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秋満ちる 4

「瑞樹が困ったことをちゃんと話せるようになって、嬉しいよ」 「あの……自分でも意外なんですが、もう一人で頑張るのは……やめようと」 「それでいいんだよ。君は今までひとりで我慢し過ぎた。だから何でも話して欲しい。俺という存在で、君の心を軽くしてやりたい」  そのままベッドに誘われて、仰向けに寝かされた。 「腕、綱引きで筋肉痛だろう? 」 「あ……宗吾さんこそ、腰の調子は? 」 「もう大丈夫だよ。鍛えているからな。君を抱くためにさ」 「くすっ」  そのまま首筋をぺろりと舐められると、そこは僕の敏感な場所なので、ビクッと躰が跳ねてしまった。 「……どっちの腕だ?」  朝の話だ……強く掴まれた腕には、相手の手形は残らなかったが、見知らぬ男の太い指の感触がなかなか消えなくて、困惑していた。 「……左です」 「そうか」  宗吾さんが僕の左肩から二の腕、手首までを擦ってくれた。優しくマッサージしてもらうと、朝から強張っていたものが、ふわりと解けていく。 「すごく気持ちいいです」 「肩から腕が、随分凝っているな」 「早くこうして欲しかったです」 「可愛いことを。素直な瑞樹はすごく可愛いな。ヤバイ、かなり興奮してきた」 「もっと触れて……いいですよ」 「だが……」  もどかしくなって……宗吾さんの首筋に両腕を回し、引き寄せてしまった。 「おい? 今日はいつもより積極的だな」 「あ……いえっ……」 「君からキスしてくれるか」 「……はい」  目を閉じて……宗吾さんの唇に、自分の唇を押し当てた。 「ん……っ……」  すると、そのまま宗吾さんの口腔内に舌が吸い込まれてしまった。舌を積極的に絡ませてきたので、切ない疼きが駆け上がり、無意識に彼の躰に腰を擦り寄せてしまった。 「……あ……んんっ……」  欲望が止まらなくなる。  安心し弛緩した躰が、宗吾さんを求め出す。  彼も嬉しそうに僕の欲望を受け留めてくれる。 「いいね。積極的な瑞樹……可愛いよ」  宗吾さんが僕の躰を大きく跨いて、パジャマのボタンを器用にぱぱっと外した。そのまま露わになった胸をべろりと舐められ、両脇に手を這わされると、ビクビクと躰が過敏に反応した。 「あぁ……」  宗吾さんの手はそのまま下半身を辿り、太腿を掴まれグイっと左右に開かれたので、一気に窄まりが露わになって羞恥心が募った。胸と下半身への愛撫が気持ち良すぎて、そのまま達してしまいそうだ。 「いいよ。一度出す? 」 「僕ばかり……恥ずかしいです」 「今日の君は積極的で可愛いから」 「もう……そればかり」  宗吾さんに甘える自分が好きだ。  甘えられるって、いい……  荷物を降ろす場所があるって幸せだ。  宗吾さんが徐に……僕の腕にキスをした。 「君の躰に触れていいのは、俺だけだ」  消毒するみたいに腕に向けて……キスの嵐。  宗吾さんの色に染まっていく躰。 「あ……駄目です。イっちゃいそう……っ」  キスだけで達しそう。硬くなったものが、もどかしく腹の上で揺れている。 「可愛いな。ここ」  そこを宗吾さんにチュッとキスされて、音が出る程に吸われて……もう堪らない。 「だ、駄目……あっ……んんっ」  蕩けてしまう……我慢出来ない。  そこからは愛撫の嵐で……気が付くと、ぐずぐずになって喘いでいた。  いや、いや……といいながらも、躰は積極的に彼を求めていた。  気持ち良すぎて啜り泣きながら、弾けてしまった。  休む間もなくローションを注がれ、宗吾さん自身がやってきた。 「もう……っ、あ、もう? あ……っ、あ……」  頬も躰も、全部、火照って熱い。  僕のそこは、きゅうっとひくつきながら、宗吾さんをつぷりと呑み込んだ。 「あ……はうっ」 「瑞樹、すごく感じているな」 「宗吾さんっ……あっ、好き……好きです」  想いを言葉で伝えあいながら、躰を触れ合った。    互いに精を解き放つまで、じっくりと丁寧に優しく愛撫しあった。    宗吾さんと躰を重ねると、心から安堵できる。  愛があるって、本当に大切だ。    僕の躰に触れていいのは、宗吾さんだけ。  もう他の人には触れさせない…… **** 「今日の君、いつもより積極的だったな」 「……すみません。朝、あんな事があったので、宗吾さんに沢山触れて欲しくなりました」 「嬉しいよ」  瑞樹と深く抱き合った後、俺はさっきから考えていたことを提案してみた。 「今度さ、菅野くんを我が家に招待しないか。彼にはいろいろ世話になっているし、社員旅行に行く前に挨拶したい」 「あ……僕も実は……今日のお礼をしたいと思っていました。いいんですか」 「あぁ早速連れて来いよ」 「はい!」    事後の瑞樹は艶めいた表情で、ふわりと微笑んだ。  ん? その顔は絶対に他の人に見せるなよ。何だか心配だな。  正直、社員旅行はかなり不安だ。  過保護過ぎると笑われるかもしれないが、本気で心配している。  瑞樹が俺以外の人と外泊……しかも男と相部屋だなんて……  これは菅野くんのサポートが絶対に必要だ。  だからぜひ!  瑞樹の味方は、俺にとっても大切な人だ。  

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