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第4章ー14 ~生徒会役員達~
◇Side:ルマーシェ・ビラン
「う~ん、ああ!もう可愛いなぁ!」
進学始業式が始まる前、やっと見る事が出来たクランツ兄弟。
彼らが入寮した時には僕は仕事でその場にいなかったし、食事も時間が合わないのが、ダイニングでは一度も合わなかった。
凄く美形の兄弟だと噂になっていたから、綺麗なモノが大好きな僕はめちゃくちゃ気になってたんだよね。
噂以上の美貌と可愛いらしい仕草に大興奮している僕、ルマーシェ・ビランを、生徒会長で僕より1学年上のカルラ・ヤギュー先輩が嫌そうに見ている。
でもそんな事はお構いなし!
可愛いは正義!綺麗は至上!両方持ったリア君は天使!
あのゴッツイ寮監がリア君を召喚精霊と間違えたのも、頷ける話だね。
「あ~!もうどうしよう?!…あっ、そうだ!この前買って来たフルーツキャンディを、こうやって…」
この前ルブランの街へ行った時に買った、円い宝石の様なキャンディを小さな籠に入れて…うん、完成。
…可愛いリア君は喜んでくれるかな?
◇Side:フィランド・イプサム
「可愛い声で『あり、がと』だって、あ~も~!リア君超、可愛いかった~。ライナー君の切れ長でキツイ眼差しもサイコ~!」
「…。」
「…。」
「おい、カルラ、…コイツは何でこんなに気持ち悪くなってる?」
夏休み後半を実家で過ごした俺、フィランド・イプサムを迎えたのは気色悪く顔面崩壊したルシェ(ルマーシェ)だ。
細身で美しいと評するに値する顔立ちではあるが、185cmもあるデカい男がくねくねと本当に気色悪い。
リースウェイ出身で、お国柄か元々社交的で破天荒な性格ではあるが、ここまで崩壊した所は初めて見た。
俺と違って学校に残っていたカルラなら事情を知っているだろうと尋ねる。
ちなみにカルラは俺の1コ上で母方の従兄に当たる。
古民族の流れを汲んでおり、髪も瞳も珍しい漆黒だ。
「…ルシェ曰く、非の打ち所のない芸術品をセットで見つけたそうだ。」
「…また、か…。」
「今度のはホンモノだそうだ。…確かに学園中で噂にはなっている。」
「噂?」
「ああ。凄い美形兄弟が編入して来たと。特に弟の方が凄いらしい。…俺も暫くこの部屋(生徒会室)から出てないから見た事も無いが、2人とも召喚クラスと聞いているから、その内会えるだろう…。」
…ハッキリ言って正直、俺にとってそんな事はどうでも良い。
だが唯でさえ忙しいこの年度初めに、この状態でいてもらっては困る。
さて、どうするか…。
◇Side:カルラ・ヤギュー
2人には言っていないが、クランツ兄弟の事に関しては、実は理事長から直々に気にかけてやって欲しいと依頼を受けていた。
生徒会の仕事が忙しくまだ一度も顔を合わせてはいないが、噂等は生徒会総務達がしていたのを聞き、知っていた。
曰く、兄のライナーは190cm以上の長身に、黒髪で青の瞳。
硬質で端正な顔立ち。
いつも鋭い目つきをしているが、弟にだけ見せる、蕩けるような優しい眼差しが、“たまらない”そうだ。
弟のリアは、非常に人見知りが激しく、いつも兄にベッタリくっついており、しっかり顔を見る事が出来たのは、2人の入寮時にたまたま傍に居た生徒のみとの話だが、非の打ち所がない完璧なお人形のようだったと噂されている。
…しかし、15歳にもなって兄にベッタリというのはどうなのだ?というのが、私の正直な意見だ。
いずれにしても、同じ召喚クラス。
近いうちに必ず会う事になる。
まずはどういう人間なのか、よく観察し、私が目を掛ける程の人間なのか見極めさせてもらおう。
~生徒会役員達~ END
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