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8《嫌われてる?》

「んな、ケガしてないからって恨まれちゃな」 可愛い顔をしかめながらぼやくアキラ。 「毎日毎日、棒で殴られ、罵声浴びせられて生きてきた気持ちなんかてめぇにはわかんねぇだろ」 「そりゃ…わかんねぇけど…、誰にも触れられることなく存在を無視されて生きてきた奴の気持ちもわかんねぇだろ?」 ぽつりと零す本音。 「……」 アキラの言葉に何も言い返せなくなる。 「ずっと自分は何のために生きてんのか解らなかったんだ…誰にも必要とされずに、何の役にも立てない自分が生きる意味あるのかって…」 静かに語り出すアキラ。 「……」 ヨシは黙って聞いている。 「初めて…他人に、大人に必要とされたのがBOUSだったんだ…自分にも役に立てる事があったんだって…」 あんな仕事でも… 「俺も…ずっと必要ないって言われ続けてたから…分からないでもない…」 ヨシもぽつりと話す。 「え?」 「っ、別にお前が悪いとかいってねぇだろ!」 「ヨシ?」 「今お前は俺のだから勝手されると少し気ィ悪るかっただけだ」 少しバツが悪そうにそっぽ向いて言うヨシ。 「……」 そんな様子のヨシに驚く。 「必要とされたいなら…俺が必要としてやるからそれで我慢しとけ」 ヨシは続けてそんなことを言う。 「……じゃ、なんでオレのこと抱かねーんだ?」 ヨシの事だから付き合った初日から手出してくるかと思ったら、何もしてこなかった。 「だって…お前、俺の事嫌いだろ?」 BOUS時代の感覚があるから… 抱けばわかる… お前が俺のこと…今どう思ってるか… 好きか嫌いか… あの頃のままだったら… 嫌われてるのを実感するのが怖いだなんて…言えるわけねぇ… ヨシはそう思いながらもアキラの反応を待つ。 「……嫌いな奴と付き合うわけねーだろ」 アキラは床に視線をなげ、ぽつりとヨシの迷いを消す言葉を零す。 「え?」 「…なんだよ」 照れ隠しなのか、少しつんけんして言い返す。

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