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誓いの言葉 50
胸元に抱きしめた瑞樹の耳朶を優しく指で辿り、柔らかい髪を指先に絡めて弄んだ。
そのまま顔を傾けて唇をぴったりと重ねながら、バスローブの胸元に手を差し入れた。
「んっ……」
やはり……随分火照っているな。
優しく胸全体を大きく揉み込んで、胸の尖りを探るように彷徨わせる。
「そ……うごさん」
「本当にドキドキしているな」
「は……い。ヘンな気分なんです」
「俺もだ」
瑞樹が慎ましい仕草で身じろぎして、長い睫毛を伏せる。
「あ……」
その淡く開いた口元を塞いで、顎から首へと口づけをずらしていく。
「最後まで抱くぞ」
「……はい……んっ……んっ……」
喉仏は弱いのか、唇を這わせるだけでブルブルと下肢を震わせる。今度は内股をなぞると、瑞樹のモノも緩く反応していた。
「下着、つけてこなかったのか」
「あ……あの……」
目元を染めて、目を泳がす様子も可愛いな。
「嬉しいよ。その気になっていたの、俺だけじゃないんだな」
更に指の輪で扱いてやると、どんどん嵩を増して立ち上がっていく、
「いつも思うんだけど……ここ。綺麗なカタチだよな」
「そんなこと言わないで下さい……」
「色もいい。淡いピンクだ」
「んっ、あっ!」
いい感じに声に艶が出てきたな。だが……もっともっと可愛い声が聞きたくなって、わざと手の力を弱めて焦らしてしまう。
「そうごさん……? あの……もっと……」
「もっと……どうして欲しい?」
瑞樹が目を見開いて、小さく息を呑む。
「い……意地悪です」
「どの位の強さがいい? 教えてくれよ」
「んっ……」
瑞樹が俺の手に自分の手を添えてくる。普段は絶対にそんなことはしないので、感動してしまった。もっともっと瑞樹が欲しがる姿が見たくて、俺の手をそっと外すと……瑞樹が自分の高まりを、自分で慰めているようなカタチになってしまった。流石に自慰を見せるのは恥ずかしいのか、身を捩る。
「あっ……いや」
「続けて、そうしたらもっと気持ち良くしてやるよ」
「う……」
瑞樹が躊躇いがちに前を弄っている間に、俺は尻の狭間を辿って蕾にジェルを垂らしてやった。
「あ……っ」
「冷たいか」
コクコクと必死に頷く瑞樹。
「今、温めてやるよ」
「あうっ」
蕾の周りを撫でるように弧を描き……そのまま指を押し進めた。
「あ……あっ……」
「可愛い」
徐々にジェルを纏った指先を奥に沈めていく。まるで窄まりの中に吸い込まれていくようだ。
「あ……んッ……」
反射的に逃げを打つ身体をしっかりホールドし、膝頭を何度か撫でて脚を左右に大きく開かせる。仰向けの姿勢で脚を大きく広げる瑞樹は、淫らで可愛い。
俺の瑞樹だ。
中がクチュリクチュリと音を立て出した。
「ここ、狭くて熱いな……」
瑞樹が感じやすい場所はもう覚えた。そこを探って指でクイッと押すと、瑞樹が「うっ……」と熱っぽい吐息を漏らす。その逸らした喉元に優しく唇をあて、中を穿つ。
「瑞樹、もう前は触らないのか」
「無理……です。でも……いき……たい……です」
「いかせてやるよ。中から刺激してやるから安心しろ」
「あ……っ」
瑞樹の爪先がくっと丸まり、その時が近いことを知らせてくれる。
「待って……待って……ください。僕は……宗吾さんと、いっしょが……いいです」
瑞樹が俺の首に手を回し、縋るようにしがみついてくる。
「いいよ。一緒にいこう」
彼の身体を抱え直し、片足を俺の肩にかけさせて、大きく開かせる。
普段なら……絶対に見ることの無いあられもない姿にゾクゾクする。
一糸まとわぬ瑞樹の裸体は、同じ男なのにほっそりとして、清潔感があってすべすべだ。
瑞樹も興奮しているようで、胸元が大きく上気して、薔薇色に染まり色っぽい。もともと色白の肌が、こうやって染まる瞬間を見るのが好きだ。
いつの間にか2本に増やしていた指を抜くと、「あっ……」と少し切ない声をあげた。
「濡れたな」
耳元で囁くと、瑞樹は頬をますます染めて目を固く閉じる。その瞳には少し涙が浮いていたので、やさしく吸い取ってやった。
「涙が……感じ過ぎたのか」
