1345 / 1738
幸せが集う場所 10
前置き
2日間お休みいただきました。
ご心配お掛けしましたが、これからも幸せで心温まる物語を書きたいので、コツコツ頑張って行きます。どうぞ宜しくお願いします。今日は久しぶりの宗吾さんと瑞樹の甘くて熱いラブシーンです。朝チュンではありません、BLらしい回です!
****
宗吾さんに力強くベッドに押し倒された。
今宵は、久しぶりの逢瀬になる。
そのせいで、胸がドキドキ、ドキドキと高鳴っていく。
この人に、これから抱かれる。
そう思うだけで、下腹部に熱が籠もってしまう。
僕も男だ。
宗吾さんが欲しい。
早く欲しい。
「瑞樹……」
宗吾さんが僕の両肩を掴んで、真っ直ぐに見下ろしてくる。
熱の籠もった甘い視線に絡み取られていく。
「あの……そんなに見ないで下さい」
「瑞樹の瞳って、綺麗だな」
「え……そうですか」
「こんなに澄んだ瞳は見たことないよ」
そっと頬を撫でられ、そのまま体重をズシッとかけられる。
「ん……っ」
宗吾さんと唇を重ね合わせた。
最初は軽く触れるキス。
次はしっとり濡れるキス。
それから深いキス。
最後にこんなに深いキスをしたのは、出張に行く前の晩だ。
あの日も今日みたいに求めあった。
あの日からいろんなことがあった。
芽生くんの入院は、僕も……怖かった。
離れ離れになるなんて予期してなかった。
また幸せが手の平から砂のようにすり抜けてしまうのではと、不安で不安で堪らなかった。
だが、幸せはちゃんとここにあった。
どこにもいかないで、いてくれた。
宗吾さんの広い背中に手を回し、しがみついた。
僕の幸せを抱きしめたくて。
すると宗吾さんも僕をしっかり抱きしめてくれた。
「瑞樹、このまま抱いていいか」
「はい、僕もそうしたいです」
パジャマのボタンを全て外され、胸を露わにされる。
「瑞樹の肌はきめ細やかで気持ちいいな」
右手で腰を深く抱かれ、左手は巧みにズボンを下げて、内股に這ってくる。
「あ……ッ……」
「ここ……久しぶりだから、固くなってるな。潤滑剤を使おう」
いつの間にか用意されていたゼリーで、柔らかくなるまで熱心にそこを揉まれた。くちゅりくちゅりと水音が恥ずかしくて、僕は宗吾さんにギュッとしがみついて目を閉じた。
「受け入れてくれてありがとう」
「……僕も宗吾さんを抱いています」
「わかるよ。君の中に入ると、抱かれている気分になるからな」
「……はい」
首や鎖骨、それから胸元にキスの雨が降ってくる。
優しい雨は、恵みの雨。
僕の乾いた身体を潤す雨だ。
両足を抱え上げられ、ガバッと開かれる。
その間に宗吾さんの逞しい身体が入ってくる。もう閉じるわけにはいかず、あられもない姿を晒して恥ずかしいが……嬉しかった。
一つになれることが、嬉しい。
「瑞樹……瑞樹っ」
「宗吾さん……宗吾さん」
互いの名を真摯に呼び合い、求め合う。
本能的に身体と心が、愛する人を欲している。
やがて……下腹部に宗吾さんの昂ぶるものを押し当てられる。
「もう……こんなになっていたのですね」
「こんなに長く我慢したのは久しぶりで、ギチギチだ」
「あからさまですね」
「すまん」
「いえ、嬉しいです」
誰だって嬉しいと思う。
好きな人から、愛され求められるのは。
指はずっと動いていた。
僕の内部を広げ、ぐりぐりと回転し、刺激を与えられる。
「あっ、うっ」
「入るぞ」
宗吾さんが先端を擦りつけてくる。
先走りのしめりを入り口に感じた後、ぐぐっと押し開かれた。
「あっ、あぁ! あ……」
