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第7話
翌日。速攻で断りの電話を入れようとするが突然の発情期に襲われそれどころではなくなってしまった。
薬さえ飲んでいれば大した事ないんだけど、発情期中に紅林の声なんか聴きたくない。
悔しいが奴はハイスペックだ。選手としても一流だし腹立たしい事に僕よりも身長が高く、ついでにイケメン。
世間一般的に見ての話だけど。
紅城月一族のαだからだろう。他を寄せ付けない風格みたいなものを稀に……ほんの稀に見せる。
通常の僕なら鼻持ちならない嫌な奴で終わるけど、もしも万が一奴の声に身体が反応なんかした日には……。
死ねる! マジで死ねる!!
だから今は電話はしない。発情期が終わってからだと、大学を休みゴロゴロ過ごす事一週間。とんでもない事になった。
「あんた大学変わったから」
母から告げられた言葉の意味が訳が分からず放心する事数秒。意味を理解し原因に思い当たった僕は急いで紅林に呼び出しメールを送るとそのままF大へ向かった。
+++
門の側に佇む紅林を捕まえると人気のない場所に引っ張って行き、単刀直入に訊く。
「何で僕がF大に編入されてんの?」
「それは俺が爺さんに泣きついて権力と金にものを言わせたからです」
いけしゃあしゃあと答えやがって。コイツ!
「勝手な事しないでくれる?」
「お前がS大行ったのってバレーする為だろ? 出来ないなら居る意味ないじゃん」
「だからって……」
「俺、お前とバレーしたいんだよ」
真っ直ぐな眼差しでそう言われ言葉が詰まる。
僕だってバレーがしたい。
出来るなら何処の大学だって構わない。
けど、Ωを受け入れてくれるところはないだろう。
試合と発情期が被ったら使い物にならないから。練習中あるいはそれ以外でも発情期が原因で問題を起こされたら困ると入部を認めては貰えない。
「そんな顔すんなって。心配要らないから」
「何を根拠に……」
「F大、俺の爺ちゃんの大学だからさ。大概の事通るし、既にお前の入部届受理させたぜ」
うわぁ……。
分家とは言え権力持っている人間怖い。
「どうよ?」
「取り合えずお前単体で滅びて欲しい」
「何でだよ!?」
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