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恋心……溢れて 12

「瑞樹も煽ってくるな」 「そんなつもりじゃ……」  瑞樹は恥ずかしそうに頬を赤らめていた。その表情が愛おしくて少し寝ぐせのついた柔らかな栗色の髪を指先に巻き付けながら、もう一度覗き込んで確認した。 「本当に、いいのか」  瑞樹はもう恥ずかしくてたまらないようで、今度は無言でコクっと頷いた。  耳たぶまで赤くして……君のその初々しさが最高に嬉しいよ。  正直、前の彼氏との付き合いが長かった分、実は……そっちは手慣れているのかもしれないなんて思いこんでいた過去の自分をぶん殴りたい。  瑞樹はまるで初めてのように、俺だけの色に染まっていく。  だからなのか。大事にしてやりたいと思うのと同時に、抱き潰したくなる衝動に駆られる。 「よしっ、そうと決まったら行動するのみだ。こっちにおいで」  彼の柔らかな頬にチュッとキスを落とした後、手を引いて立たせ、歩きだした。 「あっ……あの、どこへ?」  俺が寝室とは真逆に歩いたので、瑞樹が不思議そうなに声をあげた。 「今日は鍵をかけられる所にしよう。もう朝だ。芽生が万が一起きてきたら、大変だろう」 「あっ……は、い」  連れ込んだ場所は洗面所だ。  脱衣所と風呂場がセットになっているし、家でトイレ以外に鍵をかけられる場所はここだけだからな。  それにここは、あの俺の『※シュークリーム・白昼夢』の場所だ!  (※幸せを呼ぶ 20での宗吾の妄想シーン) 「宗吾さん? あの……ここで?」  心許なさそうにパジャマ姿で立っている瑞樹を壁にドンっと押し付け、そのまま肩肘をついて瑞樹の髪を撫で、もう片方の手で華奢な顎を持ち上げて、さっきの口づけの続きをした。 「ん……っ」  洗面所の電灯がつけっ放しなので、いつになく瑞樹の表情がくっきりはっきり見えるのもいいな。  さくらんぼみたいにやわらかな唇の感触を味わうように貪った後は、舌をそっと差し込んで様子を伺った。瑞樹の舌を掬い取るように動かすと、堪らないといった表情で俺の腕にギュッとしがみついてきた。 「俺達……やっぱりキスだけでも十分気持ちよくなれるな」 「は……い」  瑞樹も蕩けそうな表情で頷いた。感じてくれているのが如実に分かって嬉しいので、もう一度口づけた。 「ふっ……っ、んっ、んん」  可愛い舌を小刻みに舐めながら、今度は瑞樹のパジャマの上衣の裾を持ち上げた。 「あっ……それは駄目です」 「いいから。少しの間……ここを持っていて」 「うっ……はい」  パジャマの上衣をたくしあげ瑞樹に持たせると、胸の淡い色の尖りがチラッと見えた。洗面所の電灯に照らされたそこをじっと熱い視線で見つめると、ツンと上を向いて尖ってきた。 「あっ……もうっ……僕はっ」  瑞樹にもそれが分かったらしく、恥ずかしそうに眼を伏せてしまった。  ここからは、あの日夢見たことを実現させていこう。今日はチョコクリームがないのが残念だが。 「もっと気持ちよくさせてやりたいんだ。君を」 「で、でも……僕ばかり」 「瑞樹が気持ち良くなってくれると、俺も気持ちいいよ」  瑞樹が恥ずかしそうにパジャマを掴んでいた手を下ろそうとしたので、優しく制した。 「瑞樹、駄目だよ。ほら、じっとして」 「宗吾さんっ──もう、もう許して下さい」  そのまま顔をずらし熟れた果実をペロッと舐めると、瑞樹はびっくりした顔をして固まった。  うん、その驚いた顔も、最高に可愛いんだよな。  だから今度は舌先で転がしてやる。 