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第15話

文化祭当日。 鞄を置きに教室へよったら、男子は執事服に着替えていた。 色々調整をしていると届くのが遅くなったらしく、今日初めて腕を通す。 いつもは従える立場だから、こういう服は初めて着た。 あらかじめ、俺は宣伝係になっていたので、速攻教室を出る。 待ち合わせ場所のドアを開けると、既にお兄ちゃんがいた。 まだ、20分前なのに。 「お兄ちゃん!ごめんね、まった?」 「ううん、待ってないよ」 待ってないよってなんかデートみたい。 「それより、その服装でまわるの……?」 「俺のクラス執事喫茶するらしくて、その宣伝。………………では、参りましょうか、ご主人様?」 跪いて、お兄ちゃんの手を取る。 びっくりした顔が、だんだん真っ赤になっていくのが面白い。 「…もう、ふざけてないで、いくよ?」 「照れた顔も可愛いですね?」 「執事も、弟もそんな事言わないし……」 「ふふ、可愛いのはほんとだよ」

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