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第4章ー5 New fate-4 Side:Roommates
ばたん。
ドアが閉められ、鍵が掛けられた音を確認すると、ウェルザは大きくため息を吐いた。
「何か適当にあしらわれちゃったね…。」
「まぁ、なんつうか、他人に対する警戒心がハンパないタイプみたいだから仕方ないわ。」
「…うん。そうだね。僕達が嫌い、って感じではなかったけど、凄い距離感を感じたね…。」
「…それよりも、気付いたろ?」
「うん。凄い召喚光だった。」
「加えてキョーレツな気配をバンバン感じるしな~。変な汗出てきたわ、俺。」
そう言いながら、どこか飄々としているサーガはこう見えても、東のリースウェイ王国の中流貴族の次男坊である。
芸術を愛し、社交的。
美しい物が大好きだと日々公言しているサーガは、きっと自分が思う以上に初対面の2人の事を気に入っているのだろう。
ウェルザは少し笑って、改めて問いかける。
「…仲良く、なれると思う?」
「…仲良く、なりましょう。特にお人形さんみたいな弟君とは。」
「くす、そうだよね。何か事情がありそうな感じだけど、いつか話してくれるといいな。」
「…大丈夫だろ?…大体、ここにいる生徒の多くが、強すぎる力のせいで何らかの迫害を受けたり、ストレスの溜まる環境で育って来てるんだ。あいつ等だってその内…俺達は今まであいつ等が見てきた人間とは違う、ってわかるさ。」
暫くは様子を伺いながら距離を縮めて行こう…
そんなシリアスな話し合いをした翌日。
まさかあんな質問を受ける事になるとは、2人とも知る由もなかった。
New fate-4 ◇Side:Roommates END
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