「うっ……」  瑞樹の躰が熱を帯びてくる。どんどん──  参ったな。俺の舌先で過敏に反応する躰が愛おしくて止まらなくなる。 「い……やっ。んっんんっ」    れろれろと舌を這わし乳輪ごとパクっと口に含んで揉みだすように動けば、瑞樹はもう立っているのもやっとのようで、俺の肩に必死に触れて来た。くすぐったくも幸せな時間だ。   「瑞樹のここ、辛そうだ」 「あっ……」  その時、ポタっと背中に熱い雫が落ちて来たので、我に返った。  まずい! いじめ過ぎたか。  慌てて瑞樹の顔を覗き込むと……濡れそぼった睫毛を震わせ、肩ではぁはぁと大きく息をしていた。 「ごめん。求めすぎだよな」 「はぁ……うっ……宗吾さんは……朝から激しすぎます」 「君が可愛すぎて、朝からこんなになってしまった」 「僕も……です」  お互いの下半身を見て、苦笑してしまった。  青いな、全く。朝からこんなピンと直立させるなんてさ。 「瑞樹のもちゃんと反応してるな」 「これは……宗吾さんのせいです」 「わかった。責任取るから、バスルームに移動しよう。ほら全部脱いで」 「えっ、こんなに明るい場所では恥ずかしいです」 「男同士だ、何を恥ずかしがる? 」 「宗吾さん……それ何か……違いますよね」  やがて瑞樹は観念したように、言う通りにパジャマを脱いでくれた。明るい所で見る瑞樹の肌は、きめ細かく滑らかで美しかった。  俺も急いで脱ぎ捨て風呂場の中へと誘い、躊躇する瑞樹を風呂場の壁に向かって立たせ背後から抱きしめる。  細い躰、細い腰……すっぽりと俺の中に包まれるひとまわり小さな躰が愛おしくて、少ししゃがんで震える肩甲骨に口づけした。 「とても綺麗だよ」 「宗吾さん……」  シャワーを適温にしザーッとふたりで頭から浴びた。その水音に紛れるように、生まれたままの姿で立ったまま重なり合う。 「一緒に熱を出すか」  耳元で告げると、瑞樹も相当きているようで今度は素直にコクンと頷いた。    流石に朝だし……挿入までは出来ないよな。ならばせめてと……瑞樹の小ぶりな双丘に俺の屹立を押し当て、瑞樹のものは俺の手ですっぽりと包んで扱いてやる。まるで挿入しているかのように腰を緩やかに動かすと、瑞樹は艶めいた声を小さく上げた。 「ぁ……ああっ──」 「ふっ……ぁっ、ん……」  いい声だ……綺麗な声で啼く。  控えめな声に煽られ腰を更にリズミカルに動かすと、瑞樹の先端から蜜が溢れて来た。  煽られる。一気に──  桜色に上気した瑞樹の首筋に口づけながら、共に放つまで俺は夢中で腰を使った。 「ぁ、あぁ!!」 「くっ……」  シャワーを止めると、瑞樹のほっそりとした内股を俺の放出した白濁のものがゆっくり伝いおりていくのが見え、思わず目を細めてしまった。  瑞樹は脱力し、バスルームの床にペタンとしゃがみ込んでしまった。 「おいっ大丈夫か」 「うっ……ふぅ……」 「ごめんな。あまりに君が可愛くて……怒っているのか」  労わるように優しく抱きしめてあげると、瑞樹は首を横にふるふると振った。 「あっ……違うんです。宗吾さんが……こんなに僕を求めてくれるのが嬉しくて……」  泣き笑いのような表情で俺を見上げる顔がさっきよりずっと艶めいていて、心臓が少年のようにドキっと跳ねた。  可愛い──  こんなに可愛いなんて参ったな。  こんな風に君と躰を重ね、君を知れば知る程……  心の一番深い部分でもっともっと好きになるよ。  

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