48 / 65
48-心の消毒だよ
「ゴローくん、もう一回確認。オレは絶対ゴローくんを嫌いにならない。だから当然ゴローくんを捨てたりしない。もうウチから逃げちゃダメだよ」
「はい。ハクトさんは僕を嫌いにならない。だから、もう逃げません」
ゴローくんがぎゅっとオレの手を握り返すと同時に、テシテシとこもった音が聞こえてきた。
あ、これ、シッポの音?今日はヒト用のぴったりしたボトムスだから、こんなモソモソしてるのか。
「ハクトさん、あの」
「うん、なに?」
ちょっと恥ずかしそうなこの声のトーンは、きっと『好きなこと報告』に違いない。
「僕……『嫌いにならない』って言ってもらえるの、とても嬉しいです」
「ええ?いつも大好きって言ってるのに」
「大好きも嬉しいです。でも、嫌いにならないって言われると、安心します」
ゴローくん、そんなに不安だったのか。
けど、きっともう大丈夫。
「ゴローくん……」
たまらなくいじらしくて、ぎゅっと抱きしめそのままベッドに転がった。
「ハクトさん……寝ますか?」
「え……う、うん」
「……寝るんですよね?どうして少し発情してます?」
「あー、んー、さっきゴローくん以外のヒトにエッチなことをされそうになったから、消毒……とか?」
「消毒?怪我してますか!? バイキンが入りましたか?」
ゴローくんがバッと飛び起き、オレのシャツをまくりあげる。
「血は出てません。どこか痛いですか?」
「ゴローくん、一緒にお風呂に入ろう。そこで消毒して?」
「は、はい!傷はキレイにした方がいいって聞きました」
バスタブに湯を張りながら、シャワーを浴び、互いの体を洗う。
ゴローくんはどこを怪我したのかと目を皿のようにして確認していた。
そうしているうちに、体に残っていたアルコールも、少し薄まってきた。
「どこを消毒すればいいですか?」
「まずはココ……それからココも。あのヒトがふれたとこ、全部ゴローくんが消毒して」
「消毒のお薬はどこですか?」
「ん?こういう場合の消毒はね、手や口でするんだ。見本見せてあげるね?」
濡れた体を引き寄せると、首筋に口付けそろりと舌でなぞった。
「ん……」
甘く息を漏らしたのを確認し、次は胸へ。
ゴローくんをバスタブのヘリに腰掛けさせると、手で大きくなぞりながら、まだ柔らかな胸の蕾を口に含んで舌で転がす。
「……コレ、本当に消毒ですか?ハクトさんがいつもしてくれることと同じです」
「心の消毒だよ。あのヒトにさわられた記憶が傷になって残ると嫌だろ?だからゴローくんにふれてもらって消毒するんだ」
唇はあばらをなぞって、引き締まった腹筋へ。
「ぁひっっ!」
へそをクルリとなぞると、ゴローくんが体を跳ねさせ浴槽の底に滑り落ちた。
まだそんなに湯は溜まっていないから溺れることはないだろう。
オレはシャワーを止めると、ゴローくんの足を掴んで開き、バスタブに引っ掛けた。
ああ、足を大きく開いてバスタブに沈む乱れ髪のゴローくん。
……なんとも扇情的だ。
そして毎度ながら秘所をしっかり覆ってガードするシッポが慎ましくも愛らしい。
「ココも……消毒……」
シッポをペロンとめくり、若々しい窄まりに舌を差し込む。
「う……ううーー」
うなり声と共にゴローくんの腰がヒクンヒクンと跳ね、舌を押し出すようにググッとソコに力がこもる。
「だめ、ゴローくん、力を抜いて」
「ハクトさん、こんなとこまでさわられたんですか!?」
「あー、まあ、ちょっとだけね」
ふっと力が抜けたゴローくんのお尻に、嬉々として顔を埋めた。
けど……。
あ、ゴローくんが、落ち込んでる。
「ゴ、ゴローくんが助けに来てくれたおかげで、ココはほんとに一瞬さわられただけで済んだんだよ?ありがとうね?」
「でも、もっと早かったら、さわられませんでした」
「う、うん。だから、消毒ね?」
「わかりました。僕、ハクトさんのメス穴、舐めます」
「う、ええぇ!? いや、いい!ゴローくんのココを舐めたらそれが消毒の代わりになるから!」
「でも、さわられたのはハクトさんのメス穴ですよね」
「いや、オレのは結局メス穴にならなかったというか……そう、心の消毒だから、オレの代わりにゴローくんのココを可愛がることで殺菌されるから……わかる?」
「わかりません」
「とにかく、ゴローくんがココで気持ちよくなって、アンアン言ってくれたら、オレの嫌な気分は消えるから。それが消毒だから」
「わからないけど、わかりました。心が消毒できるまで、僕のメス穴……な、舐めて……ください」
舐めてと言いながら、再びシッポがピッタリ張り付いた。
いつもクールな顔はしかめられ、そっぽを向いている。
おねだりするような言葉がそんなに恥ずかしかったのか。
あまりに可愛いので吸い付くように窄まりにキスをすると、小さな悲鳴とザブッという水音。
「ゴローくん、水深は浅くても暴れると溺れちゃうよ?」
「はい……ひうっ」
フチをクルリと円を描いて舐め、舌先を差し込むと、またギュッと窄まりに力がこもり、クククと腰が持ち上がっていく。
そして素早く抜き差しするように舌を動かすと、ゴローくんが息を飲んだ。
「ひうっ………あ、『あん、あん』」
え……?
犬の鳴き真似?
あ、オレが『アンアン言って』って言ったから!?
そうじゃないんだよゴローくん。
でも、可愛い……。
しつこいくらいに窄まりを舐め、舌先を挿し込んで刺激し続ければ、快感をこらえきれなくなったのか引き締まった腰が浮き、ひくんひくんと跳ねる。
なまめかしい反応をじっくりと楽しんでいると、いつしかゴローくんの『あん、あん』というセリフも無くなり、吐息が切なげに震えだした。
窄まりがキュプッキュプッと引き絞られるのは、無意識のうちに自ら快感を得ようとしているからだろう。
「ゴローくん、イキそう?」
イクって意味はもうゴローくんもわかっている。
とはいえ、舌だけでイキそうになるのは流石に初めてだ。
「……もうイキたいです。イかせて……ください」
男らしい声でのおねだりは、少し上擦りかすれていた。
オレの興奮度はギュンと上がり、舌使いにも熱がこもる。
「ん、ゴローくん、いい子だね」
「ぁうっ……んっ……んうぅっっ……!」
こらえるような呻きが艶っぽく鼻から抜ける。
しかめられた顔に色気が滲み、力んで何度も体を引きつらせるたびに、緩やかに立ち上がったモノが淫らに揺れた。
そして、腰を突き上げ、ギュッと穴を絞めると、力尽きたようにクタッと脱力する。
……これ、イったってことだよな。
「ゴローくん、イク時『イク』って言って、オレに教えて?」
「は、はい。頭の中がシーンとなって、メス穴がジュッと熱くなってイキました」
「いや、イッた時のことじゃなくて、イク時に教えて?あ、でもイった感想を聞けるのも嬉しいかな。ゴローくん、どんな風に気持ち良かった?」
「はい。チュプチュプして、とっても気持ち良かったです」
相変わらずどんな感じかよくわからないけど、こういうとこもすごく可愛い。
それに、かなり感度が上がってきてるよ。くぅぅぅ。
ともだちにシェアしよう!