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61-首輪もしてください
オレが手にしたのは、ヌイヤ・シンエンで追加オーダーした予備のハーネスだ。
外出時はハーネスっぽさのある服にリードらしきものをつけるというのが当たり前となった結果、ゴローくんは外出時にハーネス(らしきもの)を身につけていないと、悲しそうな顔をするようになってしまった。
だから、シンプルなVネックTシャツなど、ハーネスっぽいパーツのない服を着せるときのために、インに着用するハーネスをオーダーしたのだ。
オレは『見せない衣料品』という意味で下着という認識なのだが、ゴローくんはわざわざオーダーしたハーネスということで、特別なお出かけの時にだけに身に付けられる、スペシャルなアイテムだと思い込んでいる。
そのため、少し遠出をする時には着用するしないにかかわらず、これを必ず持ち歩くようにしていた。
「ほら、ハーネスを付けたらすごくノンアノらしくなったよ」
ゴローくんもハーネスを付けた自分の姿を鏡に映しご満悦だ。
前面は左右の肩から伸びた三本の黒く細いベルトが胸の上部でクロスしてサイドに流れ、背中はベルトが縦ラインで綺麗にクロスしダイヤを描いている。
インに着用するのでシンプルにとお願いしたけど、なんだかこだわるシンエンさんに「はい。ではそれで」と相槌を打っているうちに、シンプルだけど微妙に凝ったものになっていた。
シンエンさんとゴローくんはとても華奢で可愛いハーネスに仕上がったとホクホクだったが……。
胸部のベルトの下で丸出しの生乳が強調され、ドエロいと思ってしまうオレの感覚の方が狂ってるんだろうか。
「パンツも穿きますか?」
「え……あ、うん……」
お揃いのショートパンツもインに穿く想定だから、服の邪魔にならないよう、ローライズのミニマム丈だ。
そしてボトムスとのズレが気にならないよう、シッポ穴はパッカリと大きめ。
ああ……ゴローくん、パンパンなモノをピチピチのパンツに収めるのに苦労しているな。
「ハクトさん、首輪もしてください」
ノッてきたらしく、ゴローくんがさらにノンアノらしさを追求する。
このスタッズ付きの黒い細身の首輪はリードとセットになっていて、物欲のないゴローくんが欲しがった数少ないものの一つだ。
ゴローくんは雑誌でこれに似た首輪とハーネスをつけたノンアノを見て、こういう小悪魔クールスタイルなら自分でも真似できるんじゃないかと思ったらしい。
だけど、最近はリボン風や飾り襟風の首輪にリードチャームという、アクセサリー感の強いものが主流。こんな本格的な首輪とリードを違和感なく身につけられるのは、かなりのオシャレ上級者だけだろう。
ただ、似合うか似合わないかを聞かれれば、似合ってはいる……。
似合ってはいるけど、恐らくゴローの期待するイメージとは程遠いのではないかと思われる。
胸を強調したハーネスに、ショートパンツの前からは昂るモノがはみ出しかけ、後ろは割れ目まで見えてる状態でシッポをブン振り。
「ノンアノらしくなりましたか?」
「う……うん……」
ノンアノらしさのかけらもなく、大人で、倒錯的で、淫靡なボンテージファッションにしか見えないんだけど。
いっそ黒いロンググローブとブーツも買った方が良さそうな……。
すっかりご機嫌になったゴローくんが、色っぽい薄い笑顔を浮かべ胸の上のクロスしたベルトをなぞる。
「お散歩しますか?」
「は……!?」
「ハクトさんが特別なリードを付けてくれたから、お散歩したいです」
「あーーー。部屋の中でお散歩ごっこしようか?」
外を散歩どころか、ホテルの廊下を歩いただけで通報されそうだ……。
あ、ゴローくんの耳がちょっと下がった。
「ゴ、ゴローくんの特別可愛い姿はオレが独り占めしたいって言っただろ?外なんか歩いて、こんな可愛いゴローくんを誰かに見られたらオレ……」
正しくは『ドエロい姿』だけど、まあ、ほぼ本音だ。
「……!わかりました。お部屋をお散歩しましょう」
テテテテ……と音がする。
シッポブン振り……可愛い……。
だけど、さっきの余韻もあり、肌は艶ぽく火照っていて、息も少しハッハッと弾み気味だ。
首輪につながったリードを引いてハッと気付く。
あ、オレ裸だ。
これでリードを引いてるって、ゴローくんよりオレの方が恥ずかしい。
慌てて備え付けのガウンを羽織って仕切り直しだ。
リードを手に淫らなハーネス姿のゴローくんを連れて、ベッドルーム から居間へ。
とろけ顔でオレに従うゴローくんの目が少し潤んでいるような気がする。
正直言って、オレには他者を従属させ悦ぶような性癖はない。
だけど、ゴローくんがすっかり発情し興奮状態なのは間違いなくオレが興奮しているせいだろう。
「んっ……」
「ゴローくん、どうしたの?歩みが遅くなってるけど」
「はぁっ……ン……その、パンツがキツくて……おチンチンが苦しいです」
