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第3章-2 オフェリア(14 years old)

大陸史:1417年 花の月 ここマルシエの廃墟で、リアとペガサスが聖獣の血を引く一族の末裔達と暮らすようになってから8年が経った。 リアは14歳になっていた。 当初は110cm程しかなかった身長も少しずつ伸び、今では140cmを超える位にはなっている。 しかし共に暮らす末裔達から見れば、リアはまだまだ小さく庇護する対象であり、例え上位聖獣のペガサスが共にいたとしても、自分達がリアから目を離す等、とんでもない事だと大真面目に誰もが思っている。 彼らの一族は、10歳頃までは人と同じ様な過程で成長するが、その後2~3年位で成長は一気に加速し、15歳を迎える頃には、ほぼ成人体となる。 また、平均身長が200cmを超えるとても大きな一族だ。 故に彼らから見るリアが、必要以上に小さく見えている事も、末裔達を過保護にする原因の1つになっている。 ライナーの身長も200cm近くになっており、彼とリアが共に行動する際には、その歩幅の違いからどうしてもリアに負担がかかってしまうため、常にライナーがリアを抱き上げた状態で移動する。 もちろん、これはライナーだけに限った事ではない。 200cmを超えているキリエやクロスと行動する場合も同じだ。 ちなみに身長で言うと、年下であるバルエ姉弟すら、既に160cm以上あり、とっくにリアを追い越している。 大きく優しい家族達に囲まれ、幼いリアがそうと知らずに他人に対し張っていた氷の壁は、8年かけてゆっくりと融け出していた。 能面の様だった表情も、今では表に出るようになり、一番の課題であった情緒面も少しずつ成長している。 ペガサスは、末裔達のリアに対する過保護振りに若干呆れてはいるものの、彼らは期待以上にリアを愛し、慈しんでくれていた為、特に何も言わず、愛される事を知った己の主が、花開き美しく成長してゆく様を、優しく見守っていた。 オフェリア(14 years old)END

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