の上で色づいてずっと固く勃起したままの突起に唾液が塗れた指先で触れて弾いた。
「あんっ」
ぷっくりと腫れて敏感になりきっていた乳首を唾液に塗れたぬめった指先で弾かれて意識が朦朧としたままで無意識に礼二の口からいやらしい喘ぎ声が零れた。
「ふふ…乳首…ずっと弄って欲しかったんですね。いやらしい声出して……」
佐藤が嬉しそうな声色で言うそんな言葉も礼二の耳には入ってこない。
ただ敏感な場所を弄られて生理的に反応を返しているだけだ。
それでも礼二の感じている時の甘ったるい高音のいつもと違う声が聞けた事がただ純粋に嬉しい。
翼以外の人間と口を聞く時はドスの利いたような低い声でしか礼二は話さない。
こんな乱れた甘さを含んだ礼二の声を聞いた事があるのはきっと自分だけだ。
そう考えると礼二にとっての自分が特別な存在であるような気がしてくる。
彼自身がそう思ってはいないからただの自己満足ではあるが、礼二を慕っている多くの男達全員を出し抜いてやったという、優越感に浸って陶酔できる。
いやらしく腫れた乳首に唾液をまぶすようにしてくりくりと人差し指の先で転がして甘い声を出して喘ぐ礼二の姿をじっくりと見下ろす。
「はあぁぁっ……あっ、あぁんっ」
半開きの焦点が合わないとろけた紅い瞳、紅潮した頬、全身がうっすらと桜色に染まっているように見える。
肌が白いせいでそう見えるのだろう。
なだらかな胸板の上で腫れた乳首はより色づいて濃い色へと変わり、それでも鮮やかな桜色のままで綺麗な色をしている。
「ふあぁぁっ」
「礼二様の身体はどこもかしこも白と薄い赤色だけでとても綺麗ですね」
血管さえ透けて見えそうな白い肌と濃い桜色のみで構成された体。
唯一、頭髪とうっすら生えているかどうか至近距離で確かめなければわからないほどに薄い下生えの柔らかい恥毛のみが赤みを帯びた焦げ茶色でそれ以外は白と赤だけでできている。
血のように真っ赤な双眸以外は白と薄い赤色だけでできていて、その細い体を見下ろして、ただ素直に綺麗だと思った。
雑誌やAVに出てくる女の中にもこんなに肌が白くて綺麗な色の乳首をした女は見たことがなかった。
腰周りもきっと礼二のほうが細い。
無駄な肉がまったくついていない長身の礼二は性別の垣根を超えた美しさが備わっているようだ。
足の間には自分と同じものがついているのにこんなにも違って見える。
礼二の肉茎は先端のみに血の色を浮かせただけでほとんど色づいておらず、色素沈着をしたような感じがまったく見受けられない。
自分のそれとはまったく別のもののようだ。
雪のように白くてシミや黒ずんだところ一つ無い肌に爪を立てた傷口が余計に痛々しく映る。
左胸の傷がどういった理由で付けられたものかはわからない。
左手に何か棒状のものが貫通したような傷もある。
礼二自身は自分の身体になんの価値も見出していないのかいたるところに無残な怪我を負っている。
初日に窓ガラスを叩き割った時のように自分の身体さえ、平然と傷を付ける礼二の心理は理解できない。
もしかしたら翼の気を引こうとして自分の身体に傷を付けたのかもしれないが、実際に見ていたわけではないからただの憶測でしかない。
せっかく綺麗な肌をしているのに純粋にただもったいないと思った。
礼二の左頬が赤く腫れているのは自分が平手打ちを食らわせて彼を殴りつけたせいだが、それ以外の傷はきっと自分自身で付けたものだろう。
ひとしきり左右の乳首を片手で交互に指先で摘んだり弾いたりして弄って彼の唇から零れる甘い喘ぎ声を聞いて楽しんだ。
「あっ、あ、んはぁ、んんっ、あんっ」
乳首を摘んで弾いて、転がすたびに礼二の桜色の唇から甘い吐息と声が零れて、体内へと深く差し入れたままの肉棒がぎゅっと締め付けられて中の肉壁がヒクヒクと蠢き絡みついてくる。
その感触をじっくりと味わって息を吐き出した。
そろそろ動きを再開して礼二の中に納めた肉棒で絡みついてくる肉壁をぐちゃぐちゃに掻き回したい衝動に駆られる。
自分の欲望を満足させるだけならこのまま礼二の事を気遣う事などせずにガンガン腰を使って突きまくればいい。
しかし、礼二は病み上がりで、体力も無く、あまり無理をさせるとすぐに体調を崩してしまうような相手だ。
抱き潰して寝込まれでもしてしまえば、また当分の間、礼二に触れる事ができなくなるかもしれない。
学校を休まれて、翼が日がな一日中彼の傍にいて看病をする事にでもなればなおさら二人きりになれるチャンスが減ってしまうだろう。
それだけはなんとしても避けたかった。
佐藤はそんな事を考えて、乳首を弾いていた指を離して礼二の頬へと触れる。
赤く腫れた頬を労わるように掌で撫でて、息が落ち着いてきた礼二に声をかける。
「礼二様、もうそろそろいいですか?」
「…………」
佐藤の言葉に反応して、無言のまま首を縦に動かしてコクリと頷いた。
礼二は半開きで相変わらずどこを見ているのかわからないような焦点の合わない、虚ろな瞳でこちらを見返してくる。
「中途半端のままじゃ礼二様も辛いでしょう?」
動かずにずっと礼二の体内に納められたままの肉棒は中で馴染んで、異物感も違和感も既になくなっていた。
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