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48.未来を……・智⑤

 大晦日の夜はふたりでまったりすごした。晩御飯は昨日オレが持ってきたカイトさん特製おかずだ。今日の分には軽く焼いたミニピザが入ってて、オーブントースターで温め直して熱々のをいただいた。明日以降の分はおせちとかお餅があるから、残った分は冷凍だ。おせちに飽きたらこっちのおかずを食べようって話しながら。  年が明ける少し前から鐘の音が聞こえてきた。どうやら近所にお寺があるみたいだ。一度も経験ないけど、鐘撞きとかやってみたいとふと思った。 「あけましておめでとう。これからヨロシク」 「あけましておめでとう。こちらこそ、これからずーっとヨロシク」  お互いそう言い合ってキスをした。本当だ、亮介の言う通りこれからずーっとヨロシクになって欲しいと思った。と言うか、そうしようと思う。 「ベッドへ行こうか」  長い長いキスが終わった後亮介がそう言った。頷くオレ。オレも亮介が欲しい、亮介を感じたい。そう思いつつ戸惑いもあるんだ。今のオレは亮介と一緒に暮らしてた頃とは違うから……。 「亮介、あの……」  寝室に着いてからオレは口を開いたんだけど、それ以降の言葉が続かなかった。どうすれば良い? なんと言えば良い? それとも言わない方が良いのか? 「何も言わなくて良いよ。オレたちが別れてた間のことはノーカウントだ」 「えっ?」 「お互いもう二度と会えないって思ってたんだからさ。だからまあ、いろいろあって当然なんだ。でもそれは聞きたいと思わないし、オレ自身のことも言いたいと思わない。だからノーカウント」 「……うん」  やっぱり亮介は優しい。その優しさが嬉しくて涙が出そうになる。 「智?」 「……うん」 「愛してる。昔も今もこれからもずっと。もう二度と離したくないし離さないから。これから先は誰にも邪魔させないから」  そう言って亮介が口付けてきた。亮介の舌がオレの口の中の気持ち良いところを刺激する。それだけでもうオレは蕩けてしまいそうになる。オレの舌は必死に亮介を追いかけて、もっともっとと強請ってしまうんだ。絡み合う舌が気持ち良い……。 「んっ、あっ、ぁあ、はぁぁ、んぁぁぁ……」  亮介の指が舌が唇が、オレの首筋を鎖骨を滑っていく。熱を持ったそれがオレに触れる度、中心から全身に快感が広がる。好きなヤツに触れられて、いつも以上に快感を拾ってしまう。オレの中心に血が集まって今にも破裂しそうだ。  亮介の舌がオレの乳首に触れたとき、その先にある刺激への期待だけで達しそうになってしまった。それと同時に身体の奥が疼く。触れて擦って刺激して欲しくて、その期待だけでひくついているようなカンジだ。 「亮介っ、オレも、オレもしてあげたい」  オレばかり感じさせられるのがイヤで、そう強請った。  仰向けになった亮介に跨って、シックスナインの形で亮介のモノを嘗めしゃぶった。熱くて硬くて大きいそれを口いっぱいに頬張りながら舌を這わせていく。オレの口淫にピクピクと感じてるソレが愛しい。先走りの少ししょっぱいその味が甘露のように感じられて、もっと欲しいとばかりに鈴口を啜ってしまう。亮介のモノをしゃぶりながら、オレの手はその後ろにある袋を優しく揉んでいた。  亮介はオレのモノをしゃぶりながら、オレの後ろを解していた。ローションを纏った指がオレの中へ入ってくる……。その刺激だけでこれから先の予感に入り口がひくつく。亮介の口の中にいるソレから先走りが溢れてしまう。 「ああっ、亮介っ、そんなにしたらオレッ、んぁっ、イっちゃう」 「いいよ、イって」  亮介の指がオレの中の良いところを刺激して、その刺激にイキそうになる。口で舌で指でもっと亮介を味わいたいのに、感じてしまってそれもままならない。亮介の指はゆっくりと、でも確実にオレを煽っていった。  ダメだ、もうイク――ッ  達した余韻でボーっとしてるうちに何時の間にか体勢が入れ替わってて、気がついたらオレは再び亮介に組み敷かれていた。 「亮介……」  オレを見つめる亮介の目がとても優しかった。オレは自然と亮介の首に腕を回しキスを強請っていた。舌を絡めたとき独特の味がして、きっとそれはオレの出したものの味なんだろうけど、その苦手な味も気にならないくらいキスに没頭してしまった。  再び亮介の唇がオレの胸をとらえたとき、再び熱を持った中心から雫が零れた。急速に高まっていく射精感。  胸は……、大学時代に亮介に開発された。胸だけでイクって女みたいで最初はイヤだったんだけど、亮介はものすごく喜んでて、そのうちにオレも絆されてしまったんだ。胸の刺激に感じつつ、ふとそんなことが頭に浮かんでいた。 「ヤだから、オレだけイクのヤだから、亮介、お願っ、欲しっ」  内側で亮介を感じたくて、イキそうになるのを必死にガマンして、そうお願いした。イクなら亮介を身体で感じながらがイキたい。 「いいの、智?」 「うん、欲しい、オレ亮介が欲しいよ」  オレの脚を肩にかけて、それから亮介がゆっくりと中に入ってきた。少しずつ入ってくるソレに、徐々にオレ自身が満たされていくような気がした。身体よりも心が感じて、何だろう?、無くした半身がやっと戻ってきたようなカンジだ。そんなワケ無いんだろうけど、でももしかしたらそうなのかもしれない。最後まで入ったとき、オレの目から涙が零れた。 「やっと智とひとつになれた」 「オレも。亮介と繋がって嬉しい」  身も心も満たされるって、きっとこんなことを言うんだと思う。ふたり繋がったままキスをして、そんなことを思った。

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