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覚悟の夜 05

(レオニードさんだ!)  パッと視界が晴れ、体中が発熱したように熱くなる。  まさか本当に会えるなんて。  興奮を覚えながらもレオニードの表情が硬いことに気がついたエイノは首を傾げた。何かあったのだろうか。  考え事をするエイノの服の裾をシモがちょいちょいと引っ張った。 「エイノ! 彼だよ!」  まるで自分の待ち人が現れたみたいにきゃっきゃと喜んでいるシモが眩しい。 無言で打ち震えるエイノの姿にくすっと笑みをこぼし、彼は手を上げて友人に目配せした。  灰色オオカミは「まあ待て」と唇だけ動かし、両手を挙げて肩をすくめる。 シモが頷くと、彼らは見知った仲間と歓談しはじめた。 「フォードルにはしつこいほどお願いしてるから、あとでレオニードさんをここに連れて来てくれるよ。喜んでくれる?」  感激のあまり気の利いた言葉が思い浮かばず、コクコクと頭を縦に振る。 スマートさとはかけ離れていたけれど、なんとか感謝の気持ちを声に出した。 「何から何まで本当にありがとう……っ。シモがいなければこんなチャンス絶対にめぐってこなかった。せっかくのパーティなのに、俺についててくれてありがとう」 「ふふ、とんでもない。僕もエイノがいてくれて心強いよ。ほんと言うとこの手のパーティは得意じゃないんだ。僕は自然な形で恋に落ちたいなって。それなのに、フォードルがあんまりしつこく誘うから……」  むうっと唇を尖らせながらシモが金のまつげを揺らした。 なんて愛らしいのだろうと見とれていると、視線に気づいた彼が吹き出す。

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