柔らかく解されたそこは、宗吾さんをみるみる呑み込んでいく。
どんどん、深く――
「大丈夫か」
「かっ、硬くて……熱い……大きいです」
「お、おい、あまり煽るな」
「あ、すみません」
「謝るな」
根元まで押し込まれたものを、僕の身体が悦んでいる。
「瑞樹の中って、温かくて優しいな」
「宗吾さんのも熱いです」
「動かすよ」
最初はゆっくり、次第に大きく腰を動かされ、大きく仰け反ってしまった。
「ン……っ、あっ、あっ」
揺らされる度に、上擦った甘い声が溢れ落ちてしまう。
「瑞樹も一緒に」
僕の性器を宗吾さんが扱いてくる。
中も外も攻められ、過敏に感じてしまう。
「ここだよな。瑞樹の感じる場所って」
「あ……っ」
押し広げられ、突き上げられ、ひっきりなしに濡れた声が溢れてしまう。
芽生くんが起きないように声を潜めるが、我慢できない。
喘ぐ声を宗吾さんが口づけで吸い取ってくれる。
「可愛いな……感じているのか」
ここからはもう宗吾さんに身を委ねる一方で、僕は広い背中にしがみついて、甘く乱れっぱなしだ。
息が上がっていく。
イキたい。
それはもう本能の声だった。
いきたい。
生きたい。
行きたい。
明日も明後日も、ずっと一緒に……!
胸を喘がせ、宗吾さんにしがみつく。
「宗吾さん……もう、もうっ」
「瑞樹……すごい感じているな。ここヌルヌルだ」
「いや……ああっ」
「気持ちいいか」
「……気持ちいい……でも、ヘンになります」
「気持ちを解放しろ」
「あ……っ」
これは全てを曝け出す行為だ。
全てを見せ、全てを委ね合う。
信頼がないと成り立たない行為だ。
愛を与え合い、心も身体も繋がって……
淫らな水音が響く中、僕らは身体を上下に揺れて、宗吾さんの手に誘導されるように僕は果て、同時に身体の最奥に熱い飛沫を感じた。
「あぁ!」
「くっ」
下半身をピクピクさせていると、宗吾さんがチュッと口づけをしてきた。
「瑞樹……ありがとう。君がいてくれるから……俺、頑張れる」
返事をしようと唇を薄く開くと、また吸わされた。
「瑞樹、一度じゃ足りない」
「あ……もう?」
宗吾さんがもう一度僕の中にやってきた。
名残惜しさが、喜びに変わる瞬間だ。
宗吾さんに求められる喜び、必要とされる喜びが溢れてくる。
「愛おしいよ」
根元まで埋められ深い所で繋がって、深い口づけをする。
上も下も宗吾さんで満ちていく。
「宗吾さん……気持ちいいです」
「俺もだ」
二人は額を擦りつけあって、視線を合わせて微笑んだ。
「瑞樹、愛してるよ、俺、君がいるから幸せだ」
「宗吾さん、僕も同じです。今日も明日もずっと一緒にいて下さい。僕の幸せな存在なんです……」
****
久しぶりに瑞樹と繋がった。
夜更けまでかなりシツコク抱いてしまったが、瑞樹も何度も何度も求めてくれた。
それが嬉しかった。
身も心も満たされたお陰で、その後、しっかり仕事に打ち込むことが出来た。
そしてまた月日は流れ、いよいよ明日はバレンタインだ。
「滝沢くん、薔薇のフェスティバルに向けて、よく頑張ったな。明日は一旦離れて、江ノ島の水族館のイベントの方に向かってくれ」
「承知しました」
「それから、明後日は有休を取れ」
「え?」
「アシカとの触れ合いイベントの名簿を見たぞ。息子さんも参加するのだろう?」
「あ、はい」
「カッコいいお父さんの姿を見せて、その後は家族の時間を過ごすといい」
「え……あっ、ありがとうございます!」
というわけで、明日は楽しい1日になりそうだ。
いっくんと芽生の再会は、もう間もなくだ。
ともだちにシェアしよう!