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語り)鞭打ちについて言及したい
「鞭打ちっていいよな。」
「何言ってんだ。」
馬場が呟いた言葉に六条はひいた。
可憐にひいた。
単純にひいた。
友達やめようかと一瞬思った。
「いや、あれだよ!BLだよ!」
「知ってるけど、それでもひくぞ、それ。」
「いや、昨日俺、アニメ見てたんだよ。」
「聞いてないけど。」
「それでな、鞭打ちのシーンがあってな。」
「話すんだ。」
「いや、鞭打ちされながらのタチバックっていいなって思って。」
「やっぱりひいた。」
馬場は昨日、最近流行っているアニメを見ていた。その一部の回想シーンで鞭打ちのシーンがあり、興奮したらしい。
「いや、ほら、あるじゃん!くっ殺系で、よくさ。鎖に繋がれた主人公。腕を鎖で繋がれてさ、腕がこう上がる状態になってて。後ろから鞭打ちされるやつ。」
「調教系でもあるな。」
「そうそう。それでさ、バックで犯されるの。そのアニメの何がいいって、上半身裸なの。キャラクターが。んで、鞭打ちしてたキャラが言うんだ。お前を汚してやるってさ。うはー、これやるじゃん。完全にヤっちゃう奴じゃん。きゃー!」
「でも、実際ヤってるわけじゃないんだろ?」
「いや、まぁ?少年漫画だし。」
腐男女子あるある。
全く関係ないシーンでBLを想像する。
よく想像するシーンとして、お互い裸だったり、顔を近づけたり、「お前を守る」的な言葉を吐いたときにある。
日常生活の小さなやり取りでも妄想する為注意が必要だ。
「この前も好きなアプリゲームで所謂ショタがさぁ、囚われの姫してたからやってらんないよな。」
「囚われの姫…?なんだそれ。」
「公式なのに囚われの姫で売り出してる時点でもう狙ってるよな。モ○レ確定だよなー。鎖で繋がれて、女の子座りだぞ?ワンピースの中身わんちゃん見えそうなところが鼻血もんだよな。」
「お前、今日おかしくね?大丈夫か?熱か?」
「いや、昨日の興奮が抑えられなくてさ。」
腐男女子あるある。
基本的に夜になって、暫くBL談義しているとだんだんと内容が過激化する。
最悪、内緒で見ている人には言えないサイトを言い合っている。因みにその半数はお互い知っているサイトの為、頭がおかしい。
因みに今は夜中の12時である。
ちょうどいろいろと高まる時間帯。
「悪役に捕まった主人公が、鎖で繋がれて、挙句鞭打ちされながらの、バックハメ。ああ、いいな。これ。」
「いや、それなら媚薬飲まされて、×××されて、その挙句×××られるのもまた一興だろ。」
一人が言い出すとだんだんともう片方も大胆になっていくのもお約束である。
しかしながら、普通の男女もこんなもんである。
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