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初めてのお留守番~佐藤といっしょ~【22】
柔らかく蕩けた肉壁は肉棒を二度と離すまいとでもいうように愛しげに絡み付き、ぴったりと吸い付いている。
礼二の下肢の力が抜けた頃合を見計らって奥深くまで差し入れていた肉棒をズルズルと抜け出そうになるギリギリまで引きずり出して礼二の様子を伺うように見下ろした。
「はあぁ…んんっ」
抜け出ていく肉棒に中の肉壁を擦られて礼二が切なげに吐息とともに堪えるような声を出してぶるりと下肢を震わせた。
肉棒が中で動いて肉壁を掻き分けて擦る感触に背筋を微弱な電流が突き抜けるような快感に、我を忘れてただ呼吸を繰り返して酸素を取り込んでそして喘ぐことしかできない。
足の間で屹立して揺れている礼二の肉茎の先端から溢れ出した白く濁り出した淫液がとろとろと糸を引きソファーの布地に点々と水玉模様を描いてシミを作り出していた。
礼二はやはり、どうしようもないくらいに快楽に弱い敏感な身体をしている。
そのことを知っているのはきっと自分だけで、そしてこうやって礼二に快楽を与えられるのも自分だけだ。
無知で幼かった礼二の性感を目覚めさせてここまで開花させたのは他でもない自分だ。
頬を紅潮させて開きっぱなしの口端に唾液を伝わせたまま、潤んだ瞳で虚空を見つめている礼二の視界にきっと自分の姿は映ってはいない。
ただ中途半端に放り出された体の疼きをなんとかして欲しくて、それだけで佐藤の下の名前を呼んで、自分を組み敷いている相手が望んでいる言葉を言われるがままに口にしているだけだった。
頭の中が快感一色に染まり、絶頂を迎えて射精する事しか頭に無かった。
礼二の頭の中にあるのはただ肉の塊で一番感じる場所を貫かれて、絶頂まで上り詰めてそして果てたい。
ただそれだけだった。
相手が誰だとかそう言う事は既に思考の中から抜け出ていって、与えられる快楽を受け入れて、泣き喘ぐ事しかできなかった。
――全てが終わった後で我に返った時に深く後悔するだろう。
身体だけでなく思考までどんどん犯されているようで、翼の事が翼の事だけが好きだと言う自分の気持ちを裏切るような体と快楽に流されて、翼じゃない男に抱かれていいようにされて屈してしまう自分自身が何より許せなくてそして忌々しかった。
一旦、引きずり出されたそれがまた奥まで入り込んでくる。
柔らかく腫れた肉壁を掻き分けて奥の奥まで犯されて思考が塗りつぶされていく。
「うぐっ、あっ、はああぁあぁっ!」
「はあ…はあ…礼二様、礼二様っ、気持ち、いいです、かっ……」
礼二の細い腰を掴んでいつの間にか無我夢中で腰を動かして揺さぶり、激しく肉棒を出入りさせながら荒い呼吸の合間に途切れ途切れに佐藤がそんな事を聞いてきた。
――翼じゃない誰かに犯されて、気持ちよがっている自分など正常な思考であればきっと死んでしまえばいいと思っただろう。
けど、今は、思考が快感一色に塗りつぶされて他には何も考えられなかった。
快感に弱くてだらしの無い身体は翼への思いを裏切って、ただ、与えられる快楽を貪る事しか出来ない。
「はっ、あっ、あぁっ、いっ」
礼二は揺さぶられながら自分に快楽を与えてくれる相手に答えようと途切れ途切れに喘ぎながら息を吐く。
佐藤はゆっくりと肉棒を抜き差しして腰をのの字に回すように動かしてじっくりと中の肉壁を抉る。
礼二が自分が聞いた言葉に答えようとしているのを察して、ストロークする腰の動きを穏やかなものへと変えた。
「ふあっ、あっ、はあぁっ…んっ…ひっ、もち、ぃ、いっ」
途切れ途切れにそう答えた礼二の甘さを含んだその声の響きに嬉しさが込み上げてくる。
誰にも気にも留められずに誰にも求められた事の無い自分が、多くの人の興味を惹き魅了するような存在を悦ばせている。
誰かに強く求められたいという願望をずっと抱いていた。
――その願望が今、叶ったのだ。
心の繋がりの無い身体だけの繋がりで一つになったような充足感で満たされていた。
翼の事だけを見続けてそして愛し続けてきただろう礼二の心は翼のものできっとなにがあろうと手に入れることは叶わない。
それがわかっているからこそ身体だけの繋がりを求めた。
礼二の心が翼のものであるなら、こうやって自分は礼二の体を自分のものにする。
なにもしていないのに礼二の心を虜にしている美空翼という存在がただ妬ましい。
礼二の真っ直ぐでそして狂おしいほどの愛を一心に注がれているその存在が羨ましかった。
自分も誰かにそんな風に愛されてみたい。そう思っていた。
いてもいなくてもいい存在だと多くの人間に嘲笑われ、そして親、兄弟にすらそう思われている自分がそんな相手に出会えるはずがない。
自分がもし翼のように柔らかい金糸のような髪に澄んだ空色の瞳、実際の年齢よりも幼く見えるが整った顔立ち。
そんな容姿だったら礼二に愛される事が出来ただろうか?
