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第3話

「キリン、大丈夫だよ。こいつは…… 触ったりはしねぇやつだから」 俺を守ろうとするキリンの気持ちはありがたいけど、そろそろただの視姦オナニーにも飽きてきた。 金色の頭を撫でてやると、キリンは淫乱な俺を責めるみたいに乳首を甘噛みした。 「いってぇ…… っ!」 抗議しても、キリンは涼しい顔だ。でもピンと立てた耳と尻尾の動きで、幽霊のやつへの警戒を怠っていないのはわかる。 全く、有能なボディガードだぜ…… 俺がその小さなSPから目を上げると、男はベッドのすぐそばまで来てた。手を伸ばせば、触れられそうな距離。実体があれば、の話だけど。 『…… ネコなのか?』 低い声が、鼓膜というより脳に聞こえた。聞き覚えのない男の声。顔をあげると、幽霊のやつとばっちり目が合った。 「あんた、喋れんだ…… ネコって、俺?それとも、こいつ?」 俺がそう聞いたら、男はフッと笑った。 あ、結構、いいかも。好きな顔かも…… そう思ったのがバレたのか、乳首に鋭い痛みが走る。 「い゛…… っ!ちょ、キリンやめろって!…… あ、俺が、ネコなのは見りゃわかんだろ?こいつは、見た目はキリンだけど、実は猫なんだ」 『待て、話をややこしくするな。その毛玉が猫なのは見りゃわかる。おまえはネコなのかって聞いてるんだ』 「だからそりゃあ、見てわかんだろ?タチがアナニーするかよ?」 いや、するかもしれないけど。 でもあんましないだろ。 しかも人(幽霊)前で。 「俺は幼気(いたいけ)な7歳のときからネコですが?」 『……何か複雑な家庭の事情でもあるのか?』 「そんなもんねぇよ。言っとくけど、初めて掘られたのは18だからな?それまでは、そっちだって自覚してただけの話。つうかあんたこそ、タチなのかよ?」 返事もしないで、そいつはニヤッと笑った。 まぁ、タチだろうなこの顔は。しかも悪いヤツだ。 男でも女でも、据え膳あれば食っちゃう顔だよな…… 『手がお留守になってるぞ?もっとちゃんと動かせよ』 ニヤついた男に、いい声でそう言われて、腰のあたりがぞわりとした。 濡れたディルドを動かすと、中に入れたローションがジュプジュプと音を立てる。入り口も、奥も、前立腺も、擦ると体が震えるくらい気持ちがいい。 「ふ…… あぁ…… 」 指のはらで潰すように、乳首を弄る。その刺激が電気信号みたいにピリピリ下腹に伝わって、ちんこを揺らした。 『淫乱なネコだな。触ってもいないのに、そんなに勃てて』 すぐそばに、男の胸がある。気まぐれに手を伸ばしたら、虚しく空を切って透けたその胸板を通過した。 『男が欲しいのか…… ?』 からかうように笑みを帯びた声は、すぐそこにいるみたいに響いてくるのに。 「欲しいよ…… 挿れてほしい。…… もうずっと、2年も、一人プレイだからな…… 」 素直に認めると、胸の上でキリンが「ナ〜〜オ」と鳴いた。 『初めておまえを抱いたのは、どんな男だ?』 「はは、あんたそういうの聞きたいタイプ?…… そうだなぁ、バカなやつ、だったかな。まぁ、好きだったからさ、痛くても、嬉しかったよ…… 」 『で、捨てられたのか、おまえは』 「そうだよ。置いて逝かれたからな。捨てられたのと同じ…… い゛…… っ!てぇなキリン!マジで痛えから噛むなって!」 金色の頭を押したら、前歯に挟まれたままの乳首が引っ張られて結局自分が痛かった。額の皮が伸びてマヌケな顔になったキリンがブサかわだったから、許してやることにする。

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