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第27話
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「黒川さん!こっちパン焼けましたー」
「ありがとうございます。……せつなくん、顔色がひどいですね…?休んで来てください」
「え!?大丈夫ですよ?」
「いいえ、だめです。拗らせて酷くなったら大変ですから」
黒川さんに背中を押され、二階の俺用にもらった部屋に向かった。
動いていると分からなかったけど、休んでいるとお腹が痛いような気がする。
一度気になりだすと、どんどん痛みは増していった。
「せつなくん。おかゆを持ってきましたが、食べれますか?」
いつの間にか眠っていたようで、時計を見ると6時だった。
店に戻れなかった……
申し訳ない…
「今行きます!」
ドアを開け、食卓に向かおうとすると、ぴたっとおでこに手を開けられた。
「微熱ですね……。っ!少しよろしいですか?」
何だろうと思っていると、するりとお腹を撫でられる。
「!?」
「せつなくん、病院に行きますよ」
あれよあれよというまに、車に乗せられ、黒川さんと病院に向かうことになった。
お腹にしこりでもあったのだろうか。
黒川さんは聞いても、何も答えてくれなかった。
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