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幼い頃から、人を見る目を鍛えられてきた。 それが自分の運命で、為になると。信じて疑わず。 新しい学年になってからすぐ、気付いたことがある。 俺のクラスの委員長。 「正木くん!英語の宿題、見せてほしいなー…」 「ええ、また?」 ちらりと視線を投げた先の、正木司乃。校則の緩いこの学園で、染めたこともなさそうな黒髪に、きっちりと着込んだ制服。いかにも真面目そうな委員長タイプだ。 頼まれ事を断っている姿は見たことがない。よっぽど人の役に立つことが好きなのだと、そう思っていた。 (……いや、) けれど、実際はどうなのか。 自ら進んで委員長に立候補したとはいえ、本当に仕事をしたかっただけ、とはどうしても考えられなかった。 何か、別の理由が―――… 「…仕方ないな、はい」 「ありがと!助かる委員長~」 ノートを渡して苦笑いする、彼。 興味をそそられるには充分な人物だった。

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