「……かもしれません」
覆い被さることで俺の体温を感じさせ、安心させてやる。
そのまま片手で平らな胸元を手でさすり乳首をキュッと摘まみ上げると、瑞樹の内股が切なげに震え出した。蕾に俺のものをあてて、一気に押し進めると、静かに迎え入れてくれた。
「うっ……うっ……」
俺の侵入を許してくれる瑞樹が愛おしくて愛しくて。
「いれるよ」
「は……い……んっ」
先端を中程まで一気に押し入れると、強い締め付けを感じた。
「大丈夫か。苦しいか」
「いいえ……宗吾さんの……だから……嬉しいです」
「瑞樹……」
そんな風に言ってもらえるなんて。
今日という日を振り返って……瑞樹がどんなに家族に愛されているのか痛いほど伝わってきた。血なんて関係ないほど、葉山の家族と熊田さんに大切にされている様子は、俺から見ても嬉しかった。
そんな瑞樹が、俺にだけはこんな乱れた艶めいた姿を見せてくれる、
それが嬉しくて溜まらない。
「……あ、あぁ……っ」
何度か腰を揺すって奥を突くと、そのために喘ぎ声があがり、瑞樹からも腰を揺らしてくれた。
「もう少し……奥へ……来てください」
彼が下腹部を自分の手で撫でて、俺を誘ってくれる。
ヤバイ……逆上せそうで、ヤバイレベルの可愛さだ。
スズランのように可憐で清楚な瑞樹が、俺の腕の中でしどけなく乱れる淫らな姿を目を細めて見下ろして、更に最奥まで身を押し進めていく。
「ああっ……!」
艶めいた声が、耳に残る。
「いいな」
「……んんっ……あぁぁっ」
全てを瑞樹の中に埋めて、ゆらゆらと刺激を与えると……瑞樹が細かく震えた後大きく仰け反った。
「あぁ――っ」
俺の腹を濡らす生暖かいものすらも……愛おしい。
「俺も出すよ」
彼の細腰を抱え直して、腰を大きく送り込んだ。
「も……いや……あぁ……気持ちいい」
「くっ」
法悦とした表情の瑞樹を腕の中に閉じ込めて……俺も果てた。
暫く抱き合って余韻に浸っていると、瑞樹の瞼が重そうになり……やがてウトウトしだした。
「瑞樹、シャワーは?」
「……ん……あとで……」
子供みたいに目を擦り、眠りに落ちていく様子に、思わず笑みが零れる。
あどけないな。
すうすうと寝息を立てる息子に目をやって、それから愛しい恋人の寝顔を眺めた。
「疲れるよな。受け入れる方って……無理させちゃったか。ありがとうな」
後処理は……全部俺がしてやるから、もう眠れ。
優しくまだ剥き出しの背中に布団をかけてやった。
今日の瑞樹も、可愛かったな。
初めて抱いた日から、いつもいつだって初々しい瑞樹。
自ら積極的に動く姿すらも、可愛く清楚なんだよな。
ベタ惚れだ……そう言い切れる自信はある。
瑞樹を抱き上げてお湯につけて清めてやる。
大事な儀式のように厳かな夜だな。
今頃このホテルでは……何組ものカップルが身体を重ねて、愛を紡いでいるのか。
そう思うと自然と笑みが零れるよ。
男と男だが……愛の深さは男女の恋愛と何も変わらない。
ただ君が好きだ、
そんなありのままの気持ちを大切に、また明日からやっていこう。
俺も君に誓いの言葉を贈ろう。
「瑞樹、君を生涯大切に愛していくよ」
~ 私たちは、病めるときも健やかなるときも、愛をもって……生涯お互いに支えあうことを、誓います ~
結婚式の言葉が、耳から離れない。
いつか俺たちも森の隠れ家のような静かな場所で、結婚式をあげないか。
君の介添えは、熊田さん……君のお父さんがいいな。
俺は今日と変わらぬ真実の愛を贈るよ。
何度でも……毎日、毎日が新鮮な1日だ。
あとがき(不要な方は飛ばして下さい)
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今日は、一話まるごどラブシーンでした💕
二人とも満ち足りた想いで、身体を重ねた様子が伝われば嬉しいです。
これにて『誓いの言葉』はお終いです。全50話にも及びました。
お話は……また日常に戻っていきますね。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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