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第4章ー26 初めての授業-2 ◇担任達
朝のリアを堪能したライナーは、その後リアの着替えを手伝ってやり、その長い髪は上部を編み込み、下部を後ろで1本の三つ編みにまとめてやった。
リアにかかるストレスを少しでも減らすため、今朝はダイニングへは行かず、代わりに7時過ぎには寮を出て森の散策路に入り、学校まで20分の距離を、リアを遊ばせながら1時間ほどかけてゆっくりと歩く事にした。
寮を出た時はライナーに抱かれ、メイテ会心作のストールをしていても、緊張の為に体を固くしていたリアだが、今はご機嫌で森の小道を歩いている。
もちろんリアの小さな右手はライナーの左手としっかり繋がれており、リアの左側には体長120cm程に擬態したペガサスが歩いている。
体長約60cm程のケット・シーは、ライナーの左肩の上だ。
途中ライムの木の精霊が、冷たい湧水と、蜂の精霊から分けてもらったという蜜と、自身のライムの実を絞った蜂蜜ライム水を、大きな葉っぱのコップに淹れて飲ませてくれた。
リアは大喜びで、お礼として精霊達に可愛い歌をプレゼントした。
優しく透き通った声でそうとは気付かず、言霊となって紡がれる至上の音楽に、小さな森にはユグが溢れ、木々や草花を包み精霊達を癒した。
AM8:00
朝のお散歩をご機嫌で終えたリアは、今はまたライナーの腕に抱かれ、職員室に来ていた。
2人の前には2人の教師が立っている。
「改めて、カルフィール魔法学校へようこそ。リア君の担任になるマーク・ハプソンです。教科担当は魔術基礎Ⅰ・Ⅱ(魔基Ⅰ・Ⅱ)。これからよろしくね。…で、こちらがライナー君の担任になるミルアム・ロダ先生です。」
今年で27歳になったマーク・ハプソンは、ここの理事長の息子で金髪に優しそうなブラウンの瞳、見るからに好青年といった感じの人物であり、リアとライナーの事情を知る数少ない者の一人だ。
「ライナー君。ミルアム・ロダだ。よろしく。…寮では愚弟が失礼をした。すまない。」
そう言って軽く目を伏せたミルアム・ロダは、今年37歳になるベテラン教師で、寮監のハーディ・ロダの兄でもある。
教科担当は魔装具基礎Ⅰ・Ⅱ(魔装Ⅰ・Ⅱ)だ。
取り敢えずの挨拶が終わった所で、それぞれの教室に移動する。
…と言っても4クラスしかない召喚クラスは同じフロアに4つ並んでいる為、向かう方向は同じである。
故にリアはまだライナーの腕の中だ。
ライナーは教室へ向かう中、先程までの上機嫌から一転、ほとんど喋らなくなってしまったリアを、優しく励まし米神に口付け、また励まして口付けする…を繰り返している。
それを隣で見ている大人二人は微妙な顔だ。
百聞は一見に如かず。
ライナーの弟に対する溺愛振りや、愛らしすぎるリアの容姿等は学校中で噂になっていたが、実際目にしたのは今日が初めての教師たちである。
この先、この兄弟に振り回される未来を何となく想像して、そっとため息をついた2人であった。
初めての授業 2 ◇担任達
END
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