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第15話

(-_-).。oO(なかなか、イチャイチャまで行かない……) ―――――――――――――――――――――――――――――― 「こちらの路地なら、候補はこの辺りかな」 地図を見ると、何ヵ所かに丸がつけてある。 それを覗き見て、ネブラと顔を見合わせた。 「団長ぅ、たぶん、今丸をつけた場所にはぁ、いないと思いますぅ」 「……なんだと?」 俺も、首肯く。 「昨日、盗賊稼業をしていた一味が衛兵達に捕らえられておりまして、こちらが把握していた、隠れ屋に使えそうな場所のほとんどには、見張りがついているんです。特にこの辺りの見回りは、強化されていますから……」 今朝、ほとんどの衛兵が、市場の見回りができないという話があって、その理由が、空き家の見回りだったのだ。 地図に書き込まれた丸の中には、盗賊どもが主に使っていた場所も含まれているため、この周辺に残党が潜んでいる可能性を考えて、見回りが強化されているのだ。 子爵令息でなくても、人を連れ込もうとしている者がいれば、すぐに見付かるはずだ。 「なるほどな……確かに、大規模な盗賊検挙と、今朝からの見回り強化は報告が来ていたか」 険しい顔をした団長の顔が近い……って、ネブラも近い。うう。 「つまり、衛兵と連絡をとって……」 「並行してぇ、こちらを探索するのがぁ、いいと思いますぅ」 すっごい真剣な顔でシリアスな話をしているのに、気が抜ける。ネブラの才能だけど、使いどころがなぁ。 しかし、団長は頷いて、衛兵隊長との連絡係を決めて、地図で見回り強化対象から外れていそうなところを、俺とネブラと共に詰めていった。 「……怪しいのは、この辺りか」 結果、割り出したのは、森になった一角。 とある貴族屋敷にも近いので、怪しい場所に割りと近いのに、配慮されて見回りから外されている。 この事も怪しむ理由のひとつだ。 「王太子と貴族を相手取るんだ。高位の貴族でなければ、誤魔化しもできん」 俺たちの意図は一致した。 さらにはここ、元婚約者が手出ししていた息子がいる家だよな。あいつ、常に7,8人には囲まれてたもんな。 すごい、嫌な予感がするのだが。

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