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第4話
部屋で待つ事十分。未だに相手は来ない。
室内は静寂に包まれ、おばさんを始め誰一人お茶すら手を付けられずにいる。
何だろうこのプレッシャー。県大会の準決勝前日より辛い。
もういっその事相手が来ないといいな。
気が変わったとか何とかでさ。
どうでもいいけど正座している足が痺れてきた。足崩しちゃダメかな?
重圧と足の痺れを耐える事十五分。漸く襖が開かれた。
「遅くなりましてすみません」
ナイスミドルな男性が入室するとその後ろから妙に背の高い……。
ん?
んんんんんんんんんんんんん!?
あれ?
あれあれあれあれあれあれあれ?
何か、何処かで見たような顔が……。
いや、ただの他人の空似かもしれないし……。
「お久しぶりです。真幸さん」
ああ、何度となくネット向こうに見た腹立たしい微笑み。
間違いなく剛大南 のミドルブロッカー。紅林 善史 だ。
何でお前が居るかな?
誰かの付き添いとか?
んな訳ないよね。つまり、えーと僕の見合い相手って……。
ダメだ! これ以上考えたくない!!
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