6 / 10

新たな運命のオメガ

「肇まで死んじゃうって心配だったけど、思ったより元気そうじゃん」 親友の前田が2週間ぶりに登校したオレに言った。 叶を亡くして、ずっと自室に引きこもっていた。 誰とも顔を会わさなかった。 何度も来てくれた前田でさえ、顔を会わす気力がわかなかったのだ。 「このまま死んじゃってもいいかなって思ってた」 本気で思ってた。でも、叶が現れた。 「肇……」 「あ、もう、オレは、大丈夫だから。心配してくれてありがとう」 「無理するなよ?」 「うん、本当に大丈夫」 「そうか……じゃあ、肇の次の運命のオメガが新たに発生したのかもしれないね」 「え?」 「アルファには、運命のオメガ候補が複数いるんだって。今回のように事故で亡くなったり、病気か何かで繁殖能力をなくすと、候補の1人が繰り上がるんだ。新たな運命のオメガの誕生。オメガには運命のアルファはたった1人なのにね。これも植え付ける性と受け入れる性の違いかな?」 へぇ。 運命の番の話は都市伝説とばかり思って、ちゃんと聞いたことはなかった。 運命の番が実際にあったとわかった今となっては、前田の話は信憑性がある。 でも、今回のオレの復活はそれとは違う。 幽霊となってあいつが現れてくれたからだ。 前田にも叶の事を教えてあげたい。だが、それは我慢。 あいつが黙ってて欲しいって言ったから。 てか、オレ以外にあいつが見えるのかわかんないけど。 オレもあいつも当然のように一緒に学校に行くつもりだった。 けど、なぜか叶は、部屋から出ることができなかった。 部屋から出ようとすると撥ね飛ばされる。 結界? 叶にもわからないらしい。 ま、新米幽霊だしな。 わからないことが多すぎる。 2週間ぶりの学校は、いつもどおり、何事もなく終わった。 「ナナが駅で待ってるって。あいつ、心配してたから、顔をみせてやってよ」 「げ、イヤだ。そんな面倒なこと」 「そんなことを言うなよ」 「はいはい」 「あ、ナナだ。あれ? ケンカしてる??」 ナナは男と言い争いをしていた。 内容はわからないが、お互いに怒鳴りあっている。 男も興奮している。 ナナと同じくらいの背の高さ。 幼い雰囲気は、きっと年下。 目鼻立ちの整った女性的で可愛い顔をしている。 「ナナ? どうしたの?」 前田がナナの所に走りよる。 どこからか甘い匂いがあたりを包む。 覚えのある香り。 はっ、はっ、はっ。 「あんたが、運命のオメガのはずないじゃないっ! だって、叶のアルファなんだからっ!!」 「うるさいっ!! 叶って誰よっ! そんなの知るない! 関係ないから」 香りがどんどんきつくなる。 オレの呼吸が荒くなる。 はっ、はっ、はっ。 「ああっ! ヒートが」 「え、ちょっと!!」 男が倒れる。 オレも呼吸困難な苦しさにその場にうずくまる。 こんなこと、前もあった。 「なにっ!! 肇、どうしたっ!!」 はっ、はっ、はっ。 股間に身体中の血液が集まる。 「うわぁ!!」 叶! 叶!! はっ、はっ、はっ。 助けて……、叶、助けて!! はっ、はっ、はっ。 叶。今すぐ、ここにきてっ! そうじゃないと…… はっ、はっ、はっ。 「僕の運命のアルファっ!! お願い、孕ませてっ!! コダネを頂戴っ!!」 倒れたはずの男がオレをみつけ、すごい勢いで駆け寄る。 前田が撥ね飛ばされる。 はっ、はっ、はっ。 「頂戴っ!!」 はっ、はっ、はっ。 男がオレの股間に飛び付いて、ズボンを引き下ろした。 「ああっ! これが僕のコダネ!」 そして、オレの股間にまたがる。 はっ、はっ、はっ。 「うわ、やめろっ!! だめだっ!! 叶っ!! 叶っ!! 助けて」 「僕のもの! 僕のコダネ!! 渡さない!」 「やめろっ!!」 はっ、はっ、はっ。 「やめろっ!! やめろっ!!」 「全部、僕のもの! 僕のアルファ!」 はっ、はっ、はっ。 「うわぁぁ、あ!!」 「あっーーーー」 はっ、はっ、はっ。 「孕ませてーーー!」 股間の高まりが、あたたかい粘膜に包まれる。 「あっ!! んっ!!! はぁ、あああ!! 僕の中に……、僕の中に、運命のアルファのペニスが!! 」 はっ、はっ、はっ。 「や、やめろっ、うわっ! あ、ああ」 「気持ちがいい! あっ! 大きい、大きくて硬い! あっ!もっと、擦って!!」 はっ、はっ、はっ。 「あ……ああ、……ん……ん……はっ、叶、叶……ダメ、だめだ……オレには、叶が……」 「穴に……僕の穴にぴったりおさまる……あ……出して、早く、中に……ちょうだい、あ……」 「だめだ……動くな……オレの運命のオメガは叶だから……叶だけだから……やめろ……くぅ……」 はっ、はっ、はっ。 「早く、頂戴っ! あ、い、いく……大きい、大きいの……すごい……あ!……」 はっ、はっ、はっ。 「うっっ、あ、ああーーー」 オレの股間に股がる男の律動が激しくなる。 「いい、いい、あーーー、孕ませて、孕ませてーーー」 あーーーーっ!! 叶ーーー!! オレの高まりが、赤く爛れた粘膜の中で弾けた。

ともだちにシェアしよう!