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第27話
「そっかぁー!!なら、良かった!まぁ、この日の為に女のケツでも練習しといた甲斐があったわ!」
「えっ!?」
女、女の子!?
やっぱりまぁくん初めてじゃなかった。
ちょっとショックかも。
しかもケツって、お尻…女の子って別に入れるところあるんだよね?
見たことないけど、それくらいは知ってる。
なのに何でお尻に…と驚きと不審の僕に、まぁくんが慌てて訂正する。
「いや、待って兄貴!!もうこれからは兄貴一筋だから」
別にそんなつもりでまぁくんを見たワケじゃなかったんだけどなぁ。
「本当に、小学生の頃からずっと好きだったのは、気持ちが一筋だったのは本当だから…。母さんみたいだな、優しいなって思ってたら、いつの間にか…」
「まぁくん…」
「雪緒、愛してる。一生大切にするよ」
「!!」
名前を呼び僕一筋と言われて、脳ミソが嬉しさにポワッとなった。
それに、まぁくんの真剣な目が嘘偽りのない事を表していたから。
「うん、僕も。…僕も、まぁくん愛してるよ」
それには自分も今思う本当の気持ちを伝えなければ、と僕はにっこりと笑顔で応えた。
兄弟だけど、愛してるって気持ちはどちらも同じだから。
「あ、兄貴ーーーっ!!」と、思い切り抱きついてきて、それから頬にスリスリしてくる。
また名前ではなく兄貴に戻ってしまったけれど、それも関係ないよ。
僕はお兄ちゃんに変わりないのだから。
ただそこに恋人同士という関係が加わっただけのこと。
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