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再会 03
残されたエイノとレオニードの間に気まずい沈黙が流れた。
なんとかお近づきになりたくてなりふり構わず突き進んできたくせに、いざ本人を前にすると、緊張で足が震えそうになる。
けれどここで引くわけにはいかない。
今さら怖じ気づいたって、ポケットの中のハルが消えてなくなるわけではないのだ。
「あの、俺こういうパーティーに来たの初めてで、すごく緊張してるんだ。よかったら少し話し相手になってもらいたいんだけど、どう?」
普通に考えたら初対面の相手に失礼極まりない口調だが、あえてフランクに話しかけた。
対等に会話をしなければきっと距離なんて縮まらない。
ほとんどのオメガは甘え上手だから、これくらい許してもらえるだろう。
慣れない口調に内心ドキドキしていたエイノだが、わずかに口角を上げたレオニードは了承の言葉を返した。
「ああ。しつこいヤツもいなくなったし、このまま帰ろうと思っていたところだが、君と話をするのも悪くないな」
「ほんと? 嬉しいよ! ありがとう」
ふわりと子供のように綻んでしまった顔を慌てて引き締め、エイノは会場の外へとレオニードを誘った。
シャンパングラスを手にテラスの端の方へと誘導する。
この場所なら通りに面しているため、外に出るのもたやすい。
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