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第20話※
※ 最初からR18。
ちょっと気分の悪くなる方もいるかもしれませんので、注意です。
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そして、配置についた頃、小屋の中からの物音が何なのか、全員に強制的に理解させられた。
「あ、あっ…あっ、やんっ、あっ、あっ、ああんっ」
「ははは! ホラよ。もっと啼けよ」
「あ…ん……いやぁ……ッ」
中から聞こえてきたのは、まるで女のような嬌声と、それを煽るような罵声、そして粘性のある水音だった。
「「「……」」」
……ええと。
どうやら、中にいるのは、ラバセナと拐った悪漢3人だけのようだ。しかも3人共、ラバセナとの行為に夢中になっているらしい。
さすがというか、なんというか……俺はラバセナの手管に戦いた。
周囲への警戒が弱まっている、ということなので、これは好機だが……。
ちらと団長の方を見てみると、音をたてないように、順に潜入中のようだった。
ならば、俺たちの役目は、いざというときにターゲットを逃がさぬようにすること。
「本当に好き者だな、コイツ。ホントに貴族なのか?」
「や……ぁ、そこ……いい……ッ」
……。
様子を確かめるために、悪漢どもの会話を聞いてなきゃならないわけだが、ツラい。
警戒しなきゃならんのに、なんとも気が抜けることだ。
俺ってコイツの婚約者だったんだよな。
今となっては、ただ情けない気分になってくるんだが、婚約者のままだったなら、憤ったりしてやれたんだろうか。
そんなことを思いながら、周囲へ気を配っていると、小屋に張り付くようにしている見張りを見つけた。
あれは……相手に見つかるんじゃないか? 大丈夫か?
包囲側の統括を任された、近衛副団長を探して、意見を聞こうとしたら、張り付いた見張りの向こうに姿が見えた。
どういうことなのかと、隣の兵から順に、伝言で指示をあおぐことにした。
帰ってきた伝言は、「ボロ小屋の隙間から、中が確認できるので、視覚でも様子がうかがえた方が、突入隊のフォローがしやすい」というものだった。
なるほど。
中をうかがっている面々の、顔や表情が異常でなければ、説得力があったのにな。
ドン引きしながら、残りの包囲隊を、中をうかがう班と、周囲から悪漢の仲間が来ないか見張る班とにわける作業をした。
中をうかがう班には、突入隊の他に、近衛副団長のフォローもしてもらえるように、頼んだ。
これでバッチリなはず……。
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