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幸せが集う場所 10

 前置き  2日間お休みいただきました。  ご心配お掛けしましたが、これからも幸せで心温まる物語を書きたいので、コツコツ頑張って行きます。どうぞ宜しくお願いします。今日は久しぶりの宗吾さんと瑞樹の甘くて熱いラブシーンです。朝チュンではありません、BLらしい回です! ****  宗吾さんに力強くベッドに押し倒された。  今宵は、久しぶりの逢瀬になる。  そのせいで、胸がドキドキ、ドキドキと高鳴っていく。  この人に、これから抱かれる。  そう思うだけで、下腹部に熱が籠もってしまう。  僕も男だ。  宗吾さんが欲しい。  早く欲しい。 「瑞樹……」  宗吾さんが僕の両肩を掴んで、真っ直ぐに見下ろしてくる。  熱の籠もった甘い視線に絡み取られていく。 「あの……そんなに見ないで下さい」 「瑞樹の瞳って、綺麗だな」 「え……そうですか」 「こんなに澄んだ瞳は見たことないよ」  そっと頬を撫でられ、そのまま体重をズシッとかけられる。 「ん……っ」  宗吾さんと唇を重ね合わせた。  最初は軽く触れるキス。  次はしっとり濡れるキス。  それから深いキス。  最後にこんなに深いキスをしたのは、出張に行く前の晩だ。  あの日も今日みたいに求めあった。  あの日からいろんなことがあった。  芽生くんの入院は、僕も……怖かった。  離れ離れになるなんて予期してなかった。  また幸せが手の平から砂のようにすり抜けてしまうのではと、不安で不安で堪らなかった。  だが、幸せはちゃんとここにあった。  どこにもいかないで、いてくれた。  宗吾さんの広い背中に手を回し、しがみついた。  僕の幸せを抱きしめたくて。  すると宗吾さんも僕をしっかり抱きしめてくれた。 「瑞樹、このまま抱いていいか」 「はい、僕もそうしたいです」  パジャマのボタンを全て外され、胸を露わにされる。 「瑞樹の肌はきめ細やかで気持ちいいな」  右手で腰を深く抱かれ、左手は巧みにズボンを下げて、内股に這ってくる。 「あ……ッ……」 「ここ……久しぶりだから、固くなってるな。潤滑剤を使おう」  いつの間にか用意されていたゼリーで、柔らかくなるまで熱心にそこを揉まれた。くちゅりくちゅりと水音が恥ずかしくて、僕は宗吾さんにギュッとしがみついて目を閉じた。 「受け入れてくれてありがとう」 「……僕も宗吾さんを抱いています」 「わかるよ。君の中に入ると、抱かれている気分になるからな」 「……はい」  首や鎖骨、それから胸元にキスの雨が降ってくる。  優しい雨は、恵みの雨。  僕の乾いた身体を潤す雨だ。  両足を抱え上げられ、ガバッと開かれる。  その間に宗吾さんの逞しい身体が入ってくる。もう閉じるわけにはいかず、あられもない姿を晒して恥ずかしいが……嬉しかった。  一つになれることが、嬉しい。 「瑞樹……瑞樹っ」 「宗吾さん……宗吾さん」  互いの名を真摯に呼び合い、求め合う。  本能的に身体と心が、愛する人を欲している。  やがて……下腹部に宗吾さんの昂ぶるものを押し当てられる。 「もう……こんなになっていたのですね」 「こんなに長く我慢したのは久しぶりで、ギチギチだ」 「あからさまですね」 「すまん」 「いえ、嬉しいです」  誰だって嬉しいと思う。  好きな人から、愛され求められるのは。  指はずっと動いていた。  僕の内部を広げ、ぐりぐりと回転し、刺激を与えられる。 「あっ、うっ」 「入るぞ」  宗吾さんが先端を擦りつけてくる。  先走りのしめりを入り口に感じた後、ぐぐっと押し開かれた。 