礼二は翼の内面的な部分で一体、どこを愛しているというのだろう。
人目がある場所でも気にせずに翼の腕にしがみ付いたり、背中から抱きつこうとしたり、その全ては、きっと翼の事が好きだという礼二の身の内に抑えきれない好きという気持ちの表れだ。
そんな礼二の愛情表現をすべてつっぱねて迷惑そうにしている翼に内面的な部分でさえ自分は劣っているというのだろうか。
少なくとも今の自分は礼二の事が好きだという自覚がある。
会えない時は礼二は今頃、どこで何をしているだろう。ふとそんな事ばかり考えている自分に気が付いた。
はじめて抱いた礼二の甘い吐息、ほのかに汗ばんだ肌の感触、滲み出す体液の淫香。そして奥まで貫いた時の内側の締め付けと熱さ。
顔中をぐしゃぐしゃにして頬を紅潮させて、感じている時の泣き顔もすごく可愛くて、思い出すたびに下肢に熱が蟠りそうになるのをなんとかして堪えていた。
初日に礼二を抱いてから自慰はしていない。またいつ礼二を抱けるかわからないがその時の為に身のうちに滾る熱と欲望を温存しておこうと思っていた。
こんなにもはやくチャンスが訪れるとは思っていなかったが、今、こうやって礼二をうつ伏せに組み敷いて抱いている。
体力がつきかけてもはや自分の身体を支える事すらできなくなり、尻だけを高く掲げた状態の礼二の細腰を掴んで自身の欲望の全てをぶつけるように彼の体内を貫いて、中の媚肉を掻き回す。
「はっ、あああぁっ! ああんっ!」
突き入れるたびに礼二の唇からいやらしい喘ぎ声がひっきりなしに飛び出していた。
「ああっ! ああんっ! ふああぁあぁっ!」
「はっ、はあっ…う、んんっ…礼二様、僕も…気持ちが、いい、ですよ…すごく…」
「あっあああああっ! ひぐっううっああっ!」
「礼二様のナカ、どろどろにっ、蕩けてて…でもすごく、僕のチンポ、に吸い付いて、締め付けてきて、搾り取られそう、だ」
「ひああぁっ! おくにぃ…あたっ…はああぁっ!」
「はっ…はあ…正常位でやるより、奥まで、入れやすい、ですからね。この体位、気に入って、くれた、みたいでよかっ、た」
「ひゃっああああっ! やあううっ! なにか、あっ、くるうぅっ! きちゃ、ああううっ!」
「イキそう、なんですね…くっ…はあ…僕も、そろそろっ…ううっ!」
礼二の体内へと腰を叩きつけて、ぐるりと円描くように動かし、奥の奥まで蕩けきった中の媚肉を掻き回す。
射精感をぐっと堪えて貫き続けていた腰がそろそろ重たくなってきた。
「ふあっ、あっ、はああぁぁっ!」
礼二は突きいれられる度に大きく息を吐き出して咽び泣く。
開きっぱなしの口から唾液を垂らして、頬を紅潮させて、与えられる快楽を貪るように無意識に腰を動かしていた。
頭の中が真っ白になってただ突き入れられるたびに、押し寄せてくる強烈過ぎる快感に我を忘れてただ喘いでいた。
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