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第7話

東吾と知り合って数ヶ月。 伊織は、どうしていいか分からなくなっていた。 「伊織、この間の統計ありがとう!」 「伊織、これ任せてい?」 「伊織、学食行こう!」 伊織に対し、相も変わらず優しい笑顔を向ける東吾。 「別に」 「なんで俺が」 「絶対行かない」 東吾に対し、相も変わらずあまのじゃくな態度をとる伊織。 「どういたしまして」 「もちろん」 「お前のおごりな!」 言いたいことは分かっているのに、口から出るのは別の言葉。 せめて普通に接したいのだが、どうしてもそれが出来ないでいた伊織。 東吾を好きになればなるほど、真逆の態度をとってしまう自分に嫌気がさしていた。 それからまた数ヶ月。 季節が春へ向かおうとしていたとき、まさかの展開が起きた。 「伊織、俺、お前のことが好きなんだ」 「俺と付き合って下さい」 東吾が伊織に告白してきたのだ。 伊織は、思いもよらない東吾からの告白に、パニックを起こした。 コレは、夢かドッキリか。 いや、目の前には真剣な表情の東吾がいる。 コレを、そのまま受け入れていいのか。 聞いただろ、東吾も俺のことが好きなんだ。 俺は、騙されているのか。 大好きな東吾になら騙されてもいいじゃないか。 そして、伊織は思わず、 「……分かった」 と、頷いてしまった。 それが、3か月前の出来事だった。

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