「そんなにおっきくしちゃってるからだよ。ゴローくん、これでお外をお散歩してたら、おチンチンパンパンの恥ずかしい姿をたくさんの人に見られちゃってたかもよ?」
「……!!!!そ、それはダメです」
どエロい格好をしていても、ゴローくんはピュアだ。
そして、そのピュアさがオレを調子付かせた。
「ほら、おチンチンが苦しいって言いながら、自分で腰を振ってコスって気持ちよくなろうとしてる」
「ち、違います。痛くないように……」
「本当に?」
ツンツンとふくらみを強く押すと、ゴローくんがクゥと喉を鳴らして身をよじった。
さらにグリグリと強くコネ回してから、再びリードを引く。
「ここ、ほら、窓のそばだと、外から見えちゃうかも。見られたい?見られたくない?」
「っっ……今は体が恥ずかしいから見られたらダメです」
チラチラと外に視線をやりながら股間を手で隠した。
心地良い清浄な風にサワサワと火照った肌をなでられるが、今はそれさえ興奮材料だ。
「ふっ……ふぅう……」
腰が引けたゴローくんが、引きずられるようについてくる。
居間をくるりとまわり、ドアの方へ。
不思議そうにオレを見るゴローくんをドアの前へ立たせた。
「ほら、よその部屋のドアが開閉する音が聞こえるだろ?今、誰かが部屋の前を通ってるね」
そう言ってキュッとゴローくんの乳首を甘くねじると、大袈裟なくらいにビクビクと震えた。
「っ……はぁっ!」
「こんなに発情してるのに、お外に散歩に行きたがるなんて、ゴローくんは大胆だね」
オレの言葉にゴローくんがパーっと全身真っ赤になった。
「はぁっ……はぁ……ごめん……なさい」
「謝らなくていいよ。ゴローくんがどれだけ大胆なことを言ったのかを教えてあげただけ」
クンッとハーネスを引いて、居間と一続きのベッドルームへ向かう。
鏡の前を通った。
だけど、ゴローくんはポーッとオレを見つめながらついてくるだけでなんの反応も示さない。
まあ、さっきみたいに拒否反応を示されるよりマシだけど。
オレはサッとゴローくんの腰を引いて、鏡の前に立たせた。
「ゴローくん、ハーネス可愛いね」
背後からチュッと頬にキスをすると顔をしかめるが、これは照れているだけのようだ。
そのまま鏡の向こうのゴローくんに見せ付けるように、前に回した手で両乳首を摘んでこねた。
「ん……クぅ……んっ……んっ……」
オレに体重を預けるようにしてゴローくんが悶える。
「ゴローくん、可愛い……」
「本当ですか?僕、可愛いですか?」
ノンアノらしい可愛さなんか皆無で、とんでもなく艶かしくて、妖艶で、淫らで、呼吸で胸筋が上下するさますら美しい。
なんて、そんな本音を言えるわけはない。
「ハーネス、よく似合ってる」
「はッ……ぁん……く。うれしいです。発情してない時なら、これでお散歩行っていいですか?」
「だから、可愛すぎだからダメだってば。これでお散歩する時は、上に何か着ないと絶対ダメだからね?」
カクカクと頷くゴローくんの足を、鏡の前に据え付けてある椅子に上げさせた。
そしてショートパンツの大きなシッポ穴に指を入れる。
「ほら、発情してヒクヒクしてる。こんなんでお散歩なんて無理だよ」
「はぁっう……ぅっ」
後ろからでもゴローくんが期待に昂り、すでに限界を迎えているのがわかる。
「オレの可愛いペットくん。旦那さまは今からどうすると思う?」
「ン……ハクトさんは……僕の旦那さまは……僕に……チュウして、ギュッとして、お胸をキュッキュして、メス穴をいっぱい可愛がって、種付けして、気持ちよかったよって言ってくれます」
「うん……正解」
ハァ、ハァと、すっかり息の上がった口を食み、ギュッと抱きしめ、再びの挿入を期待しうごめく穴を愛撫する。
「ンァア……」
ゴローくんが夢見心地で細い声を漏らし、もたれた身をくねらせ、涙を浮かべた。
「ゴローくん、おチンチン欲しい?」
コクコクと頷くアゴを持って、顔を鏡に向けた。
「もう可愛くないから嫌だなんてワガママ言わない?」
「ワガママ……ごめんなさい。でも、ノンアノらしくなくて恥ずかしかったんです」
「ハーネスをつけてノンアノらしくなったら、もう恥ずかしくない?」
またゴローくんがコクコクと頷いて、黒いハーネスをつけた体をくねらせる。
クンクンと快感に揺れる腰はショートパンツじゃ覆いきれず、昂ったモノがはみ出していて、全裸より淫らだ。
「ゴローくん、可愛い」
こみ上げる興奮をねじ込むようにゴローくんに一気に侵入した。
……シッポ穴からの挿入。実はちょっと憧れていたのだ。
ゴローくんは「あぁっ」っと滅多にない大きな喘ぎ声を上げると、あとはオレの動きにあわせ、喉を鳴らし続ける。
「ゴローくん、鏡見える?可愛い格好で犯されて嬉しい?」
「ン……ンンっ……!うれっ……しい……です」
鏡に手をつかせ、背後から思うさま貪った。
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