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第19話(R-18)

体を捻り東吾の下から抜け出ようとするも、完全にマウントを取られ、全く身動き出来ない伊織。 動けないことで、再び東吾に対する恐怖心が頭をもたげ、伊織の背中を嫌な汗が伝う。 「……泣くほど俺のこと嫌いか?」 「え?」 思わぬ東吾の言葉に、伊織はゆっくりと右手を上げ自分の頬に触れると、 「あっ」 確かにそこは濡れていた。 震える手で自分の涙を確認する伊織を見て、クスクス無邪気に笑う東吾。 その笑い声に、ビクリと大きく体を跳ねさせた伊織。 その揺れが東吾に伝わったのか、無邪気な笑顔が先ほどの狂喜の笑顔に変わる。 「でも、嫌いでも、俺のことで泣いてる伊織に嬉しいと思う俺は、…ヤバいのかな」 そう言うと、東吾は頭を下げ、 ――…ちゅ―― 頬にある伊織の手に口づけた。 甘く優しい口づけは、すぐに離れていく。 そして、 「なぁ伊織。もっと泣いて?俺のことでいっぱいになって、泣いて?」 今度は(いびつ)な笑顔が伊織を捉えた。 ――ビリッッッ―― 「ッ?!」 いきなりのことで、伊織は一瞬何が起こったか分からなかった。 「えっ…」 伊織が目線を下げると、着ていたTシャツは真ん中から破れ、左右に開かれていた。 混乱と恐怖に言葉が出ない伊織とは対照的に、 「……やっぱり綺麗だ」 ゴクリと喉を鳴らし、恍惚とした表情で伊織の肌をじっとりと視姦する東吾。 どこか嬉しそうに破ったTシャツで伊織の両手を縛る。 「ッ!!」 伊織の両手を縛り終えた東吾は、ゆるりゆるりと伊織の腹筋を撫で、その肌を堪能する。 「こっちはどれぐらい弄られた?」 「ッ!!」 右手をスルリと上へ滑らせ、伊織の薄紅色の頂きをきつく摘む。 「痛っ!」 伊織は、縛られた両手を胸に下ろしてガードしようと試みるも、東吾はそれを許さず、左手で伊織の両手を頭の上に持っていく。 その間も、右手は容赦なく伊織の頂きを(なぶ)る。 「ッ…クッ…」 痛さしか感じないそれに、伊織は両目をぎゅっと瞑り涙を堪える。 全く歓び感じていない伊織に、東吾は少し眉をひそめた。 「ごめん、伊織。ちょっと強くしすぎたか…」 東吾は右手を伊織の頂きから離し、その代わりに、 「なっ?!」 ――ぺろ…ぺろ…―― 痛みを和らげるように、丹念に舐め始めた。 ――ぺろ…ぺろ…ちゅぅ…―― 舐めるだけではなく、時折吸い上げながら、東吾は取り憑かれたように、伊織の頂きから口を離さない。 「うっ…やめ、ろ、東吾…」 先ほどまで痛みしか感じなかったそこに、じんわりと別の感覚が生まれはじめ、伊織は戸惑った。 「そっか…、伊織は痛いのよりこっちの方がいいんだ」 「ちがっ」 「違くないでしょ?」 そう言うと、今度は反対側の頂きを舐め始めた東吾。 「…ンッ…やッ」 ――ぴちゃ…ちゅぱっ…ちゅぅ…―― 伊織の羞恥心を煽るように、生々しい音を立てながら頂きを堪能する東吾。 「ンッ?!」 「ハハッ、やっぱり」 東吾の舌に気を取られていた伊織は、全く気づいていなかった。 東吾の右手がゆっくり伊織の腹筋を這い、その下へ向かっていたことに。 「やっぱり、乳首、気持ち良いんだな」 東吾は、布越しにひっそりと立ち上がりかけていた伊織のモノを、愛でるようにゆっくり撫でた。

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