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※第12話

唄が聴こえる。 耳にこびりつくように聴こえ続けている。 股の間にシリコンの玩具がはまっていて、身動きすれば性感帯を擦り、プラズマのように脳を焦がしていく。 斎川は飽きずにあの歌ばかりを唄っている。 「ーーッんんッ.........ッふ.........ンンッう.........」 なんでこんなことになっちまってるのか、全くわからない。 考えることも脳が放棄しちまっていて、空気に触れていだけで、全身が痺れている。 「........も........やだ、や、やめて........くれ、さいか........」 ちょっと眉を上げて斎川は鼻歌を止めて、俺の顔を覗き込んで鼻先に唇を押し当てて、 「何度も言わせるなよ。タカネだろ?ほら、可愛くねだれよ」 「........タカネ........おねが、い、やめて、くれ」 これ以上されたら、おかしくなってしまいそうで必死に懇願する。 ぐちゃぐちゃとバイブの根元を握って中を掻き混ぜる。 「そんな、やめて欲しいとか本気じゃないだろ。やらしい顔して........」 唇を押し当てて、舌先が唇の狭間からぬるりと押し込まれ、にちゃにちゃとやらしく舐め回され、下半身から力が抜ける。 身体中が熱くなって、堪らなくて鼻から呼気がせわしなく繰り返される。 もっと刺激が欲しいと、熱に焼け焦げになったパサパサの脳みそはそればかりを繰り返している。 ずるっと内部を支配していたバイブが引き抜かれる。 「........どうしてほしい?」 低く響く艶やかな声で囁かれて、俺は両足を拡げて、腰を突き出して斎川の太腿へ内股を擦り付けた。 「........っ、タカネ........も、もっと........なか、ほしい」 嗚咽の中に媚びるような、気持ちの悪い声が漏れた。 人生おしまいのような気分なのに、腰を抱えられて斎川の肉竿がズブズブと自分の中心に収まっていく快感に我を忘れて声をあげた。 俺を構成していたものがすべてバラバラと壊れていくような感覚に、脳が痺れすぎて全身の力が抜けていく。 「........気持ち悦さそ、な、顔。たまんない、な」 短いブレスを繰り返しながら、綺麗な長い髪をかきあげて、ニヤリと笑う斎川の顔がぼんやりとうつりこむ。 内側が熱くて堪らない。 もっと刺激が欲しくて仕方がない。 「きも、ひい、ああ、ッンンン........っも、もっ、もっと」 腰を揺らして強請るなんて、後悔するしか無いのに、こんなのありえないのに。 「........ぐちゃぐちゃな顔........アンタみたいな、偉そうでプライド高そうなヤツがグズグズになってるのは堪らないな」 最初からそのつもりだったのだろう。 そう考えるということをきかないこの身体もなにもかも疎ましかった。 好きだとかそんなのは、嘘だろ。 ただ、偉そうだった俺を........ハメたかっただけだろ。 ズンっと奥に突き刺さるような衝撃があり、チカチカと目の前が真っ暗になり、俺は何もかんがえられなくなってくる。 「........ぐちゃぐちゃで、えろい顔。おちんぽはめはめされて、気持ちいいかよ」 煽るように耳に吹き込まれる言葉に、俺はバカになったように腰を揺らして泣きながら気持ちいいと言葉を返す。 ダメだと思うのに、抗うことが出来なかった。

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