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第4話
「……う、……」
それは、圧倒的な質量を持って俺の口を塞いだ。思わず何度から口元から落としそうになって、俺は必死にそれをしゃぶった。
苦しかったが、時々やつが思い出したように俺の胸元に触れると、また痺れるような感じが起きた。俺の下半身はなぜか、もうすっかり硬くなってガチガチだった。
「ふふ、もう腰が揺れてるね。待てないみたいだ」
嬉しそうに主人が言ってそっと俺の尻を撫でた。
「ここも初めてかな……?」
「ひゃっ……あ、あんっ」
主人の指が、俺の肛門のあたりに触れる。軽く中をいじられて、俺は思わずしゃぶっていた股間から顔を離してびくりと身を震わせた。
勃ちあがっていた前が、さっきよりもさらに硬くなっている。
男は俺を抱きあげると嬉しそうに袖に絡まっていた俺の服を完全に脱がせると、また赤児のように俺の乳を吸い始めた。
「あ、ああ……んっ、あ、ああっ」
蛇のような目の見知らぬ中年男にそんなことをされて、さっきまで吐きそうなほど気持ち悪かったはずなのに……。
俺の中でもっとやって欲しいという気持ちが湧き上がってきた。目を閉じて感覚だけに身を任せたら気持ちがいい。
「ひゃ、ああ、ああん、あ、あ」
嫌だ。俺は泣きそうに興奮していた。そう思うのに、体が言うことを聞かない。もっと欲しい。そんな気持ちが湧き上がってくる。
「ほら、気持ちいいね? 気持ちいいです玉髄様って、言ってごらん」
「き、気持ちいい……ですっ、ぎ、玉髄様……」
言わされるのはいい。仕事だったら。でも嫌なのはわけのわからない薬を飲まさせて、気持ちの悪い男に弄ばれながら自分が本気でそう感じていることだ。俺は精神まで売り渡したわけじゃない。わけじゃ、ないのに……。
さっきちょっといじられたところがなんだかもぞもぞする。
「ああ、腰がいやらしく動いてるね。もっと欲しいんだろう。入れてくださいって、お願いするんだ。できるだろう?」
入れるって、アレをか? 俺の心は躊躇ったが、口は動いていた。
「い、入れてください……っ、玉髄様ぁ……」
「すぐには無理だよ、黒曜。おまえは初めてなんだから。まずは中の感覚を覚えようね」
「ああっ」
後ろになにか、楕円状のものを押し込まれた。それは俺の中で小刻みに振動している。
「あ、いや、あ、」
一瞬火花が散るような感覚があって、俺は眩暈がした。射精しそうになって、俺は慌てて我慢する。許可を取れとさっき言われたはずだ。
「や、ああっ、ぎ、玉髄様ぁっ、い、いきそうです……っ」
「うーん、そうだね。もうちょっと我慢してみようか」
なにか、紐のようなものが先端に結ばれた。
「痛、痛いです……っ、あ、ああっ……あ、あっ」
「ほら、私を気持ちよくするのが途中だったね」
そのままふたたび押しつけられた性器を口にする。痛い。前から出せなくてじんじんする。
「あ、ああ出させてください、玉髄様……」
俺は我慢ができなくなって、膨れ上がった前を主人の足に擦りつけた。出したい。出したい。
「……ダメ、もうダメです…っ、これ、外して……っ……あ、」
いつの間にか、また新しい感覚が俺を襲った。中から何かがじわじわと溢れていくような。
「あ、あああ!」
新しい感覚に耐えきれなくなって、俺は思わず悲鳴をあげる。なんだこれ。なにこれ。助けて。
腰が震えて止まらない。涙もこぼれてきたが、そこまで気にする余裕はもうなかった。
俺はまた必死に主人にすがりついた。
「助けて、ああ、変、変です……っ」
「それはね、私のものを入れないと治らないんだ。ほら、早く私のここに玉髄様のものを入れてくださいってお願いしてごらん」
「わ、私のここに…っ、玉髄様のものを、い、入れて、……くださいぃぃっ! は、あ、早くっ」
「ああ、待たせてしまったね」
「あああっ」
中に入っていたものが取り出されて、代わりに後ろから大きな威圧感のあるものが俺の中に入ってきた。苦しい。苦しいけれど、俺の中はビクビクと震えてその侵入に悦んでいた。まるで生まれたときから俺のそこはこの瞬間を待ち望んでいたみたいに、今までにない幸福感が訪れた。
それは小刻みに前後しながら、どんどん俺の中に入ってきた。それと同時に前の戒めが解かれて、俺は思わず射精していた。
「ああ、我慢できなかったのか。かわいいね。本当におまえは、淫乱になるように生まれてきたみたいだ」
そう言いながら、主人は俺の腰を押さえたまま上下させる。やっと解放された快感に身を任せながら、一方でまた新たに湧き上がってくるゾクゾクとした感覚が先ほどから止まらなかった。どうしていいのかわからなくて、俺は思わず自分の下にあった寝台のカバーを搔きむしる。
「と、止まらないんですっ、あ、どうしよう、助けてぇ……っ」
「うん、それでいいんだよ。おまえたちはそういう生き物だから。たくさんこうやって私の精を受け止めていけばおさまるからね、がんばろう」
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