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33.その後・信一
「だから何もしない方が良いって言ってたでしょぉ」
ただ今説教タイムである。誰が誰を説教してるかって? ケンスケさんとカイトさん――主にカイトさんだな――がオレを説教してるの。つまり今のオレはふたりに怒られてるってワケ。
「ちゃんと聞いてるっ?」
「ハイッ、全くもって申し訳ありません!」
営業って仕事だからさ、取引先に謝ったりってのはよくあることで、他人よりは謝り慣れてると思うんだ。でもこの場合はそんなもんじゃない、本気の本気で誠意を込めて平謝りだ。
珍しくケンスケさんから連絡があって自宅に呼ばれたんだ。オレの方から連絡して行くことはあっても、呼ばれるのは多分初めてだと思う。既にイベントがあるのが分かってて、それで呼ばれるってのはあったけどね。でも今回のように、何の予定も無く突然平日に呼ばれるのは初めて。しかも何が何でも絶対来てくれってのはね。このふたりとはオレよりも智の方が仲が良いから尚更だ。
玄関でケンスケさんとカイトさんに迎えられたときから雲行きが怪しかった。ケンスケさんは平常心なんだけど、カイトさんからオレの方へ流れてくる空気がちとヤバイっつうか……。この時点でオレは来たことを後悔したね。まだ何も始まってないけど、オレにとってヤバイことがおきそうな予感がヒシヒシとしたんだもん。
そしてカイトさんから語られた驚愕の事実。オーマイガーッ! ガッテム! えーっとあと何があったっけ? まあそれはどうでも良いんだけど……。
まさか智と亮介がこじれにこじれて絶縁状態だって思うワケないじゃん。しかもオレがあいつらの前でふたりの気持ちを暴露した直後からだよ。なんで?
普通さ、お互い好きってのを知ったら喜ぶんじゃないの? オレだったら喜ぶぜ。でもってくっついて即イチャイチャしちゃうけど……。なのにアイツらは違ったらしい。まったくもって単純明快なオレには理解不能だ。こじれる理由が全く思い浮かばん。
「あのふたりはさぁ、もっと時間かけなきゃダメなんだよ。再会してからふたりっきりで会ったのってまだ2回だったんでしょ? もぉ~それじゃあ足りないよ。特に智ちゃんはさぁ、まだ戸惑ってたと思うし。自分の気持ちを抑えるのに慣れちゃってて、そこからまだ抜け出せてないんだもん」
そ、そんな風に考えたことは無かった……。人の気持ちってそんなに奥が深いのか? オレには全く分からないんだけど、なんでこのふたりは理解できるんだろ?
「タケルの件は知らなかったな。まあだから早くふたりがくっついて欲しいって気持ちは分かった」
「そこは理解できるけどさぁ、でもやり方が強引だよ。あっでも、タケルのフォローをコウちゃんにお願いしたのは正解だと思うよぉ。信一くんだとムリっしょ」
一瞬褒められたと思ったが、直後落とされた。あーあ、どうせオレにはムリですよー。それが分かってるからコウにお願いしたんじゃん。
「あれっ、なんか反論ある?」
「全くありません。全てオレが悪いっす」
こうなったらもう、とことん説教受けてやろうじゃないか。開き直りだ。
「信一くんて今彼女いるんだっけ?」
「あっハイ」
「じゃあ男友達より彼女優先だな」
「えーと……」
「嗚呼そーゆうことねぇ。いろいろ面倒になったんだ。そりゃあ友達より彼女だよねぇ」
「…………」
全くもって反論できません。大量の冷や汗かいちゃったよ、マジで。
お説教の後のペナルティはかなり痛かった。まぁお灸をすえられたってことだ。それについてはここでは語りたくないな。あ~あ、オレはあのふたりの金で豪遊する予定だったんだけどなぁ……。そんなのを願ったバチがあたったのか。世の中ってホントままならないもんなんだな。嗚呼泣きたい、いや泣いていい?
「信一クンどうしたの? なんか落ち込んでるように見えるよぉ」
「そっ、落ち込んでるの。ちょっとあってね、怒られちゃった」
「仕事?」
「プライベートの方かな。だから癒してくれる?」
そう言ってオレは及川ちゃんに圧し掛かった。やっぱおっぱいって最高だよな。柔らかくてぷっくりしてて、嗚呼癒される。超久しぶりの彼女だけど、おっぱいの感触を知っちゃうと、男より女の方が良いかなって思っちゃう。
でも男には男の良さがあって……。
及川ちゃん、アナルセックス許してくれるかな? 女の子でおっぱいがあってアナルセックスも許してくれたらオレ、もう男に行かないような気がするんだなよな。アナルが使えたらさ、男と違って入れる穴が2つあるから2倍楽しめるじゃん。ダメかな? うん、ちょっとお願いしてみよっか。
「ねぇ及川ちゃん、お願いがあるんだけど……」
及川ちゃんを1回イカせてトロンとなったところで、オレは彼女へのお願いを囁いていた。
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