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第12話

それから開かれた合同会議では、お兄ちゃんはずっと和田といるし、俺は遠慮して声をかけられないしで、寂しかった。 くっそ! なんで、俺は遠慮なんてしてんだよ。 好きだと気づいてから、臆病になっている気がする。 「それでは、会議を終わります。明日から2日間しっかりと文化祭を盛り上げ、また成功させましょう。明日からの動きは各自しっかりと、確認しておいてください」 「「はい!!」」 会議が終わり、これで最後だからか俺の周りに人だかりができる。 その間に、お兄ちゃんと和田は帰ってしまった。 ……まだ、間に合う。 「ごめん、俺はもう帰るから!分からないことがあれば連絡してくれ!」 鞄をひっつかんで駆け出した。 「お兄ちゃん!」 校舎内で見つけ、安堵する。 「こなつ!?…どうしたの?」 「明日!一緒に文化祭まわれない!?」 「えーと」 お兄ちゃんはちらっと和田を見る。 「僕はクラスの友達とまわるので、大丈夫ですよ!先輩はこなつ様と楽しんできてください!」 心の中でそっとありがとうとつぶやく。 「それなら……うん、一緒にまわろっか」 「…っ……やったぁ!!」

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