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第8話

とはいえ、自慰をしたことないというのは…。 「まぁくんまさか、その~お…おちんちん…勃ったの初めてとかじゃ、ないよね?」 恥ずかしい事を聞いている自覚はある。 あるけど、聞かなきゃ話は進まないしこの事態を納められない。 「は?んなワケねぇだろ。勃ったらいつも女で処理してるから」 「!!!」 僕が遠慮がちに問いかけると、まぁくんがしれっと言った。 聞いた瞬間、僕はボンッと音が出るほど顔を赤くして思考を一時放棄した。 女…女…女…。 まぁくんやっぱり居たんだね、彼女…。 僕より先に大人になってた。 こんなにカッコイイんだもん…おちんちんだって立派だったし。 僕は内心の動揺を押し隠して、まぁくんを諭した。 「まぁくん。そんな言い方はよくないよ?それに大切な彼女でしょ。結婚前にそういう事は…その、あんまり…。とにかく今度、家に連れておいでよ。僕にも紹介してね…」 「は?彼女じゃねーし」 「照れなくてもいいんだよ?」 「照れてねぇーよ、バカ兄貴!本当にバカ!」 照れてるまぁくん、可愛いな。 でもいつもより顔が怖いんだけど…。 それにしても、可愛い弟が大人になった事実に嬉しいような寂しいような…。 なんだかウルッときちゃう。 まぁくんもいつか好きな女の子と結婚して、家を出て行くんだ…。 僕がちょっとしんみりしていると、まぁくんが唇を尖らせた。 「初めて勃った時から自己処理なんてしてねぇーし~。どうでもいいけど、早くチンコ何とかして」 涙が引っ込んだ。

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