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第4章ー41 クランツ兄弟-3
再び寮の自室に戻って来たリア達。
ライナーは、リビングに同室者達の気配が無いのを確認して、一先ず安心した。
「…取り敢えずは着替えだな。…エスティ、頼む。」
『にゃあ。はいニャ!』
元気に返事をしたエスポワールがその長い尻尾を左右にフリフリ、とすると、リアとライナーの制服のボタンが外れた。
「エスティ、…ありがと。」
正直なところ、これ位の魔術ならばペガサスはもちろんライナーにも使える。
しかしこれは、まだ子猫の為、あまりリアの役に立てていない事にしょんぼりしていたエスポワールの為、ライナーが考えた彼の大切な役目となっている。
今もリアに頭を撫でられながらお礼を言われ、とても嬉しそうだ。
微笑ましい光景を見ながら、ライナーは自身の着替えをパパッと済ませると、リアの着替えを出す。
今日はケット・シーをイメージした、濃いピンクの薄手生地に猫耳フードが付いた長袖カットと、濃いピンクと薄いピンクのボーダー柄のかぼちゃパンツを選んだ。
これはマルシエを出る前にも1度試着した事のあるセットで、エスティとお揃いになれたと言って、リアもとても喜んでいた。
もちろん可愛いリアの愛らしさを最大限に満喫でき、家族達にも大好評でメイテ姉もご満悦だった。
この変身シリーズは他にもペガサス、ルー・ガルー、うさぎ、くま等、数種類あるので、着せるのが楽しみだ。
ライナーが可愛いリアに思いを馳せている間に、制服をすっかり脱いで羊のアップリケパンツ1枚になったリアが、後ろからタックルするようにライナーの腰にぴと、と抱き着いた。
「うをっ?!」
驚いたライナーが腰を捻るようにして、後ろにぴったりくっついているリアを見ると、嬉しそうにキラキラした瞳でライナーが手にしている服を見ていた。
可愛いパンツ1枚で無邪気にニコニコしているリアは本当に愛らしい。
このままぺろりと食べてしまいたい位だ。
このままくっ付かれていては色々拙いと判断したライナーは、自身の腰に抱き着いているリアの白く細い手をそっと外して振り返った。
「リア、今日はコレな。」
「は~い! リア、エスティ、きる~!」
にこにこ元気に返事をしたリアの頭を撫でてやり、ライナーはまずは猫耳フードのカットを着せてやる。
ピンクボーダーのカボチャパンツを穿かせてやると、待っていたようにケット・シーがリアに飛びついた。
「にゃあ! リア、エスティと一緒ニャ!」
胸に抱きしめたエスティの頭に頬ずりするリアと、ゴロゴロと甘えた声を出して気持ち良さそうに目を細めているエスティ。
何より、猫耳フードのカットは丈が短めに作られている為、リアの動きに合せて時々チラチラ見える可愛いおへそがまた堪らなく魅力的だ。
子猫が2匹、きゃっきゃっと戯れている様子は、文句なく可愛い。
クールに見せたいライナーが思わずデレッとしてしまう攻撃力がある。
そしてその攻撃力は上位聖獣にも有効なようだ。
『何と愛らしいのでしょう!流石は我が主です!…何をしているのです、イプピアーラの子。早く記録玉をお出しなさい!』
最近何だか色々崩壊しているように感じるペガサスに、ライナーは是非とも初めて会った頃の、理知的で上位聖獣然とした姿を思い出してほしいと思っている。
しかしリアとエスティの可愛い姿を撮る事には賛成の為、ここは大人しくペガサスの指示に従い記録玉に魔力を注ぐのだった。
クランツ兄弟-3 END
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