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7-うん、すごく上手

「ゴローくん、オレにふれられるのイヤ?」 「イヤ……ではないです。でも、ムズムズビクビクして我慢できません」 「ねえ、オレのことが嫌いじゃないなら、こっちに戻ってきてよ」 ちょんちょんと指で頬をつついた。 「ハクトさんは嫌いじゃないです。……戻ったら、もうくすぐりませんか?」 え……ゴローくんはくすぐられてると思ってたのか。 「わかった。お腹をくすぐるのはもうやめる。だから、ほら、おいで」 パッと手を大きく広げたオレに、ゴローくんが目を見開く。 あ……引かれたか……? しかし、予想に反して、ゴローくんはなんとも嬉しそうな顔でオレの胸にぎゅっと抱きついてきた。 「ゴローくん?」 「はい?」 名前を呼ぶと、抱きついたまま見上げてくる。 ああ……ダメだ……これは……ダメだ。 「……ゴローくん……可愛い……」 「え……?」 「可愛い、ゴローくん」 ぎゅっと力任せに抱きしめる。すると、 うくっと小さくうめき声が上がった。 それでもゴローくんは抵抗することなく、オレの肩に頬を寄せている。 「オレ、酒臭い?」 そう聞くと、ゴローくんがクンクンとオレを嗅いだ。 「はい。酒臭いです」 真顔ででちょっと顔をしかめながら、またポテンとオレの肩に頬を寄せた。 背中を優しくなでていた手がつるりとした尻の丸みに伸び、ムニムニと掴み揉んでも、なんの警戒感も抱かない。 きっと、ゴローくんは部分記憶喪失など関係なく、今まで一度もこういった経験がないんだろう。 そして、多分オレから漂う酒の匂いだけでほんの少し酔っちゃってる。 これ以上はマズイよな……。 うん、ピュアなゴローくんにこれ以上はマズイ……。 わかってはいるんだけどな……。 酒ですっかり理性との連携を失ったオレの指は、硬くなったゴローくんのモノからあふれ続ける雫を絡めとり、おそらく無垢であろうすぼまりに侵入していた。 「ぇ……?ハクトさん?」 「いいから、じっとしていて」 「ぅ……はい」 「痛い?」 「大丈夫です」 「じゃあ、指を二本にするからできるだけココの力を抜いて」 「はい」 一度抜いて、ゴローくんのモノから溢れる透明の液を指から垂れるほどかき集める。 指を開くとそのたっぷりの液が二チャリと糸を引いた。 戸惑ってるのに、体はどんどん高まってしまうゴローくん……若いなぁ。 可愛らしさに頬を緩めながら、オレは再び無垢なすぼまりをかき分けるように、少しづつ二本の指を侵入させていった。 「痛い?」 「痛いとかゆいの間で、ピリピリします」 「そうか、ならまだ大丈夫かな」 経験上、そんなものはただの反射だとわかっているのに、酒で緩んだオレの頭は、まだ固いすぼまりが異物の侵入にギュッギュとうごめくのが、ゴローくんの歓迎の証のように感じられていた。 二本の指をクロスさせ、ゆっくりねじる……。 「っっっ………」 驚いたゴローくんがオレから体を離すようにクンと腰を引いた。 けど、それは逆効果だ。 後ろから侵入するオレの指は、より深くゴローくんの中に埋まった。 チュクン……チュクン……。 指をねじるたび、ゴローくんのすぼまりが己の垂らした雫で可愛らしい音を立てる。 「うぅ〜〜〜」 どうしていいかわからないらしいゴローくんが、困り顔でオレを見つめてきた。 その愛らしさにたまらなくなって、チュッとひたいにキスをする。 「っっ!」 ゴローくんが真っ赤になって視線を彷徨わせる。 「ハ、ハクトさん…ダメです。顔を近づけると唇がぶつかります。今のはおでこだから大丈夫ですけど……」 「そっか。なら、最初からおでこやほっぺたに唇をふれさせていれば、間違って唇同士がぶつかることはないよ?」 「ぁ……はい。そうですね」 「ほっぺたとおでこ、どっちがいい?」 「え……え……?もう一回、おでこ……がいいです」 目を見つめ、にっこり笑って、そっと抱き寄せおでこにキスをする。 するとゴローくんは口が半開きになったまま、オレを見る目もぽーっと焦点があわなくなってきた。 