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第8話※

先程から、宗方のふと見せる顔が玄龍と被って見える。特に伏せた目元が玄龍を思い出させた。 更に普段、感情をあまり表に出さないが宗方が甘えてくる姿に、天馬の下半身がズクズクと疼き始めた。 宗方の肩を掴むと顔を上げさせた。いつも見上げている顔が今は下にあり、宗方が天馬を見上げている。 吸い込まれるように、天馬は宗方の唇に自分の唇を塞いでいた。 宗方が固まっているのがわかった。それでも天馬は舌を差し入れると、宗方もぎこちなく舌を絡め始めた。 天馬は宗方の頬を両手で挟み、夢中になって宗方の舌を吸った。 「んっ……はぁ……」 天馬の吐息がキスの間に漏れる。 一度唇を離し宗方を見る。玄龍によく似た目を細め天馬を見つめていた。ゾクリと天馬の体が痺れような感覚になる。 「いやか……?」 そう問うと、宗方は横にゆっくり首が振り、宗方から唇を塞がれた。 天馬はソファに座っている宗方に跨り、お互い夢中になって舌を絡めた。天馬の尻あたりに宗方の中心が硬くなっているのに気付く。 「勃ってる……」 そっと、宗方の中心に手を添えると宗方は目元を赤らめた。 宗方から体を離し自分はソファを降り、膝を付くと目の前にある宗方のズボンのベルトを外し始めた。 「か、頭……」 宗方の焦ったような声が聞こえたが、天馬はそれを無視しボクサーパンツ越しに硬くなっているそれに触れた。びくっと宗方の体が揺れた。ボクサーパンツを下ろす。 (デカい……) その大きさに一瞬見惚れたように、じっと見つめると躊躇うことなく口に含んだ。 「頭……!」 宗方の手が行為をやめさせようと、天馬の頭を力なく抑えた。 裏筋を舐め上げ、口に含めば舌を使って扱きあげ、時折、窪んだ先に舌先で突くようにしてみる。ビクビクと宗方の体が震えている。 見上げて宗方を見ると、快感に身を委ねているように見えた。 口を動かしなが、自分のハーフパンツと下着を下ろし自分の中心を握った。そして宗方のものを口に含みながら自分の中心を扱き始めた。 「んっ……ふっ……」 それはまるで玄龍にそうしているような錯覚になり、天馬は興奮した。 頭にある宗方の掌は、ただ添えられているだけになり、目を細めじっと天馬の行為に見入っていた。 (もっと……その目で、オレを……) 天馬は、キツめに吸い付くと、ビクリと宗方の体がしなり、焦ったように、 「く、口……離して下さい……もう、出る……」 そう言うと次の瞬間、天馬の口内に苦いものが広がった。 「ん……っ」 「す、すいません……」 天馬はそのままゴクリと喉を動かし、宗方の白濁したものを飲み込んだ。 「か、頭!」 「オレも、いきたい……」 そう言うと、達していない自分の中心を扱く。 「……っ、んっ……んっ……」 その時、宗方の手が天馬の手に添えられると、天馬の手と一緒に天馬の中心を上下に動かし始めた。 不意に宗方から唇を塞がれた。舌を絡め合い舌に吸い付く。唇を離せば、舌先からいやらしく銀色の糸がひいた。 (玄龍……さん……) 宗方と玄龍が重なる。宗方にしている行為、されている行為の全てを玄龍に置き換えている自分がいた。  ブルリと体が震え、絶頂を迎えそうになる。 「あっ……んっ……もう、出る……」 そう呟くと、ハタハタと天馬の白い液が二人の手を濡らした。 途端、罪悪感で宗方と目を合わせることができない。 「男にこんなことされて……気持ち悪かったか?」 まだ、天馬の顔は蒸気し色気を漂わせていた。 「誰にも言ってないけど……オレ、バイセクシャルなんだ」 「バイセクシャル……」 「そう、男とも女とも体が反応すれば、ヤレるってこと。ひくよな?」 そう言って、苦笑いを浮かべた。 「いえ……頭は頭ですから。引きません、オレは」 その言葉に天馬は顔を上げた。 「頭が……綺麗だと思いました。色っぽくて綺麗でオレも興奮しました……」 宗方は目元を赤らめ、そう言った。 「宗方……」 天馬は目を見開いた。 「キス……してもいいですか?」 熱っぽい目を宗方に向けられ、宗方の手が天馬の頬に添えられると、唇を塞がれた。 それから、時折、宗方を部屋に呼んではお互いを慰めて合った。 宗方は、天馬に口でされることにすっかり夢中になっているように見えた。 罪悪感を感じながもその一方で、天馬は宗方と玄龍を重ねては、玄龍とその行為をしている錯覚になり、興奮する自分もいた。  それを宗方が知ったら、きっと宗方は酷く傷付くのだろうと思った。

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