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学園生活32

「…っゥ…ぁッ!…痛……っ…」 逃げようともがいても、もう遅かった。信じられないほどの強烈な圧迫感と痛みが、身体を押し開いていく。 あまりの痛さに、涙が零れ落ちるのを感じた。 ゆっくりと入ってくる宮原自身が、リアルに体内に感じられる。 グッ、グッ、っと徐々に奥まで進むたびに、痛みに耐えようと宮原の肩を掴む自分の両手が力を増す。 力いっぱい掴んでいるせいで肩に指が食い込んでいるだろうけど、そんな事を気にしてやる余裕なんてない。 そして、完全に宮原自身が俺の体内に収まった時点で、突き進む動きが止まった。 詰めていた息を吐き出し、いつの間にかギュッと瞑っていた目を開けて上を見ると、俺に覆いかぶさっている宮原の額から汗が一雫流れているのが見えた。 それがとてつもない色気を感じさせて、こんな時なのに何故かドキッとしてしまう。 その瞬間。 「ッ…おい、あまり締め付けるな」 押し殺したような掠れた声で宮原が呟く。 本当に勘弁してほしい。もう何がなんだかわからない。 …なんでこんな事になったのか…、なんで今こんな状況になっているのか…。 後孔の痛みが治まってきたら、今度は今の状況に対する混乱が押し寄せてきた。 頭の中で、なんで、どうして、そればかりが巡る。 そんな状態の俺に気がついたのか、宮原がニヤリと笑った。 「なんだ、元気じゃねぇか。初めてだろうから優しくしようと思ってだけど、余所事考える余裕があるなら心配いらねぇみたいだな?」 「…いや、ちょっと待って…、…んっ…ぁあっ…!」 突然宮原が動き出した。 少しのあいだ体内に留まっていたせいか身体が慣らされたらしく、さっきまでのような泣きたくなる程の鋭い痛みは襲ってこない。 その代わり、グッと宮原の欲望が体内奥を突くたびに、さっきの前立腺を刺激されて逃げたくなるような快楽が押し寄せてくる。 こんなの、嘘だ…っ! 腰を掴まれてグッと思いっきり深く突かれると、口から止めどなく喘ぎ声が零れだす。 もう、抑えられない…。 「…ンッ…ん、ぁあ…っ…」 ギリギリまで引き抜かれたかと思えば、次には身体が押し上げられるほど強く突き上げられる。 その度に聞こえる「クチュ、グチュ」という濡れた音と、今まで感じたことのない内部からの刺激に、ひたすら声を上げる事しかできない。 全身を駆け巡る甘い痛みが体を震わせる。 「…も…ぅ…、やめ…っ…ン、ぁあっ!」 何度も激しく揺らされ、えぐられるように突かれ、一際強くグッと突かれた瞬間、抑えきれない声と共にゆるく立ち上がった性器から白濁とした絶頂の証が溢れ出した。 それと同時に、体内にいる宮原自身をきつく締めつけたらしく、「クッ…!」っという堪えるような声と共に身体の奥底にドクドクッと流れ込んでくる熱い何かを感じる。 注ぎ込まれた熱い液体、それが何かわかった時点で顔がカッと熱くなった。 文句を言ってやりたかったけど、口から零れるのは乱れた呼吸を整えようとする吐息だけで…。 「…ッ…ハァ…、ハァ…ん・…っ…」 流れる落ちる汗を拭うこともできずに、地面にグッタリと横たわっていることしかできない。 そして、倒れこむように宮原が全身で俺の上に圧し掛かってきた。 「…ん…っ、重い…」 「……まだ足りねぇ…」 耳元で呟かれた言葉に顔が引き攣る。 …ふ…ざけるなっ。 「無理に決まってるだろバカ!」 圧し掛かっている肩を思いっきり押し返すと、渋々といった感じで身体を起こしてくれたけど、いまだ体内に入ったままの宮原自身がヌルっと抜ける感覚に思わず「…ンっ…」っと声が洩れてしまった。 それを聞き取った宮原が嬉しそうにニヤリと笑ったのは言うまでもない。 「今のエロかった」 「うるさい黙れ」 冷たく言ったはずなのに、それでも楽しそうに笑う宮原がわからない。 でも、わからないと言えば一番わからないのは自分の行動だ。何故こんな事になったのかいまだに理解が出来ない。 同じ学校の後輩、それも同性と、……こんな事をするなんて…。 体から熱が引いていくにつれ、徐々に思考能力が戻ってくる。 押し寄せてくるのは、ただただ「混乱」だけ。 既に紺碧に染まっている空を見上げて、しばらくのあいだ現実離れした感覚に茫然としていたけれど、俺の横に腰を落ち着けていた宮原が制服を整えだしたのを見て、このままこうしているわけにもいかない…と、ゆっくり上半身を起こした。 その途端、体に力が入ったせいか、体内に注ぎ込まれた宮原の体液がドロリと溢れてきた。 素に戻ってからこれはきつい。恥ずかしいなんてもんじゃない。一気に顔が熱くなる。 そんな俺を見て、満足そうに口端を引き上げてニヤリと笑いながら顔を覗きこんでくる宮原。 腹が立つし動揺するし…で思いっきり睨んでやったけど、まったく気にもしない。

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