19 / 163

第4章ー5 New fate-4 Side:Roommates

ばたん。 ドアが閉められ、鍵が掛けられた音を確認すると、ウェルザは大きくため息を吐いた。 「何か適当にあしらわれちゃったね…。」 「まぁ、なんつうか、他人に対する警戒心がハンパないタイプみたいだから仕方ないわ。」 「…うん。そうだね。僕達が嫌い、って感じではなかったけど、凄い距離感を感じたね…。」 「…それよりも、気付いたろ?」 「うん。凄い召喚光だった。」 「加えてキョーレツな気配をバンバン感じるしな~。変な汗出てきたわ、俺。」 そう言いながら、どこか飄々としているサーガはこう見えても、東のリースウェイ王国の中流貴族の次男坊である。 芸術を愛し、社交的。 美しい物が大好きだと日々公言しているサーガは、きっと自分が思う以上に初対面の2人の事を気に入っているのだろう。 ウェルザは少し笑って、改めて問いかける。 「…仲良く、なれると思う?」 「…仲良く、なりましょう。特にお人形さんみたいな弟君とは。」 「くす、そうだよね。何か事情がありそうな感じだけど、いつか話してくれるといいな。」 「…大丈夫だろ?…大体、ここにいる生徒の多くが、強すぎる力のせいで何らかの迫害を受けたり、ストレスの溜まる環境で育って来てるんだ。あいつ等だってその内…俺達は今まであいつ等が見てきた人間とは違う、ってわかるさ。」 暫くは様子を伺いながら距離を縮めて行こう… そんなシリアスな話し合いをした翌日。 まさかあんな質問を受ける事になるとは、2人とも知る由もなかった。 New fate-4 ◇Side:Roommates END

ともだちにシェアしよう!