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新たな運命のオメガ
「肇まで死んじゃうって心配だったけど、思ったより元気そうじゃん」
親友の前田が2週間ぶりに登校したオレに言った。
叶を亡くして、ずっと自室に引きこもっていた。
誰とも顔を会わさなかった。
何度も来てくれた前田でさえ、顔を会わす気力がわかなかったのだ。
「このまま死んじゃってもいいかなって思ってた」
本気で思ってた。でも、叶が現れた。
「肇……」
「あ、もう、オレは、大丈夫だから。心配してくれてありがとう」
「無理するなよ?」
「うん、本当に大丈夫」
「そうか……じゃあ、肇の次の運命のオメガが新たに発生したのかもしれないね」
「え?」
「アルファには、運命のオメガ候補が複数いるんだって。今回のように事故で亡くなったり、病気か何かで繁殖能力をなくすと、候補の1人が繰り上がるんだ。新たな運命のオメガの誕生。オメガには運命のアルファはたった1人なのにね。これも植え付ける性と受け入れる性の違いかな?」
へぇ。
運命の番の話は都市伝説とばかり思って、ちゃんと聞いたことはなかった。
運命の番が実際にあったとわかった今となっては、前田の話は信憑性がある。
でも、今回のオレの復活はそれとは違う。
幽霊となってあいつが現れてくれたからだ。
前田にも叶の事を教えてあげたい。だが、それは我慢。
あいつが黙ってて欲しいって言ったから。
てか、オレ以外にあいつが見えるのかわかんないけど。
オレもあいつも当然のように一緒に学校に行くつもりだった。
けど、なぜか叶は、部屋から出ることができなかった。
部屋から出ようとすると撥ね飛ばされる。
結界?
叶にもわからないらしい。
ま、新米幽霊だしな。
わからないことが多すぎる。
2週間ぶりの学校は、いつもどおり、何事もなく終わった。
「ナナが駅で待ってるって。あいつ、心配してたから、顔をみせてやってよ」
「げ、イヤだ。そんな面倒なこと」
「そんなことを言うなよ」
「はいはい」
「あ、ナナだ。あれ? ケンカしてる??」
ナナは男と言い争いをしていた。
内容はわからないが、お互いに怒鳴りあっている。
男も興奮している。
ナナと同じくらいの背の高さ。
幼い雰囲気は、きっと年下。
目鼻立ちの整った女性的で可愛い顔をしている。
「ナナ? どうしたの?」
前田がナナの所に走りよる。
どこからか甘い匂いがあたりを包む。
覚えのある香り。
はっ、はっ、はっ。
「あんたが、運命のオメガのはずないじゃないっ! だって、叶のアルファなんだからっ!!」
「うるさいっ!! 叶って誰よっ! そんなの知るない! 関係ないから」
香りがどんどんきつくなる。
オレの呼吸が荒くなる。
はっ、はっ、はっ。
「ああっ! ヒートが」
「え、ちょっと!!」
男が倒れる。
オレも呼吸困難な苦しさにその場にうずくまる。
こんなこと、前もあった。
「なにっ!! 肇、どうしたっ!!」
はっ、はっ、はっ。
股間に身体中の血液が集まる。
「うわぁ!!」
叶! 叶!!
はっ、はっ、はっ。
助けて……、叶、助けて!!
はっ、はっ、はっ。
叶。今すぐ、ここにきてっ!
そうじゃないと……
はっ、はっ、はっ。
「僕の運命のアルファっ!! お願い、孕ませてっ!! コダネを頂戴っ!!」
倒れたはずの男がオレをみつけ、すごい勢いで駆け寄る。
前田が撥ね飛ばされる。
はっ、はっ、はっ。
「頂戴っ!!」
はっ、はっ、はっ。
男がオレの股間に飛び付いて、ズボンを引き下ろした。
「ああっ! これが僕のコダネ!」
そして、オレの股間にまたがる。
はっ、はっ、はっ。
「うわ、やめろっ!! だめだっ!! 叶っ!! 叶っ!! 助けて」
「僕のもの! 僕のコダネ!! 渡さない!」
「やめろっ!!」
はっ、はっ、はっ。
「やめろっ!! やめろっ!!」
「全部、僕のもの! 僕のアルファ!」
はっ、はっ、はっ。
「うわぁぁ、あ!!」
「あっーーーー」
はっ、はっ、はっ。
「孕ませてーーー!」
股間の高まりが、あたたかい粘膜に包まれる。
「あっ!! んっ!!! はぁ、あああ!! 僕の中に……、僕の中に、運命のアルファのペニスが!! 」
はっ、はっ、はっ。
「や、やめろっ、うわっ! あ、ああ」
「気持ちがいい! あっ! 大きい、大きくて硬い! あっ!もっと、擦って!!」
はっ、はっ、はっ。
「あ……ああ、……ん……ん……はっ、叶、叶……ダメ、だめだ……オレには、叶が……」
「穴に……僕の穴にぴったりおさまる……あ……出して、早く、中に……ちょうだい、あ……」
「だめだ……動くな……オレの運命のオメガは叶だから……叶だけだから……やめろ……くぅ……」
はっ、はっ、はっ。
「早く、頂戴っ! あ、い、いく……大きい、大きいの……すごい……あ!……」
はっ、はっ、はっ。
「うっっ、あ、ああーーー」
オレの股間に股がる男の律動が激しくなる。
「いい、いい、あーーー、孕ませて、孕ませてーーー」
あーーーーっ!!
叶ーーー!!
オレの高まりが、赤く爛れた粘膜の中で弾けた。
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