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第14話
俺の手の甲にひとつキスを落として、こなつはさっと立ちあがった。
「お兄ちゃん、行こう」
口調はいつも通りに戻ったけれど、手は離してくれなくて繋いだまま。
妙に恥ずかしい。
会議室から、一歩外に出ればにぎやかな声があちらこちらから飛び交った。
「お兄ちゃん、何が食べたい?やりたい?」
「こなつがしたいこと」
「えー、じゃあ、とりあえず食べ物いっぱい買って、外のベンチいこ!」
こなつの目に止まったものを適当に選び、ベンチまでたどり着いた。
人がごった返す校内から一歩出ると、ほとんど人はいなかった。
「うん!おいしい!」
「そうだね」
たこ焼きを2人一緒に頬張る。
熱々ではふはふしながら食べていると、急にこなつの顔が近づいてきた。
すぐに頬に暖かい感覚。
「ふぇっ!?な、なにっ?」
「ソース。ほっぺについてた」
そう言って、上唇を舐めるこなつに危うく引き込まれそうになった。
「も、もう……言ってよ……」
「ん〜、このくらい普通だって」
普通って……
こんなの、しないよね……?
普通になるくらい、女の子と遊んでるとか……?
「とにかく!次からは言ってね?」
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