「あっ、あぁ! あ……」  柔らかく解されたそこは、宗吾さんをみるみる呑み込んでいく。  どんどん、深く―― 「大丈夫か」 「かっ、硬くて……熱い……大きいです」 「お、おい、あまり煽るな」 「あ、すみません」 「謝るな」  根元まで押し込まれたものを、僕の身体が悦んでいる。   「瑞樹の中って、温かくて優しいな」 「宗吾さんのも熱いです」 「動かすよ」    最初はゆっくり、次第に大きく腰を動かされ、大きく仰け反ってしまった。 「ン……っ、あっ、あっ」  揺らされる度に、上擦った甘い声が溢れ落ちてしまう。 「瑞樹も一緒に」  僕の性器を宗吾さんが扱いてくる。  中も外も攻められ、過敏に感じてしまう。 「ここだよな。瑞樹の感じる場所って」 「あ……っ」  押し広げられ、突き上げられ、ひっきりなしに濡れた声が溢れてしまう。  芽生くんが起きないように声を潜めるが、我慢できない。  喘ぐ声を宗吾さんが口づけで吸い取ってくれる。 「可愛いな……感じているのか」  ここからはもう宗吾さんに身を委ねる一方で、僕は広い背中にしがみついて、甘く乱れっぱなしだ。  息が上がっていく。  イキたい。  それはもう本能の声だった。  いきたい。  生きたい。  行きたい。  明日も明後日も、ずっと一緒に……!  胸を喘がせ、宗吾さんにしがみつく。 「宗吾さん……もう、もうっ」 「瑞樹……すごい感じているな。ここヌルヌルだ」 「いや……ああっ」 「気持ちいいか」 「……気持ちいい……でも、ヘンになります」 「気持ちを解放しろ」 「あ……っ」  これは全てを曝け出す行為だ。  全てを見せ、全てを委ね合う。  信頼がないと成り立たない行為だ。  愛を与え合い、心も身体も繋がって……  淫らな水音が響く中、僕らは身体を上下に揺れて、宗吾さんの手に誘導されるように僕は果て、同時に身体の最奥に熱い飛沫を感じた。 「あぁ!」 「くっ」  下半身をピクピクさせていると、宗吾さんがチュッと口づけをしてきた。 「瑞樹……ありがとう。君がいてくれるから……俺、頑張れる」  返事をしようと唇を薄く開くと、また吸わされた。 「瑞樹、一度じゃ足りない」 「あ……もう?」  宗吾さんがもう一度僕の中にやってきた。  名残惜しさが、喜びに変わる瞬間だ。  宗吾さんに求められる喜び、必要とされる喜びが溢れてくる。 「愛おしいよ」  根元まで埋められ深い所で繋がって、深い口づけをする。  上も下も宗吾さんで満ちていく。 「宗吾さん……気持ちいいです」 「俺もだ」 二人は額を擦りつけあって、視線を合わせて微笑んだ。 「瑞樹、愛してるよ、俺、君がいるから幸せだ」 「宗吾さん、僕も同じです。今日も明日もずっと一緒にいて下さい。僕の幸せな存在なんです……」 ****  久しぶりに瑞樹と繋がった。  夜更けまでかなりシツコク抱いてしまったが、瑞樹も何度も何度も求めてくれた。  それが嬉しかった。  身も心も満たされたお陰で、その後、しっかり仕事に打ち込むことが出来た。  そしてまた月日は流れ、いよいよ明日はバレンタインだ。 「滝沢くん、薔薇のフェスティバルに向けて、よく頑張ったな。明日は一旦離れて、江ノ島の水族館のイベントの方に向かってくれ」 「承知しました」 「それから、明後日は有休を取れ」 「え?」 「アシカとの触れ合いイベントの名簿を見たぞ。息子さんも参加するのだろう?」 「あ、はい」 「カッコいいお父さんの姿を見せて、その後は家族の時間を過ごすといい」 「え……あっ、ありがとうございます!」  というわけで、明日は楽しい1日になりそうだ。  いっくんと芽生の再会は、もう間もなくだ。  

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