体を密着させたまま、さらに後ろに差し込んだ指をチュクンチュクンと回すと、押し出されるかのように、ゴローくんのモノが固さを増し、クンクンとオレの腰に擦り付けられる。 「これじゃ、ゴローくんの先走りでオレの服がぐしょぐしょになっちゃうね。オレも脱ぐから、ほんの少しだけ待っててくれる?」 頬を上気させ酔ったような目つきのゴローくんが、こくんと小さく頷いた。 すぐに服を脱いでベッドに座りなおし、寝転がったままのゴローくんに向け、両手を大きく広げる。 するとゴローくんはパッと起き上がって、ぴとん!とオレの胸に抱きついてきた。 はあ……。 いつもはクールなゴローくんが、親猫に甘える子猫のようだ。 すがってくる温もりに胸が震えた。 さっきと同じようにお尻に指を添えると、心得たように軽く腰を浮かせてくれる。 「ゴローくん、自分で腰を下ろしてオレの指を挿入()れられる?」 「わかりません。やってみます」 言われるまま腰を下ろすゴローくんに、アルコールで薄まっている良心が少しだけ痛んだ。 でも、それ以上に、オレの指を掴んで一生懸命尻にあてがう姿に愛おしさが溢れて……溢れて……。 「……はいった……けど……へん。ハクトさん………さっきより……お尻がジュンジュンして変な感じです」 まだ爪までしか入っていないにも拘らず、オレにしがみついて、ハッハッ……と小さく息を弾ませ、肩にほほを擦り付けてくる。 ゴローくんの尻に埋まった指をゆっくりねじってさらに埋めると、息を飲んで腰を跳ね上げた。 「くぅ……やっぱり変……。だめ、ハクトさん、これはダメです」 「ダメ?」 「はいっ……っっく……ダメっっ……です」 「気持ちよくない?オレにこうされるのイヤ?」 「気持ちいいかは、わ、わかりません。ビクビクします。そして、ハクトさんにされるのは、恥ずかしいけどイヤじゃないです。っっくぅ……でもダメです」 肩に擦り付けられるゴローくんの顔を起こすと、逆上せた頬はさらに紅潮し、切れ長の黒い目も涙がこぼれそうに潤んでいた。 はぁ……息を弾ませてるこの柔らかそうな唇にキスしたい。 でもキスはダメって言われてるからな。 乱れた長い前髪をかき分けてひたいにキスをすると、ぽろんと真珠のような涙が頬に乗った。 それをチュッと吸い取る。 「ゴローくんのお尻に指を挿入れるのがダメなら、ゴローくんがオレを気持ちよくしてくれる?」 「ご……ごめんなさい。どうすればいいか、わかりません」 「オレがふれたところで、ゴローくんが気持ちよかったところはどこ?」 ちょっと考え、ゴローくんはオレのひたいにチュッとキスをした。 そして、恥ずかしそうにオレの肩に顔を伏せる。 「そっか、ゴローくんはひたいへのキスが好きなのか」 無言でコクコクと頷くゴローくんをぎゅっと抱きしめた。 ああ、なんて可愛いんだろう。 でも、可愛すぎて、オレの興奮度は上がる一方だ。 ツンと上を向くゴローくんの硬いモノを腰骨で優しく擦り上げる。 「っっ……」 呼吸が荒くなるのを、ゴローくんが必死にこらえている。 けど、硬く熱いモノは、ゴローくんの意思とは無関係にビクビクと震え、温かくぬめる雫でオレの体を濡らし続けていた。 「ゴローくんもオレのコレ、さわって?」 意外に柔らかなゴローくんの手を取り、自分のモノに導くと、ゴローくんは躊躇しながらも手のひらで包んでくれた。 「こうやって、優しくこすってくれる?」 手を添え、上下させる。すると、ゴローくん自ら手を動かし始めた。 「うん上手」 「ほんと……ですか?僕、上手にできてます?」 「うん、すごく上手」 労うようにまたひたいにキスをすると、薄く微笑んだゴローくんの瞳がまるで酔ったようにフラフラと揺れ始めた。 「ゴローくんがさすってくれてるコレ、さっき指をいれてたところに挿れたい」 「え……?いれ……ます?」 「え、いいの?」 「あ……わかりません。……たぶん……ダメです」 すごくすごく小さな声で、拒絶されてしまった。

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