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第18話 親衛隊隊長さんの自宅訪問
親衛隊の集会部屋になっている空き教室に、カバンおきっぱなしだった。
トイレを済ましてから、取りにいく予定だったからなぁ。
スマホとIDカードは常備していたから、部屋にも入れたけどねえ。
朝イチで取りに行くのはヤダけど、教科書入ってるしなぁ。
親衛隊員で仲良くしてくれるクラスメイトの南ちゃんとかは、僕がトイレから戻ってこないことを心配をしているかもしれない。
風紀委員室からずっと一人になれていなかったから、スマホのチェックしてないし。
お風呂入る前に確認したらよかったなぁ。
親衛隊隊長からも連絡があるはず。
……………………憂鬱だ。
お湯が胸元まで溜まるのを見ながら、隊長の顔を思い出して、ため息をついた。
ふやける位お湯につかっていたら、部屋のインターホンが小さく聞こえた。
いま、出られない。
諦めて、出直してくれると思っていたのに、インターホンは鳴りやまず。
…………しつこい。
南ちゃんにしては、粘るなぁ。
もしかしたら、おきっぱなしのカバンを持ってきてくれたのかもしれない。
ガバッと、浴槽から立ち上がって風呂から出た。
体を拭いて、
玄関のドアを開けた。
「ごめんね、南ちゃ……」
ドアノブを握ったまま、
僕は固まった。
フリーズしていたのは一瞬で、すぐにドアを閉めた。
すぐに部屋のインターホンを連打されている。
もう、居留守は使えない。
僕は大きく深呼吸してから、ドアを開けた。
「早く出てよね」
と、生徒会長親衛隊隊長の深瀬美幸 さんだ。
……仕事速すぎだよ、風紀。
どういったご用件で?
なんて、しらを切れる雰囲気ではない。
「お待たせしました」
と、隊長と副隊長を招き入れた。
玄関入ってすぐにリビングがあるので、そこに案内した。
冷蔵庫からウーロン茶を出して、コップにそそいだのを彼らにふるまった。
「間宮くん、服、ちゃんとしてきて」
と、副隊長の掛川大翔 さんに言われました。
「見苦しい姿をお見せしてしまい申し訳ありませんでした。お言葉に甘えて着替えてきますので、しばらくお待ち下さい」
と、二人に断りを入れて、リビングの奥の部屋に入った。
言われなくても、タイミングを見計らって服を着に行く予定でしたから。
風呂から出て慌てて玄関開けたから、僕の格好はバスタオルを腰にまいただけ。
もちろん、上半身は裸。
帰宅してお風呂に直行したから、着替えの服とか用意してなかったわけで。
南ちゃんと思い込んで、玄関開けたし。
まさか、隊長だとは思っていなかったしなぁ。
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