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第3話

「そういえばさ、ヒロは満たされてる?」 「は?」 「いやー。僕が満足出来るまでヒロは付き合ってくれるじゃん? おかげで僕はさ、結構満足してるんだけど、ヒロはどうなのかなーって」 俺の性欲は満足のその先にいる。とっくに満たされてて、その上で得る快感を知ってしまった。 「セックスは満足してるよ」 「セックスはって。何が不満なのさ」 「態度」 「ひどーい。甘〜いピロートークがお好みなの? でもヒロは疲れてすぐ寝ちゃうじゃん」 「そこじゃねーよ」 そこじゃないんだよ。ピロートークでも前戯でもない。 「じゃあ僕の何がお望みなのさ」 マモルに愛されたい。友達じゃなくて恋人みたいに愛されたい。俺はマモルのことを愛している。 でも愛してるって言えないチキンの俺だから、愛して欲しいなんて言えなかった。 マモルは性行為を楽しみ、愛している。 相手を尊重するし、無理強いはしない。ヒロが嫌がるプレイもしないし、ヒロもマモルが嫌がることをしなかった。 順調すぎるくらいに二人の関係は良好だった。 ヒロが雑誌を買ってくるまでは。

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