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第24話
「やばくない!?」
「やばい」
1番やばいのは、こなつが朝帰り……夜帰り?したってこと。
俺は別に何とも思われないけど、こなつはどうなるか分からない。
少なくとも、俺とはもう会えないようになるだろう。
「俺が、説得しとくよ。こなつは、何も心配しなくていいから」
「でも、それじゃお兄ちゃんが……」
「大丈夫、大丈夫。αがΩと関わりたくないってのは知ってるでしょ?お父さんもお母さんもαだから。お兄ちゃんがでてから、1時間後に帰ってきな?」
返事を聞かないように、バタンとドアを閉め家へと向かった。
俺が帰ってきても、家の中は何一つ変わらない。
まるで、俺は居ないんじゃないかと思うくらい。
大きく深呼吸をしてから、お父さんの部屋のドアをノックする。
「入りなさい」
「……失礼します」
「昨夜からこなつを、捜索している。お前もいなかったから、一緒にいるだろうとは思っていたが」
低く感情を持っていないかのような声に、足が竦む。
「はい。……発情期をおこしてしまい、こなつと」
「そうか。……高校を卒業してからと考えていたが、お前とは早々に縁を切りたい。こなつのお前に対する執着心は後々厄介になる」
「そのつもりで来ました」
「新しい高校は既に見つけてある、少し遠いが。明日、執事をお前の部屋に向かわせる。それについていけ。
こなつとはもう顔を合わせないようにしてくれ」
話は終わりだとでも言うように、お父さんは俺に背を向ける。
失礼しますと呟き、俺も部屋を出た。
自分の部屋の床に寝そべる。
最後まで、俺を愛してもらうことは出来なかった。
縁を切りたい、厄介。
わかっていたことでも、面と向かって言われるとグサッとくる。
「よしっ」
早く家を出よう。
高校を用意してもらったけど、もう疲れてしまった。
まずは、連絡先を消した。
......さきのだけはどうしても消せなかったけど。
リュックに最低限の衣類と財布、それからポケットにスマホを入れてこっそり家から抜け出した。
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