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第20話

な、なんで…っ、何でキスなんかするの?! 「まぁくん…」 呆然と呟いた僕に、まぁくんがその整った顔を赤らめて口を開いた。 「兄貴、俺たちこれで恋人だな」 は? 「えっと、まぁくん?分かってくれたって言ったよね?」 するとまぁくんがコクっと頷いた。 「俺の気持ち届いたって、さっき兄貴が言った」 それは言ったけど、兄弟愛の話であって恋愛なんかじゃない。 まぁくんに上手く伝わってなかったってこと? 「兄貴、好きだよ、大好きだ!!」 「えっ、わっ、ちょ…っ、まぁくん!!?」 ガバッと抱き締められて次には「好き好き」と連呼しながら頬擦りまでされてしまう。 抵抗しようにもその強い力で抱き締められていては、それも出来ない。 なんとか話をもう1度と思ったけど、それは遅すぎた。 「兄貴と繋がりたいっ!セックスしたい!!」 セッ、クスーーーーーっ!!? 「わあっ!!」 僕には一切縁の無い言葉に衝撃を受けている間に、ベッドへと押し倒されてしまった。 自分よりも大きくなった弟の逞しい体に組敷かれる。 見つめる先には熱に浮かされ、切な気なまぁくんの目があった。 「…いいよな?」 「まぁくん…」 大好きな、大切な、可愛い弟。 兄弟でそんなことしたらダメだと、心を鬼にして言わなくちゃ…だけど、この表情に僕は弱い。 なんて思っていたら、 「兄貴、俺と子作りしようぜ」 まぁくんがニヤッと笑った。

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